9.25けもフレ事件とは、2017年9月25日の夜からインターネット上でアニメ版『けものフレンズ』監督の降板を巡る一連の騒動である。pixiv上では「たつきショック」と呼ばれる。
また、この騒動の影響の元引き続き発生したけものフレンズ2炎上についても取り扱う。
事件は、2017年9月25日午後8時ごろ、アニメ版『けものフレンズ』の監督「たつき」氏のTwitterより
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https://twitter.com/irodori7/status/912270635610472448
というツイートが投稿されたことに端を発する。
けものフレンズとは、基本的な設定(ジャパリパークやサンドスター、アニマルガールなど)を使いながら各メディアで独自展開をするメディアミックス作品である。
そして、けものフレンズプロジェクトにおける各作品には原作者のクレジットは無く、『原作はゲームでもアニメでもなく『動物』である』というのが「けものフレンズ」というプロジェクトである。
(クレジット上の「原作」はけものフレンズプロジェクトとなっている。著作権は出資者が、著作者人格権は吉崎観音先生がそれぞれ保有する形になっている。)
原作である「動物」は肖像権を訴えたりしないとして、けものフレンズプロジェクトは二次創作活動を歓迎している。(中略、後述する二次創作におけるガイドライン参照)
ガイドラインに沿った活動の範囲ならば二次創作の際の連絡は不要としている。趣味の範疇における個人または個人サークルによる、イラスト、同人誌、マンガ、小説などの作成、各種運用については許可範囲とされており、コスプレ衣装の作成とコスプレによる各種活動も同様である。
同人誌頒布なども過度な営利性がないと判断できる場合であれば該当しない。また大人向けの内容を含む二次創作は対象以外の目に届かない配慮が必要とされている。「けものフレンズ」の世界を皆が楽しむためにファン一人ひとりの心がけが大切と言えるだろう。まだフレンズになっていない動物についても「世界が広がる」として歓迎しており、「けものフレンズ」は誰が参加してもいいスタンスとしている。
(ニコニコ大百科「けものフレンズプロジェクト」より)梶井(斉 KADOKAWAコミックス編集部編集長):
『けものフレンズ』を立ち上げたきっかけは、吉崎観音さんのイラストと世界観を使った「IP(知的財産権)」を創出するのが目的だったんです。なので、大本はアニメやゲーム、映画を作るのが目的ではないんです。大げさな話をすれば、「今後100年続くIPを作りたい」という思いが根本にありました。
(アニメイトタイムス 『話題沸騰中の『けものフレンズ』、プロジェクトチームに初インタビュー! 誕生秘話からブーム到来までの歴史など「すごーい!」の連続3万字の大ボリューム』より)
アニメより先行してサービスを開始していたアプリ版けものフレンズは、知名度が伸び悩み、終了する1年前には完全無料状態に移行し、アニメが始まるギリギリまでサービスを展開していたが2016年12月に終了してしまう。
また、漫画版であるけものフレンズ ‐ようこそジャパリパークへ!‐もアニメに先駆けて月刊少年エースに連載されていた(アニメ放送と同時期に単行本が発売)が存在としてはこちらもアニメ版が始まるまで顧みられることは少なかった。
『けものフレンズ』というコンテンツを各インターネットコミュニティを通じて有名にしたのは2017年1月から始まったアニメ版の影響である。
けものフレンズプロジェクト立ち上げから参加していた梶井氏は
梶井:真面目に作ったからだと思います。ありきたりな答えですが、“ヒットを仕掛ける”場合、たいていは「こうすれば話題になるだろう」といったマーケティングに基づいた施策や奇をてらったプロモーションを考えがちです。
しかし、お膳立てしたものではなく、自主的に参加してもらえる題材を提供しなければいけません。それがプロジェクトの原点である動物に対して真摯に取り組んで作品を作ることだったんです。
動物の何気ないしぐさや習性などを、アニメのキャラクターに取り込む。(コンセプトデザインを手掛けた)吉崎観音先生のキャラクターはかわいいだけではなく、元になった動物の特徴を忠実にデザインへ落とし込んでいるんです。細部をよく見てほしいんですが、こんな擬人化は今までないと思います。それを題材に、お話として12話を見て堪能できるよう、たつき監督が伏線を張り、セリフを吟味し、仕掛けを施したんです。アニメに関しては、吉崎先生と監督が話をしながら構築しました。
