LDゲームとは、レーザーディスクに記録された映像を使用するアーケードゲームである。
概要
1980年代前半に登場したゲーム機で、LDドライブを搭載しており、LDに収録された映像を背景画像として使い、その上に基板で生成したキャラクター画像を合成する仕組みになっている。当時は背景画像を基板で描画するとなると膨大なマシンパワーとROMが必要だったが、LDゲームの方式なら基板の負荷を減らすことができ、リアルな実写映像を使うことでプレイヤーにアピールすることができると考えられた。
「LDゲーム」という呼称は「タイムギャル」(1985年、タイトー)で付けられたもので、これ以降はこのタイプのゲームはLDゲームと呼ばれるようになった。
LDゲームは基本的にヒットした作品が少なく、アクションゲームやRPGなどに比べて知名度が低い。その為、LDゲームと聞いてもピンと来る人は少ない。人に説明するときは、「PS2のスキャンダルやBLOODみたいなゲーム」と言えば辛うじて分かってもらえるかもしれない。
基本的に、ゲーム機が貧弱な表現力しか持たなかった時代に何とかしてそれを克服して映像面でパワーアップさせようとして作られた産物であり、その代償にゲーム性を失ったと思えば間違いない。むろん、表現力が大幅に上がった現代のマシンで同様のゲームを作る意義は全くない。が・・・HD機でLDゲーム並にゲーム性の薄っぺらい作品が増えたのはなんでだろう・・・?
ゲームの形式
- プレイ中に表示される選択肢を選ぶ、あるいは、単にタイミングよく規定のボタンを押すだけ…選択肢が表示されるタイプのゲームは、規定の時間内に選択肢を選んでキャラクターを行動させなくてはならない。無論、間違った選択肢を選んだり、何も選択しないでいると、キャラクターはやられてしまう。単にタイミングよくボタンを押すだけのゲームの場合、大抵、画面に何も表示されない為、死んでボタンを押すタイミングを覚えなくてならないケースが多い(ドラゴンズレア等)。後にガンコントローラが実用化されると、「タイミング良く画面の特定部分(敵のいる部分)を撃つ」というゲームも登場した。実写映像を使った西部劇ガンシュー「マッド・ドッグ・マックリー」である。まだ2D主流だった1990年にあって、映画そのもののような実写映像、西部劇お馴染みの「決闘」を再現するシーンなどそこそこウケたらしく、後にムービー再生機能を持ったCD-ROMゲーム機などに移植されている。しかし、やっていることの本質は80年代から大して変わっておらず、後に続くタイトルはなかった。
- LD映像による背景に基板によって生成されたキャラクターを合成する…セガの「アストロンベルト」や、実在のサーキットの映像を背景にすることで疑似的にそのコースを走っているようなレースゲームに仕立てた「レーザーグランプリ(タイトー)」「GPワールド(セガ)」等が存在する。ナムコの3Dシューティング「ギャラクシアン3」ではLDできめ細かい背景を描き、そこにリアルタイムポリゴンで破壊できるキャラクターを重ねていた。
作品の例
- アストロンベルト(セガ・1983)
- スターブレイザー (セガ・1983)
- アルベガス(セガ・1984)
- GPワールド (セガ・1984)
- タイムトラベラー (セガ・1991)
- ドラゴンズレア(シネマトロニクス・1983)
- スペースエース(シネマトロニクス・1984)
- ドラゴンズレアII タイムワープ (リーランド・1991)
- バッドランズ (コナミ・1984)
- サンダーストーム(データイースト・1984)
- ロードブラスター(データイースト・1985)
- レーザーグランプリ (タイトー・1983)
- 忍者ハヤテ (タイトー・1984)
- 宇宙戦艦ヤマト (タイトー・1985)
- タイムギャル (タイトー・1985)
- スーパードンキホーテ (ユニバーサル・1984)
- エシュのオルンミラ (船井電機・1985)
- タイムトラベラー(セガ・1991)※立体映像を利用した筐体「ホログラム」上で稼働する。
家庭用ゲーム
※似たようなシステムを採用した家庭用ゲームもLDゲームと呼ばれる。
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実写
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関連項目
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