英語サブタイトル部分も含めた題名は「東方求聞史紀 〜 Perfect Memento in Strict Sense.」
その内容は、里の人間「稗田阿求」が執筆した『幻想郷縁起』と言う書物の形をとっている。
この書物は元々、妖怪に対抗する手段に乏しい人間が妖怪の弱点や対策法などの知識を広めるために、1000年以上前に稗田阿一が編纂を開始した書物である。転生をするたびに新しく編纂しなおしており阿求で9回目であるが、今回は幻想郷が外界から隔離され安定してから始めての編纂であるため、今回の幻想郷縁起は今までのものとは少々趣が異なっている。
妖怪の弱点・対策法まとめと言うスタンスは維持しつつも、妖怪の私生活に踏み込んでみたり、逆に妖怪の自己アピールを 取材すると言った事も行われているため、少々事実と異なったり大げさになった内容が含まれていたりする。
実際、永夜異変に関連する人物(輝夜、永淋、優曇華や妹紅)などはその資料の少なさもあって、阿求の想像が多分に含まれている。
こうしたモデルチェンジは「人間と妖怪の新しい関係を築くため」と独白にあるが、一方で各種妖怪の危険度は高めに・人間友好度は低めに水増しして書かれているともある。
実際のところ現在妖怪が私利のために人間を襲うことは滅多にないのだが、それを正直に書いてしまうと、ただでさえたまにしか行われてない人攫い・妖怪退治が余計に行われなくなり、双方が平和ボケしてしまう。そうなると、もし外の世界から何か強力な妖怪等が幻想入りして来た場合、歯が立たずに幻想郷を支配されてしまう恐れがある。(実際、吸血鬼異変においてそれに近い危機が一度起こっている)
それを防ぐため、形式的なものに過ぎなくても、「妖怪は人を攫うもので人は妖怪を退治するもの」と言う建前が必要であり、幻想郷縁起もそれを汲んで妖怪の危険度を水増ししているのである。
以上のことから資料集としては公式設定と剥離している部分が少なくないため素人には扱いにくすぎる書籍であるが、読み物としては面白く幅広い情報が載っている為、東方ファンなら一読の価値がある。
商業作品なので普通の書店でも理論上は買う事ができるが、
普通の本屋では滅多に売っていない為、Amazon辺りのネット通販で購入するのが手っ取り早い。
ニコニコ市場経由で結構な数が売れており、
その為か2007年度のAmazonの売り上げの「画集・設定資料集ランキング」にて1位であった。
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最終更新:2024/04/28(日) 08:00
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