仕掛けというのは打ち上げ花火のような一過性のプロモーションではなく、キャラクターも含めた作品全体に練りこむことが大切だと思います。そこを視聴者の皆さんにくみ取っていただけたので、支持が広まったのだと思います。
(日経トレンディネット『「けものフレンズ」仕掛け人が語ったヒットの理由』より)
と、スタッフ側の立場としての発言を残している。
そして降板騒動である。たつき監督のツイートが発端でけものフレンズに癒しを求めるファンに「現実」という名の冷や水を浴びせる行為であるという声が上がり、ファンが一斉にツイートで名指しされたKADOKAWAへ怒りの矛先を向けるという状況へとつながった。
また、その中でもごく一部のファンは数々の情報が錯綜する中でコンセプトデザインを担当した吉崎観音氏に心無い暴言を浴びせる者もいた。
もちろん、こうした監督交代事例はアニメーション作品のシリーズ化、または映画の続編制作などにおいて、監督やスタッフの入れ替えといった事態は、それほど珍しくはない。
それに加え、アニメ版もまた「メディアミックスの中で展開されるコンテンツのひとつ」として制作された。
また、NEXON版、けものフレンズ3、漫画版、アニメ版ともにゆるいつながりを示唆するポイントはあっても完全に全てがつながっているわけでもない。
大きくまとめるとKFP側の回答としては2017年9月27日の声明が全てである。
その後、2017年10月3日に(株)KADOKAWA代表取締役専務専務 井上伸一郎氏、またアニメ制作会社ヤオヨロズのプロデューサー 福原 慶匡 氏 より再協議を行う旨が報告されたが、同年12月27日 ヤオヨロズ 福原プロデューサーより再協議の結果、2期制作から外れることは覆らなかったというツイートが投稿された。
後の、2018年6月20日のカドカワの株式総会で「騒動を収拾するために
川上社長、井上専務が製作委員会に参加していた企業、制作会社であるヤオヨロズ双方と意見や条件等のすり合わせを図ったが、尽力虚しく降板決定は覆らなかった」という経緯が改めて語られた。
そんな中、新たなスタッフを迎えた2期『けものフレンズ2』が2019年1月7日より放送される事が決定。
後述するが、アニメ1期の騒動が収まらない中の放映となり、この事が結果としてけものフレンズ2の炎上へとつながっていく。
アニメ放送終了から時間が経った現在(2021年9月)、勢いはほとんど無くなったものの沈静化には至っておらず、未だファンやアンチの対立、『けものフレンズ2』及びKFP関係者への誹謗中傷やデマが飛び交う状況が続いている。
最後に、騒動を経てもなお「けものフレンズ」というコンテンツは現在進行形、という事を覚えておいてほしい。
9月25日のたつき監督によるツイートから二日後となる9月27日深夜、「けものフレンズプロジェクトA」名義での発表が公式HPよりなされた(ほぼ同時刻に、KADOKAWAオフィシャルページからもリンクが張られた)。
以下、その全文を引用する。
けものフレンズプロジェクトA
「けものフレンズ」に関しまして、すでに新規映像化プロジェクトの制作を発表させていただいておりますが、発表当初より同体制での継続か、新体制での新たな表現かも合わせて検討中で、現時点においてもまだ何も決定していない状況です。
そのような中、今年1月~3月に放送されたTVアニメーションと同様の体制を優先として、視聴者のご期待に沿えるべく調整をしておりましたが、アニメーション制作会社であるヤオヨロズ株式会社より8月に入った段階で辞退したい旨の話を受け、制作体制を一から模索することになっているのが現状です。
「けものフレンズ」は動物ファーストの理念のもと、関わってくださったすべての方々の手によってゲーム、コミック、アニメ、舞台と展開して参りました。広く門戸を開放し、理念に賛同していただける方々のお力添えをいただき、世界を広げていきたい。そのために誰のものでもないプロジェクトとして、動物のための「けものフレンズ」として活動を重ねて参りました。
しかし、アニメーション制作を担当していただきましたヤオヨロズ株式会社には、関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました。映像化プロジェクトとしては次回の制作を引き続きお願いしたかったため、情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れをさせていただきましたが、ヤオヨロズ株式会社からは、その条件は受け入れられないので辞退したい、とのお返事でございました。
