キングカメハメハ 単語


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キングカメハメハ

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大王、
降臨。

スピードが要求される1600m。
スタミナと瞬発力が試される2400m。
その両方を制覇した時、
府中のターフに「大王」が誕生した。
大いなる野望を抱く「大王」が
次に征服するのは何処?

King Kamehameha

JRAヒーロー列伝 No.58 キングカメハメハ

キングカメハメハ(King Kamehameha)とは、2001年産の日本の元競走馬、種牡馬である。
馬名の由来はハワイのカメハメハ大王。

主な勝ち鞍
2004年:NHKマイルカップGⅠ)、東京優駿GⅠ)、神戸新聞杯(GⅡ)、毎日杯(GⅢ

概要

Kingmambo、母マンファス、母の父ラストタイクーンという血統の持ち込み馬である。母の海外繋養時代にサンタアニタダービー馬The Deputyが出ており、父がエルコンドルパサーやアメリカンボスなど日本でも実績馬多数のKingmamboということもあって、競走馬としてももちろん、種牡馬としても生まれた時から期待されていた。

大王の道筋

デビュー~敗戦からの変貌

牡馬なら種牡馬になれなきゃ意味がないからバシバシしごくという信念の持ち主である松田国英厩舎に入厩、2003年11月にデビュー。新馬戦とエリカ賞を先行してちょっと差す安定感ある競馬で連勝し京成杯へ向かうが、ここで大馬鹿野郎マイネルマクロスのバカ逃げでペースを崩された上この馬を捉えられず、バカ逃げを捉えたフォーカルポイント一世一代の末脚にも置いてけぼりにされ離された3着に敗れてしまう。
この無様な敗戦のあと、松国死のローテと言われる調教師が目指す最強への道、種牡馬入りへの最短ルートと信じてやまないNHKマイルカップ・日本ダービー連覇を目指し調教は更に厳しさを増し、二ヶ月後の彼は甘さを残したお坊ちゃんから、並びかけさせず捻り潰す情け無用の競馬マシーンへと変貌を遂げていた。

変則二冠への進撃

孤高の王

前へと急ぐ者がいる。
後ろで牙を研ぐ者もいる。
だが最後には誰もが
彼に従うほかなかった。
その光射す道は
ただ彼のためだけにあった。

彼の名は「ザ・ロンリー・ワン」。
孤高の存在にのみ許された
独走の戴冠式で
キングは真のキングとなった。

JRA「名馬の肖像」キングカメハメハ

すみれ賞(OP)と毎日杯(GIII)を共に先行して後続を2馬身半突き放し連勝。特に毎日杯は因縁のマイネルマクロスや幻の良血馬シェルゲームといった有力馬をねじ伏せての勝利であった。
そして迎えたNHKマイルカップ(GI)では、良馬場とは言え雨が降り、空は暗く、馬場は水を含んで少し重くなっていた…が、まったく意にも介さず5馬身差ぶっちぎり、しかもレコードタイムを記録しての圧勝を飾る。
ちなみに、2着のコスモサンビームも単純なタイム比較なら前年勝ち馬のウインガーならぶっちぎってたし例年であれば勝ち負けのタイムを記録しており、周りが弱すぎたわけではない。
そして迎えた日本ダービー(GI)、1倍台の人気でもおかしくなかったが、NHKマイルカップの勝ち方が鮮やかすぎてマイラーじゃないかと思われたり、ハイアーゲームがトライアルで従来のダービーレコードを大幅に破るタイムで圧勝して出てきていたこと、人気をやたら吸い上げるコスモバルクがいた事から2.6倍の一番人気に落ち着いた。

5月としては異常に暑い五月晴れの元、始まったレースはマイネルマクロスがアホみたいなペースでぶっ飛ばし、挙句の果てにコスモバルクが三角あたりで抑えるのを諦め先頭に立つむちゃくちゃなレースになった。
このレースを彼と鞍上の安藤勝己は、4角先頭の勢いで仕掛けて無理やり制圧するという、全く分の悪い戦術を選択した。彼を徹底マークしていたハイアーゲームも並びかけるように仕掛けていく。
4角で膨れたコスモバルクの煽りでコースが狭くなったがそれを意にも介さず直線に向くと、すでにハイアーゲームはしっぽを激しく左右に振ってアップアップ寸前、それを無慈悲にちぎり捨て、道中ずっと後ろで溜めてきたハーツクライが乾坤一擲の末脚を繰り出し飛んでくるが振り切り、ゴールに飛び込んだ。タイムは2分23秒3
従来のダービーレコードを2秒縮めるとんでもないパフォーマンスを披露し、公営笠松から移籍してきた鞍上安藤勝己に記念すべき日本ダービー初制覇をプレゼント。クロフネやタニノギムレットで叶わなかった調教師松田国英の悲願を達成し、信念の正しさを証明してみせたのである。
フジテレビ実況の三宅正治アナが「今!最強の大王が降臨したっ!!」と絶叫したのも頷ける、圧勝であった。翌年、ディープインパクトがレコードを出しにくい追い込みで同タイムを記録し圧勝したが、それでもこっちの方が強いと思えてしまうほど。
余談になるが、2015年に皐月ダービー二冠を達成した息子ドゥラメンテにレコードを更新された。二代揃って恐ろしいものである。そしてキンカメのダービーから4年後、ディープスカイが同じくNHKマイルとダービーを制覇。二頭目の松国ローテ両取りを成し遂げている。

