レックスへ、
こんな私を見つけるのがあなたなのかは本当にはわからない。だけど誰かが私を見つけるとしたら、それはあなたなんだって思ったんだ。話がそれたね。
SCP-7726 - SCP財団より,2022/09/11閲覧
ジャスティン・エバーウッド博士はとある収容違反の唯一の生存者であることによって重度のサバイバーズ・ギルトを示していた。サバイバーズ・ギルト (Survivor's guilt) とは戦争や災害などから奇蹟的に生還を遂げた人が、その際に周りの人々が亡くなったにも関わらず自分が生き残ったことについて感じる罪悪感のことである。エバーウッド博士は片腕を喪いながらも生還した。しかし、その収容違反では50人が死んでいた。
財団はエバーウッド博士が10代の頃に自殺傾向を示していたことを把握しており、この明々白々なサバイバーズ・ギルトから、エバーウッド博士が今後数週間のうちに自殺傾向を再発することを予想した。
財団は、多くの彼女の同僚達のはげましが彼女に効果を示していないことを確認し、逆に自殺傾向を促進させることを考えつく。そして彼女は財団の予想通りに自殺傾向を強めていった。そして彼女の前に、警備員の不注意で銃器が残される。
2022/07/26、エバーウッド博士は銃声を聴いた警備員によって発見された。警備員はエバーウッド博士が持っていた銃を回収し、彼女をフォン・チューネン博士のもとに連れて行った。現在、エバーウッド博士はチューネン博士のもとで広範な心理療法措置を受けている。
ラッキー・ヘア・プロトコルは首尾よく成功した。彼女は非異常の、警備員が迂闊にも置き忘れた――ことになっているSCP-7726によって自殺を図り、そして財団の予測どおりに自殺に失敗した。これによって彼女は奇蹟を感じ、生きることに前向きになるだろう。
SCP-7726とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『So long, and thanks for all the fish. (さようなら、いままで魚をありがとう)』。
SCP-7726 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Safe |
収容場所 | サイト-55の標準異常オブジェクト金庫 |
著者 | Uncle Nicolini |
作成日 | 2022年7月27日 |
タグ | 7000 エバーウッド博士 武器 |
リンク | SCP-7726 |
SCPテンプレート |
SCP-7726は標準的なベレッタ90-Twoセミオートマチックピストルである。通常に使用できるが、なぜか人間を撃つときだけ弾づまりを起こして失敗してしまう。また、人間が間接的にも損害を被る場合は同じく発砲されない。
このSCP-7726は退職防止部門によって使用されている。ここでいう退職とは転職などだけでなく、この世からの退職を試みるエバーウッド博士のように、トラウマに陥った財団職員を再び職務復帰させるためのことも含まれるようだ。
つまり財団は、SCP-7726を用いて自殺するように本人を仕向けたあと、自殺失敗という結果を持って自殺が失敗したということは自分は生きるべきなのかもしれないと思わせ、生きることに前向きになってもらう必然の奇跡メーカーとしてSCP-7726を運用しているわけである。
なお項目名はダグラス・アダムスのラジオドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』の小説版第4巻タイトルより。またエバーウッド博士は本オブジェクト著者Uncle Nicolini氏のアバターである。つまり自分のアバターのオリジンとも言える作品というわけである。SCP-7000コンテストに投稿された中では非常にシンプルな記事である。
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最終更新:2024/12/01(日) 02:00
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