「けものフレンズ」の映像化プロジェクトに関しては、上記のような経緯で一部滞っておりますが、「けものフレンズプロジェクト」は今後も御協力をいただく皆様と共に作品を守り、ファンを守り、動物たちのことをもっと知ってもらう活動をこれからも初志貫徹、続けていく所存です。映像化に関しましても、改めて、そしてできるだけ早くご報告できるよう進めて参ります。
今後とも様々な「けものフレンズプロジェクト」をよろしくお願いします。
上記の発表以降、10月3日まで製作委員会側・ヤオヨロズ側双方とも沈黙が続いていたが、10月3日午後1時半頃、ついにKADOKAWA代表取締役専務の井上伸一郎氏が、ツイッターで今回の騒動について発言した。
「けものフレンズ」の件につきまして、KADOKAWAは製作委員会の一出資企業にすぎないことから今まで発言を控えていました。私としても「けものフレンズ」におけるたつき監督の功績は大いに認めております。(1/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915071890648993792
この度の騒動にいたるまでの事態を正確に把握してなかったのは不徳のいたすところです。先週ヤオヨロズのみなさんと2回のミーティングを行なう機会を得ました。その際、製作委員会のご意見とヤオヨロズ様のご意見に大きな溝があることが分かりました。(2/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915071981875163137
特に「監督降板」の経緯、版権使用についても認識相違があることと、
監督のツイッターでのご発言の真意にはそういったことが積み重なったことが
原因であるということが分かりました。そこで私としては、ヤオヨロズのみなさんと今後のことについてどうするべきか相談に入ったところです。(3/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915072115287539712
「けものフレンズ」のファンの皆さまにおかれましては、ご理解のほどよろしくお願いいたします。(4/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915072221999022081
このツイートに対し、福原慶匡氏(以後、福原P)も続いて、次のように発言した。
ファンの皆様にお伝えする事が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。 影響の大きさを鑑みて発表の方法に関して協議しておりました。 発表を受けて川上社長、井上専務が迅速にヒアリングして下さり今回の発表に至った事を感謝しています。(1/2)
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/915074525783453696
この度は皆様にご心配をお掛けしてしまいました。 これから話し合いを始めますので何卒よろしくお願いします。(2/2)
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/915074560973709312
その後再び硬直状態が続いていたが、12月27日に、遂に福原Pが本件に関してツイートした。
※このコメントはあくまで福原P個人のコメントであり、公式発表ではない。
今回はお騒がせをしまして誠に申し訳ございませんでした、皆様を不安にさせてしまった事をお詫び致します。最終的な報告になりますが、2期を外れる事に関しては覆りませんでした。井上専務と共に皆様のご期待に応える為、精一杯取り組んで参りましたが、力及ばず大変申し訳ございませんでした。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943082431758336
3月には2期の依頼があり実制作を続けておりましたが、8月頭にコアメンバーで行われた会議にてヤオヨロズに対して今後続投は無いと明言され、降板を宣言されたと認識しています。私としては突然の通達で、何に対して不満を持たれていたのか要領を得ず困惑していたと言うのが正直な所です。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943151998509056