しかしこの激走の代償は大きく、秋は菊花賞に向かわず天皇賞(秋)を目指すべく初戦の神戸新聞杯(GII)を快勝したが、松国タイマーが破裂し屈腱炎を発症し引退。種牡馬入りした。

ちなみに、2004年度ダービー「死のダービーとあだ名されるほど、レース後に故障したり、スランプに陥る馬が続出した。
ハーツクライのように未完成かつ適正に合ってないレースに出されてスランプに陥ったという馬もいるが、レース中からしてマイネルブルックが予後不良を起こし、レース後にはコスモサンビームとフォーカルポイント、キョウワスプレンダが骨折で長期療養、マイネルデュプレが繋靭帯炎で長期療養、因縁のバカマイネルマクロスが屈腱炎で引退。ハイアーゲームは青葉賞の輝きを失い、結局GⅠに届かないまま引退。ダイワメジャーも懸念されていた喉鳴りが秋になって悪化し、療養生活入り。そして「大王」のリタイアと、妙にオカルトチックな、呪いのような雰囲気すら出てしまった。
しかし、それを乗り切りスランプを脱したり治療に成功したコスモバルクやハーツクライ、ダイワメジャー、スズカマンボは、後にGⅠを勝利。世代のレベルの高さを示したのであった。 

種牡馬として

種牡馬としては、ポストサンデーサイレンス・父サンデーサイレンス牝馬の配合相手の一番手として非常に優遇された。ちなみに、父系としてはミスタープロスペクター直系ではあるが、そのノーザンダンサー比率は直系のクロフネよりも濃かったりする(5代血統中 キングカメハメハ:12.5%・クロフネ6.25%)。
SS牝馬を活かしきれる血統構成のエルコンドルパサー、エンドスウィープが次々亡くなり、満を持して導入した切り札ウォーエンブレムはロリコン人間なら仕方ないにしろ、遺伝子を残すことが第一義の動物としてはちょっとおかしい子で使い物にならなかったので、シンボリクリスエスと並んで最高級の牝馬を与えられた。その半分でもトウカイテイオーやタニノギムレットに譲ってくれ。

ところが一年目の産駒は割と微妙であった。勝ち上がり率は5割近くと高く普通ならそれなりに成功なのだが、優秀な繁殖牝馬の産駒はもう一つ走らず日本一の牝馬の質を誇る社台グループのエースとしては物足りないという船出となった。
しかし二年目の産駒はトゥザヴィクトリーやエアグルーヴ、ローズバドなど最高級牝馬の子が重賞戦線できっちり活躍し、アパパネが2010年牝馬三冠を達成。この世代の大活躍で2010・2011年のリーディングサイヤーとなった。その後も多彩な活躍馬を輩出していたが、2013年以降は体調不安もあり種付け数を減らし、2019年に体調不良のため種牡馬を引退することになった。
その後は功労馬として社台スタリオンステーションで繋養されていたが。2019年8月9日に死亡。晩年には白内障も患っていたという。

その後、ジュンライトボルトのチャンピオンズカップ制覇により、種牡馬として国際GI勝利を収めた産駒を15頭としたことから、2022年に国際保護馬名に指定。以後、この名前の競走馬が国際的に出てこないこととなった。

BMSの方面でもリーディングサイアーとなり母父産駒も目立ってきている。福永祐一に初のダービー制覇をもたらした早逝のダービー馬ワグネリアン、無敗の三冠牝馬で6歳になっても未だ第一戦で戦うデアリングタクト、白毛のマイル女王ソダシといった面々の活躍は記憶に新しい。

