浪人(ろうにん)とは、以下の意味で使われる言葉である。
- 昔の日本において、自分の生まれ育った土地以外に浮浪する人。流浪人、放浪者、漂泊者、風来坊、アドレスホッパー(address hopper)とも。→風来坊
- 仕事を失った武士・侍の事。主君がいなくなった状態。元々は牢人と書いた。
- 1.2.から転じた用法で、現代において就職先や進学先が決まらないまま学校を卒業した人のこと。学生浪人、就職浪人。
- 2ちゃんねるの(実質)系列掲示板であるBBSPINKにおいて、画像認証(CAPTCHA)を経ずに投稿できるようにするためのシステムの名称。「浪人システム」「Ronin」など。月額4.99$。「●」とは下位互換性を持っており、個人情報漏洩で破壊されたままの「●」の代替として浮上している。
学生浪人
浪人とは、現役(中学or高校卒業見込み年度)時に第一志望に合格できなかった等の理由により受験生の延長戦を戦う者たちのことである。
基本的に、浪人は以下のケースに分けられる。
- 第二志望には合格したが、第一志望に合格できず、第一志望大学合格を狙い浪人となる者
- 受験した高校や大学に全てに不合格(全落ち)し、自動的に浪人となる者
- 私立専願で私立高校や大学へ進学するつもりであったが、不況等の理由により私大へ進学できなくなり浪人せざるをえない者
- 一度社会人になったが再び受験生となるもの(医学部医学科に多い、再受験生とも)
- 第一志望に合格したが、自身の健康、経済、家庭、天災などの事情により高校や大学進学を1年以上諦めざる得ない時。
また、一口に浪人と言っても、以下に示すようなさまざまな形態がある。
- 自宅浪人:宅浪とも。予備校に通わず自宅や図書館のみで勉強する者。家庭の経済状況が苦しい者が多い傾向にある。予備校費がかからない代わりに情報を全て自分で集めなければいけないし、願書の締め切りも自分で把握しなければならないので、色々と大変である。一般論として成功率は極めて低い。高校を卒業し生まれて初めてどの社会組織にも属さない時期を体験することになり、さらに受験仲間が作りにくいし、家族からのプレッシャーもあり精神的にかなりきつい。勉強する強制力がないので、自制心がないとそのままニートやフリーターになってしまうことも。
- 予備校生: 一般的な浪人スタイル。河合塾、駿台や代ゼミなどの予備校に通い勉強する者。ひたすら勉強している者も居れば友達作りに来ているとしか思えないような者も居る。受験仲間が作りやすく、切磋琢磨しながら勉強出来るので結構楽しいと思える人もいる。比較的成功率が高いが、授業料は年間数十万とけして安くない。
- 仮面浪人: 他大学に通いつつ第一志望の大学への合格を目指し勉強するもの。メリットとしては、既に在籍してる大学があるので「落ちても大丈夫」と心の保険になることと、仮に実際不合格でも(単位さえ落とさなければ)二年次へ進めるということがあるが、それがそのままデメリットにもなっている。一般論として成功率は絶望的に低い。というか途中で諦める者がほとんどである。そりゃ周りがみんな遊んでるのに自分だけ勉強、なんて出来るはずもないのだ。
また、予備校業界では浪人という言葉を使わず、○卒生という言葉で表す。高校でも既卒などといって浪人という言葉を使わないこともある。
浪人生の一年間と見る精神状態
受験とは、精神を磨り減らすものである。現役時ですらそうであったのだからミスが許されないとされる浪人であるなら尚更。
上に上げた例のうち、特に自宅浪人は外界との接触を維持しづらいために精神的に不安定になるケースが多い。
2月~4月
3月中旬までに、ほぼ全ての大学の合否結果が出揃い、受験生の進路(進学、浪人、就職などなど)が決定する。
第一志望に不合格であった受験生が涙を流すのもこの時期。早い人は第一志望不合格が分かるやいなや予備校探しなどに奔走する。
4月~夏休み前