9/27の公式発表にあった情報共有についても、12.1話は委員会へ報告の上制作しておりますし、各企業とのコラボ動画に関しても委員会からの正式な依頼の元で作りました。 コミケにおける同人誌についても吉崎先生からの許可があり、その際のご提案により特別許諾と明記して頒布しました。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943187205472257
特にコラボ動画は厳しい条件もありましたがファンサービスの為にと制作スタッフが尽力致しました。疑義の対象になった事、一部はけものフレンズ公式でも触れていただけなかった事をとても寂しく思います。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943290150469632
今回井上専務には大変真摯に対応頂き、迅速な調査と調整にとても感謝しています。 最後にファンの皆様、制作中のご声援ありがとうございました。この様な残念な報告となり申し訳ありません。短い間でしたがご一緒できたことを誇りに思います。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943397101006848
2017年12月31日に生放送があった「大晦日はフレンズのみんなでドッタンバッタン大騒ぎ!けものフレンズ 年末特番@ようこそニコファーレへ」の番組内において、細谷伸之氏(以降、細谷P)から以下のコメントがあった。
※このコメントはあくまで細谷P個人のコメントであり、公式発表ではない。
例の福原さんのツイートが出る前に、出演を決めていたので、さすがに逃げる訳にもいかずにですね
ちょっと今日、参りました。いろいろ、公式から何もないみたいな事がありますが、ずっと、みなさんに楽しんでいただいたけものフレンズがですね
このタイミングで、このタイミングっていうか、夏以降からいろいろあって、非常に楽しい事が
楽しくなくなってしまったなと、いう事がとても申し訳ないなと思っております。我々としては当然、たつき監督はじめヤオヨロズさんの功績には非常に感謝をしておりますし
とても、たつき監督の2期を見たいなと、製作委員会一同もちろん思ってました。で、そこはいやらしい話、ビジネス的にもそっちの方が絶対に上手くいくというのも分かっていたんですが、いろいろな事情があって、皆さんそこは、とてもお聞きになりたいとは思うんですけれど、
あの委員会は合議制でやってますので、誰がどうという事でも実はなくって、
誰かが何かを言ったときに乗るか乗らないかという事が、いろいろあって、
それを突き詰めていくと、逆に両方の個人攻撃にどうしても、成らざるを得ないですし、
そこはちょっと我々としても本位ではないというところであまり…
今日僕が委員会を代表して出て来ている訳ではないんですが、えー…という事になりますので、
ちょっと今回は、いろいろと、ああいう福原さんからの発表がありましたが、
我々としては9月の27日に出した声明が、今の我々の見解であると、いう事になります。という事なので、この先ももちろん我々は…吉崎先生が作ってくれて、たつきさんが育ててくれたけものフレンズを、もっと、またみんなが楽しんでくれるような、コンテンツにしていくつもりで動いておりますので、この先も応援をしていただければなと、いう風に思っております。
これでご納得いただけないのは百も承知ではありますが、すいません今の僕にはこれしか言えないです。
みなさん、仰りたい事たくさんあるんでしょうが、残りを二人ゲストがいらっしゃるので、すごい楽しい話が聞けると思いますので、そちらを楽しんでいただければなと、いう風に思っております。
また、補足説明として生放送終了後に以下のツイートをした。
真意が伝えられなかったので少し補足。 個人攻撃、と言うのは何か権力を握っている誰か個人に行き着くと言うことではないです。 全ての話は細分化していくと言い出した人がいて、それはその時々によってまちまち。僕の時もあれば他の人のこともある。(続
https://twitter.com/nobutx_0517/status/947454151872483328
でも、その提案にみんなで意見を出して集約して通る時もあれば却下になる時もあるわけで。だからその個人を特定しても本質ではない。と言うことが言いたかったのです。 それはきっとヤオヨロズさんも一緒。 組織、チームってそう言うものかと。 別に圧力があって書いてるわけじゃないですよw
