和歌山線とは、奈良県北部と和歌山県北部を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の路線である。
概要
王寺駅(奈良県北葛城郡王寺町)と和歌山駅(和歌山県和歌山市)を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)である。全線が大阪近郊区間に含まれる。路線記号は「T」。
全線単線だが、少なくとも2駅に1駅は交換が可能な駅となっている。
以前は和歌山駅発で王寺駅まで行く列車はあまり多くなく、日中は途中駅の高田からスイッチバックして桜井線に直通して奈良に向かうダイヤが組まれていたのだが、このタイプの列車は2022年3月12日のダイヤ改正で全廃されるなど、路線全体で大幅な変更が行われた。その結果和歌山駅発で王寺駅まで行く列車は増えている。
近鉄と競合している王寺~高田間は朝夕ラッシュ時間帯に毎時3~4本運行され、JR難波駅発着の快速も設定されている。この時間帯はダイヤ改正後も目立った減便は行われなかったものの、平日の日中は毎時2本から毎時1本に減便されてしまった(土休日は減便なし)。
最も大きな影響を受けたのが、和歌山県内である。朝ラッシュ時間帯に和歌山駅行快速が2本、夕ラッシュ時間帯に五条駅行快速が2本設定されており、粉河駅から和歌山駅に向かう列車は朝にかなりの運行本数があるものの、日中だけでなく夕ラッシュ時間帯まで大減便が行われてしまった。
歴史
私鉄の大阪鉄道、南和鉄道、紀和鉄道が開業させた路線である。南海鉄道(当時)より一足早く和歌山進出を果たしたため、和歌山駅という名前を手にした(ただし、この和歌山駅は現在の紀和駅である)。この3社が相次いて関西鉄道に買収された後、1907年に国有化され、1909年に和歌山線と命名された。
現在の和歌山駅は1924年に開業しており(当時は東和歌山駅)、和歌山線はこちらには乗り入れず、和歌山市駅まで直進していた。1930年に阪和電気鉄道が阪和東和歌山駅を開業すると、徐々にターミナル駅としての機能がこちらに移っていった。和歌山線は田井ノ瀬駅と和歌山駅(初代)の間に紀伊中ノ島駅を設けて阪和電気鉄道との乗り換えの便を図っていたが、1961年に貨物支線が開業し、これを通じて東和歌山駅に乗り入れる列車が設定されるようになった。1968年に東和歌山駅は和歌山駅に改称され、1972年のダイヤ改正ですべての列車が和歌山駅に乗り入れるようになった。1974年に田井ノ瀬~紀和間が正式に廃止され、現在に至っている。
途中にある北宇智駅は関西地方で唯一のスイッチバック駅だったが、2007年3月18日のダイヤ改正でスイッチバックは解消された。かつて相対式ホーム2面2線のそこそこ立派だった駅は、今では1面1線の単なる棒線駅に。
路線データ
使用車両
過去の使用車両
ICカードの利用
2020年3月14日より、和歌山線内全線でICOCAおよび相互利用カードの利用が可能となっている。
駅一覧
駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺施設 ※備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|
王寺駅 | ■西日本旅客鉄道(JR西日本):関西本線(大和路線) ※下り方面へは直通列車あり ■近畿日本鉄道:生駒線・田原本線 ○リーベル王寺 |
奈良県 | 北葛城郡 王寺町 |
畠田駅 | |||
志都美駅 | 香芝市 | ||
香芝駅 | |||
JR五位堂駅 | |||
高田駅 | ■西日本旅客鉄道(JR西日本):桜井線(万葉まほろば線) ※直通列車あり |
大和高田市 | |
大和新庄駅 | 葛城市 | ||
御所駅 | ■近畿日本鉄道:御所線 | 御所市 | |
玉手駅 | |||
掖上駅 | |||
吉野口駅 | ■近畿日本鉄道:吉野線 | ||
北宇智駅 | ※元スイッチバック駅、周辺に遺構あり。 | 五條市 | |
五条駅 | |||
大和二見駅 | |||
隅田駅 | 和歌山県 | 橋本市 | |
下兵庫駅 | |||
橋本駅 | ■南海電気鉄道:高野線 | ||
紀伊山田駅 | |||
高野口駅 | |||
中飯降駅 | 伊都郡 かつらぎ町 |
||
妙寺駅 | |||
大谷駅 | |||
笠田駅 | |||
西笠田駅 | |||
名手駅 | 紀の川市 | ||
粉河駅 | |||
紀伊長田駅 | |||
打田駅 | |||
下井阪駅 | |||
岩出駅 | ○ミレニアシティ | 岩出市 | |
船戸駅 | |||
紀伊小倉駅 | 和歌山市 | ||
布施屋駅 | |||
千旦駅 | |||
田井ノ瀬駅 | |||
和歌山駅 | ■西日本旅客鉄道(JR西日本):阪和線・紀勢本線(きのくに線) ■和歌山電鐵:貴志川線 |
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関連コミュニティー
関連リンク
関連項目
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