夏休み前までは、現役時の貯金があるため、現役生との差も大きく、第一志望でもA判定を連発する。ここで調子に乗るかさらに精進するかで今後の運命が決まる。
夏休み中
旧帝大を始めとするオープン模試が行われる。まだまだ現役生は授業が終了していない分野も多いためこのような二次試験タイプの模試では差が顕著に出る。ここで調子に乗るかさry
現役生にとっても浪人生にとってもモチベーションを保つのが大変な時期である。
夏休み後~10月
部活を引退した現役生も多くなり、怒涛の追い上げが始まる。マーク模試の判定が徐々に落ち込み始め、4月にはAだったものが10月にはDまで落ちていることも珍しくは無い。
また、秋のオープン模試が行われる。まだまだ現役生に比べれば有利であるものの、夏休み中ほどよい判定が出ないことが多い。
11月~冬休み
現役生がおおよそ教科書を終了し、学校の時間割が受験に向けた自習の多いものになる。「現役生は直前まで伸びる」という言葉が怖い。
冬休み中
現役生にとっても浪人生にとってもラストスパート。両者とも性格が刺々しくなる。街を歩いて81%や742などのような数字を見かけるとビクッとする。
センター試験直前
精神的疲労がすごいことになる。このまま東尋坊に連れて行かれれば簡単にfly awayしてしまうレベル。現役生は一浪までなら大丈夫と自分を安心させるものも居るがその後ろ盾が無いことに気づき愕然とする。
数学①
(あれ、大問3むずくね?パスだパス。)
(大問4もむずい……あれ、涙で前がry
現役で××大学か浪人して○○大学か
個人的主観で申し訳ないのだが、そもそもそんなことを考えること自体に意味がない。浪人して○○大学へ合格できるのであればみんな浪人する。でもしないのはなぜか?確信できないからだ。実際、二浪なんてそこら中に居る。
よく言われることとして浪人生の成績は、上がる者、現状維持がやっとの者、逆に現役時より下がってしまう者に三分される。もしあなたが浪人を考えているのだとしたら、あなたは上位三分の一に入る自信はあるだろうか?無いのであれば素直に第二志望にでも第三志望にでも進学するべきだ。全落ちはシラネ
著名な学生浪人キャラ
刈野勉三(キテレツ大百科)…勉三さん。ビン底眼鏡に学生服という古き良き苦学生として描かれる。6浪していたが後に大学合格を果たす。実は愛車がミニクーパー。
伊佐坂甚六(サザエさん)…磯野家の隣に住む浪人生。その割には遊んでる様子ばかり描かれているような気もする。マイカー持ち。大学に受かった様子はない。
五代裕作(めぞん一刻)…一刻館の五号室に住む浪人生。物語中盤で大学に合格し、卒業するものの今度は就職浪人を経験する。
浦島景太郎(ラブひな)…幼いころの約束を果たすために東大を目指している。物語開始時にすでに二浪していたが、劇中で再び試験に落ち三浪。その後無事合格するものの、入学式で事故に合ってしまいそのまま留年が確定した。
浪人系youtuber
youtubeの流行に伴い、浪人系youtuberと呼ばれる動画投稿者が見られるようになった。
・YukihiroTV…3浪時にyoutubeで動画投稿を始める。大学9校の受験に全落ちし、youtuberを目指すことを宣言。その後色々あり4浪を開始するも年末頃に浪人を断念。現在は本人曰く動画作製に関する仕事をしながら動画投稿を続けているが、浪人再開を望む声も多い。私立文系で早慶志望であった。関東地方在住。
・タロイモ工房…滋賀県出身。私立文系で同志社や立命館志望であった。3浪での受験失敗後、就職しつつ4浪で受験を目指すも寸前で断念。のちに家を追い出され、車中生活を送りつつ5浪を考えるも断念したり、関東地方に渡りバイト生活を送るなどする。現在はプログラマを目指しており、その一歩として関東地方のIT企業から内定をもらった模様。
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関連項目
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