https://twitter.com/nobutx_0517/status/947454154179350528
委員会での決まり方の一般論の話をしたつもりだったのです。慣れてるつもりだったんですが話す順番とか具体的に言うべきとことか色々ダメでした。真意が伝えられなくすみません。 たつき監督のそういうところ素晴らしいと思ってます、みんな。ありがたかったし嬉しかったです。だから我々も残念です。
https://twitter.com/nobutx_0517/status/947708947418378241
制作会社側、テレビ局側、双方のプロデューサー2名の発言を最後に、本件はこれ以上の進展もなく、わだかまりをファンの中に残しつつも幕引きとなった。
前提として、niconicoを運営する株式会社ドワンゴ、並びに騒動当時ニコニコニュース・ニコニコ大百科を運営していた株式会社大百科ニュース社はKADOKAWAと同じく、KADOKAWAグループとドワンゴグループを統括する持株会社・カドカワ株式会社の完全子会社であった。(2019年4月のドワンゴ子会社化以降はカドカワグループ内の企業再編が進み、この時とは大きく体制が異なっている)
けものフレンズ人気の爆心地の一つがニコニコ動画であったこともあり、大百科を含むニコニコ内ではこの騒動が大きな話題を呼んだのだが、なぜかこの問題に関連した単語や動画、ネット記事などがランキング外、あるいは本案件へのタグ消しなどの活動が頻繁であるという状況が発生した。このことに対し、運営が忖度や隠蔽工作を行っているのではないか、と考える声が上がった。
特にニコニコニュースとニコニコ静画においては疑惑が際立っており、騒動当時niconicoプレミアム会員解約運動が盛んとなったのは、こういったniconico運営への不信感も影響している。
騒動発生直後、ニコニコニュースにおいてこの騒動を取り上げる記事が存在しコメントが非常に伸びているにもかかわらず、ランキングの圏外であるという状況が発生した。一方同時刻に掲載されたもっとコメント数の少ない記事はランキング上位に載り、単なるランキングの更新頻度といった話では済まされないとする状況となった。
これがTwitter上で炎上したことによってか、26日2:40頃にガジェット通信の「『けものフレンズ』たつき監督が外れる! 『Twitter』でもトレンド1位に」(ニコニコニュース版)がニコニコニュースでランキング1位に浮上した。そこでその見出しが「「けものフレンズ」たつき監督、Twitterトレンド1位に」とまるで炎上した理由を隠蔽しているかのようなタイトルに改変されていたことから再度炎上。それを受けたものであるかは不明だが、数十分後には本来の見出しに修正された。
なお、 これに関しては9月27日にニコニコインフォに説明記事が投稿された。
「ニコニコニュースのランキングに、けものフレンズ関連の記事が掲載されない点」について
騒動当時のニコニコ静画では、騒動をモチーフとしたイラストが多く投稿されたのだが、そのタグ欄において当記事とそのリダイレクト、及び「たつき監督を返して」といった本騒動関連の大百科記事があたかも存在しないかのような表示(
マーク)になっていた。
ニコニコ動画においてはこのような現象は確認されておらず、また静画でも初版が当記事よりも後に作成された大百科記事では通常通り表示されていた(騒動関連記事→無関係の記事→騒動関連記事、の順で記事作成されたにもかかわらず無関係の記事のみが
表示される等した)ため、反映遅れといった理由も考えにくい。こちらも隠蔽なのではないかという声が上がった。
事件から半年以上過ぎた2018年6月20日、カドカワの株式総会が行われた。
その際の質疑応答からけものフレンズに関する質問、それらに対する回答を記載する。
Q:『けものフレンズ』などでトラブルが起こっているが再発防止策は
川上:私たちは本当にいろんなコンテンツを抱えていて、常にトラブルを抱えている。
今後なくしていきたい。
https://twitter.com/michsuzu/status/1009270898870837248
Q:社会現象となった『けものフレンズ』。2017年3月に放映終了して、たつき監督解任が9月。
第二期の売上照準が半年遅れることとなった。
2017年末のニコ生でテレビ東京の細谷伸之プロデューサーが