血統表

Kingmambo
1990 鹿毛
Mr. Prospector
1970 鹿毛
Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
Miesque
1984 鹿毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Pasadoble Prove Out
Santa Quilla
*マンファス
1991 黒鹿毛
FNo.22-d
*ラストタイクーン
1983 黒鹿毛
*トライマイベスト Northern Dancer
Sex Appeal
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
Pilot Bird
1983 鹿毛
Blakeney Hethersett
Windmill Girl
The Dancer Green Dancer
Khazaeen

主な産駒

  • 2006年産
    フィフスペトル(京成杯AH、函館2歳S)
  • 2007年産
    アパパネ(牝馬三冠、阪神ジュベナイルフィリーズ、ヴィクトリアマイル
    ローズキングダム(母ローズバド:ジャパンカップ、朝日杯フューチュリティステークス、京都大賞典など重賞5勝)
    ルーラーシップ(母エアグルーヴクイーンエリザベスⅡ世カップ、金鯱賞、日経新春杯など重賞5勝)
    タイセイレジェンド(JBCスプリント、クラスターカップ、東京盃)
    トゥザグローリー(母トゥザヴィクトリー:中日新聞杯、京都記念、日経賞、日経新春杯、鳴尾記念)
    ショウリュウムーン(チューリップ賞、京都牝馬S、朝日チャレンジC)
    ソリタリーキング(東海S、日本テレビ盃、マーキュリーカップ) 
  • 2008年産 
    ロードカナロア(香港スプリント連覇安田記念スプリンターズステークス連覇高松宮記念、その他重賞3勝)
    ベルシャザール(ジャパンカップダート、武蔵野S)
    ヒットザターゲット(京都大賞典、目黒記念、新潟大賞典、小倉大賞典)
  • 2009年産
    ハタノヴァンクール(ジャパンダートダービー、川崎記念、ブリーダーズゴールドカップ)
    ホッコータルマエ(チャンピオンズカップ帝王賞二回かしわ記念JBCクラシック東京大賞典連覇川崎記念三連覇など)
    ケイアイエレガント(福島牝馬S、京都牝馬S)
  • 2010年産
    コディーノ(母ハッピーパス:札幌2歳S、東スポ杯2歳S)
    ディアデラマドレ(母ディアデラノビア:マーメイドS、府中牝馬S、愛知杯)
    ラブリーデイ(天皇賞(秋)宝塚記念、京都大賞典、京都記念、鳴尾記念、中山金杯)
  • 2011年産
    トゥザワールド(母トゥザヴィクトリー:弥生賞) 
  • 2012年産
    レッツゴードンキ(桜花賞、京都牝馬S)
    ドゥラメンテ(母アドマイヤグルーヴ:皐月賞、日本ダービー、中山記念)
    ヤマカツエース(金鯱賞二回、福島記念、ニュージーランドトロフィー、中山金杯)
    レーヴミストラル(母レーヴドスカー:青葉賞、日経新春杯) 
  • 2013年産
    リオンディーズ(母シーザリオ:朝日杯フューチュリティステークス
    エアスピネル(母エアメサイア:デイリー杯2歳S、京都金杯、富士ステークス)
    ミッキーロケット(宝塚記念、日経新春杯)
  • 2014年産
    レイデオロ(東京優駿天皇賞(秋)、ホープフルS、神戸新聞杯、オールカマー)
  • 2015年産
    チュウワウィザード(JBCクラシック川崎記念チャンピオンズカップ、他重賞3勝)
    ユーキャンスマイル(母ムードインディゴ:阪神大賞典、新潟記念、ダイアモンドS)
  • 2017年産
    ジュンライトボルト (チャンピオンズカップ
  • 2019年産
    スタニングローズ(秋華賞、フラワーカップ、紫苑ステークス

主な母父産駒

  • 2014年産
    モズカッチャン(父ハービンジャーエリザベス女王杯、フローラステークス)
  • 2015年産
    ワグネリアン(父ディープインパクト東京優駿、東京スポーツ杯2歳ステークス、神戸新聞杯)
    ブラストワンピース(父ハービンジャー有馬記念、毎日杯、新潟記念)
    インディチャンプ(父ステイゴールド安田記念マイルチャンピオンシップ、東京新聞杯)
  • 2017年産
    デアリングタクト(父エピファネイア桜花賞オークス秋華賞
    ウシュバテソーロ (父オルフェーヴル東京大賞典川崎記念ドバイワールドカップ
  • 2018年産
    ソダシ(父クロフネ阪神ジュベナイルフィリーズ桜花賞
    アカイトリノムスメ(父ディープインパクト秋華賞

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関連項目

  • ハーツクライ
  • コスモバルク
  • ダイワメジャー
  • 競走馬の一覧
  • 競馬
  • 松国ローテ
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