「たつき監督を継続した方が売上は良かっただろう」と言っていたが、なぜ解任したのかhttps://twitter.com/michsuzu/status/1009273689731297282
井上:ご理解いただきたいのは、KADOKAWAは13社の出資会社の1つで、幹事会社ではないということ。決定権はない。
主導的立場と言われているが、製作委員会の一員でしかない。
その上で、たつき監督を解任したのはKADOKAWAだけの意志ではなく、各社の統一した意見。https://twitter.com/michsuzu/status/1009275283487117312
たつき監督解任というより、制作会社が製作委員会の要望に必ずしもマッチしなかった。
たつき監督のツイートの後、私と川上で一緒に制作会社に会って意見や要望をうかがった。
製作委員会各社にも個別に話を聞いた。その上で合わないとなった。
https://twitter.com/michsuzu/status/1009275294333616128
いろんな提案をしたが、監督降板というより制作体制の折り合いがつかなかった。
もちろん、たつき監督のすばらしい才能と貢献には感謝している。第二期はまだ未定。
『けものフレンズ』はゲームやステージなどを総称したプロジェクトなのでこれからも見守ってほしい。https://twitter.com/michsuzu/status/1009275306979426310
Q:『けものフレンズ』の件では井上専務が尽力され、制作体制の問題ということだったと。
おっしゃる通りであれば昨年、「制作していたけど理由も分からず降板させられた」というたつき監督の発言とかみあわない。
去年、(ニコニコリニューアルの不評と)時期も重なったこともあって、
たつき監督の件で「カドカワが悪人である」という流れになり、ニコニコのプレミアム会員を辞めて抗議しようという動きがあった。
井上専務が製作委員会各社を回ったということも外部に公開して釈明してはhttps://twitter.com/michsuzu/status/1009287486453846016
https://twitter.com/michsuzu/status/1009287503163973633
川上:貴重な意見として参考にしたい。
ネットではKADOKAWAやドワンゴがある種、矢面に立つ形となった。
そのことに関して、特にドワンゴ側はある種、事故に巻き込まれた形と認識している。
解決には井上と私とでいろいろ努力したが、関係者間の意見の不一致を埋められなかったのが実情。
「声高にいえばいいのでは」との意見だが、そこで「僕たちはまったく悪くない」とネットで声高にやるのも違うかなと思っていて、そこに関しては自制してきた。
https://twitter.com/michsuzu/status/1009287518590627840
https://twitter.com/michsuzu/status/1009287540103245824
2018年9月2日の「けものフレンズ LIVE 〜PPP LIVE〜」にてTVアニメの第二作『けものフレンズ2』が2019年1月7日より新たなスタッフと制作会社を迎え、放送される事が決定された。
誰もがまさかと思ったTVアニメ二期制作が本当に発表されたのである。同日リニューアルメンテナンスが行われていた公式サイトにおいてもメンテナンスが明けるとともに情報が公開された。
同日『PV第一弾』がYoutubeで発表された。内容はカラカルが紫色の小型セルリアンと奮闘する内容のショートアニメである。
低評価は好評価より遥かに上回った(低評価46000)ものの、視聴された回数は現時点(2018/9/22)で86万を超え、未だにけものフレンズが注目されていることが確認された。
そのような中、KFPの参加企業であるAGNが主催した新ユニットオーディション台本で盗用が発覚した。
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https://twitter.com/withteacher_a/status/1036263394687385600
声優志望者指南ブログを運営していたあかり先生が自サイトに載せた原稿とほぼ同じだとTweetで発言。フリー素材であったが著作権は放棄されておらず、自作原稿と受け取られる形での盗用は禁止されていた。実際に原稿はほぼそっくりであり、さらに若干の改変が加えられていた。
これに対してKFPは台本を差し替えて謝罪文を公式サイトに掲載した。しかし被害者への直接の謝罪は無かったことが、あかり先生自身のTwitterから判明した。
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https://twitter.com/withteacher_a/status/1036709187311431680
そして、上記のツイートから12日が経過しようとしていた9月15日夜、AGN社長である加藤英治氏よりこのようなツイートがなされた。
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https://twitter.com/EijiKatoAGN/status/1040968121639526400
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https://twitter.com/EijiKatoAGN/status/1040981544037281792
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https://twitter.com/EijiKatoAGN/status/1041004621571940352
などをTwitter上でツイートした。
これ以降のツイートには謝罪の言葉、今後直接謝罪の機会がほしい旨、最後に盗用されたとする人物への謝辞がツイートされた。
これに対するあかり先生のツイートは下記の通り。
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https://twitter.com/withteacher_a/status/1041004742988582912
このツイートを以て、脚本盗用騒動については幕を引いた形になるが、AGN加藤氏とあかり先生との間で連絡の有無について食い違っている点など、疑問を残す形になった。
一方、台本盗用騒動に呼応するかのようにAGN加藤氏によるツイートの2日前の9月14日にたつき監督がツイートを発信した。
台本無断使用のお話教えてもらいましたが、台本作者さんへの言及の無さに創作への蔑視が見えて…うーん… 同じ文字まわりで脚本費全話と脚本印税いまだ1円もお支払いいただけてないんですよね。けもの。しんどいので忘れるようにしてたんですが、やっぱりこういうのも声をあげた方がいいのかなー…
https://twitter.com/irodori7/status/1040557789230247938
その後、第三者からのこの件について質問を受け、テレビ東京の細谷Pはこう発言し、監督の所属する株式会社ヤオヨロズがたつき監督に対しこれらの支払いを滞らせている(所謂ピンハネ)のではないかとの疑惑が噴出してしまった。
僕が個人でお答えする立場にはありませんと言う前提で当たり前のことだけは言えるかなと思いお伝えしますと、製作委員会としてたつき監督を含んだヤオヨロズさんとの契約、発注なのでそこから先のお金の流れは我々にはなんとも言えないです。恐縮ですがこれ以上のことはお答えできません。すみません。
https://twitter.com/nobutx_0517/status/1040808975107678210
そして、16日に監督は以下のツイートを発信。
台本無断使用の件、その後の進展教えていただきました。細部やタイミング等々えっ?と思うところあるのですが、一区切りして作者さんが納得されているならば良かったのと、こちらでふれる事ではなくなったかと思います
https://twitter.com/irodori7/status/1041280391435280384
こちらの事もお騒がせしました。便乗になってしまいすみません。 実状知っていただけたので、今後世の何かしらが良くなったり、似た事が起きる率が少しなり減ったならそれで…とも思います。 もし何か動きありましたらご報告します+必要あれば詳細もご説明しますが、しばらく本懐の制作に集中しますhttps://twitter.com/irodori7/status/1041280392488148993
騒動の発端となる去年の「ざっくりカドカワ方面のお達し」のツイートと合わせて
という企業が対応をしづらい日時を選び、意図的にネットを炎上させるような意図があったのではないかとの疑念も現れ始めた中、果たして真相をたつき監督自らが話す日が来るのであろうか。
しかし、17年から始まる騒動の余波もあってけもフレ2に対しても少なからず批判の声が上がり、放送に先駆けYoutubeにて公開されたPVでは低評価が高評価を大きく上回る事態となり、放送開始後も流れは断ち切れず9話放映後から本格的に炎上。
ニコニコ生放送での公式配信では、9話の放送後アンケートにおいて、5段階評価で最高評価である「とても良かった」が3%と公式アニメ配信での当時のワースト2位を記録。同じく12話の配信では「とても良かった」が2.6%、最低評価である「良くなかった」が95.3%となり、公式アニメ配信での最低記録となった(ニコ生アニメアンケートの記録一覧)。
ここまで極端な批判が集まった理由の一つとして、「制作陣による1期ファン・制作陣に対する"悪意"で満ちているように感じた」という声が一部で上がった。
また、『けものフレンズ2』制作陣やKFP関係者の言動も取り沙汰されるようになり、特にSNSの投稿に視聴者を煽るような内容があるとして、関係者にも批判が寄せられた。
これを受けてテレビ東京は『けものフレンズ2』公式サイトにて、同局社員がSNS上において「視聴者の方々を不快にする」不適切な投稿があった事を認め謝罪するコメントを掲載。
2019年4月25日に行われたテレビ東京の定例記者会見では、『けものフレンズ2』プロデューサーである細谷伸之氏(現在はテレビ東京を退職)のSNS上の発言について、「視聴者のご意見を皮肉ったり、あおったりした部分があった」と不適切であった旨を述べている。
一方、関係者の言動には後述の誹謗中傷などを受けて取った部分もあると擁護する意見もある。
他方で、作品の評価の違いやファン制作の2次創作への攻撃などファンやアンチの対立を始め、作品や関係者に対する誹謗中傷や迷惑行為、作品及び関係者を称賛、擁護するような発言をした人や企業、『けものフレンズ2』関係者が関わっているというだけで無関係な作品なども攻撃対象とする過激な行動も見られ、果てには『けものフレンズ2』制作陣やキュルル役の声優石川由依氏、アニメ1期監督であったたつき氏などに対して殺害予告をし逮捕者が出るなど、騒動は混迷を極め、炎上はアニメ放送終了後も続いた。
その後、9月24日にスマートフォン用ゲームアプリ『けものフレンズ3』、26日にアーケード版『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』が開始された(2021年9月30日にアーケード版はサービス終了)。
アニメ放送終了から時間が経った現在(2021年9月)、勢いはほとんど無くなったものの沈静化には至っておらず、未だファンやアンチの対立、『けものフレンズ2』及びKFP関係者への誹謗中傷やデマが飛び交う状況が続いている。
騒動以降のヤオヨロズは、たつき監督の新たなTVアニメ『ケムリクサ』制作を2017年冬コミにて発表した。
2010年からたつき監督たちがirodoriとして作った自主制作アニメのリメイクである。
2018年夏コミにて2019年1月から放送予定と発表。放送局はBSフジ他、Amazon Prime Videoにて独占先行配信された。
またirodoriとしては『けものフレンズ』降板決定までの間に「傾福さん」という自主制作アニメを作っていた。ニコニコ動画及びYouTubeで全編配信済の5分アニメにも関わらずコミケ配布分とは別に約5000枚をAmazonで売り上げる快挙を果たした。さらに「へんたつ」という近況報告を兼ねた自主制作アニメを作成、1月から7月まで一か月に一回配信した。
このように、たつき監督は既に『けものフレンズ』から離れて積極的な活動を続けている。それでも思うところはあったようで「へんたつ」では「大分調子が戻ってきた」「筆を折ってもおかしくないくらい色々あった」と語られている。
2020年1月4日から2018年に公開された同人版をベースにリメイク・再構成した回と新作とが織り交ぜられた再編集版のTV版へんたつが放送。
同年4月1日に、所属会社であったヤオヨロズが解散。20日にはirodoriが開発していた遠隔自走装置およびアプリサービスであるもるにあのアルファテストが開始された。
メディアでも取り上げられる事態となっている。以下は一例。
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最終更新:2025/12/22(月) 16:00
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