イサカM37とは、アメリカのイサカ社が製造・販売しているポンプアクション式ショットガンである。
イサカと聞くと井坂とか伊阪とか想像して日本と関係あるのかな?と思ったりもするが、実際はアメリカ合衆国ニューヨーク州の町イサカ(Ithaca)が由来であり、日本とは特に関係無いらしい。
概要
イサカM37はイサカ社が1937年に発売したポンプアクション式ショットガンである。最大の特徴は装填と排莢を下の開口部一か所で行う点にあり、これにより、下から装填して右側面から排莢する従来型のショットガンと比較して軽量であり、フェザーライト(羽のように軽い)と呼ばれた。また、開口部が下にあることは発売当時のショットシェル(散弾銃の実包)が紙製で雨に弱いことに対して非常に有効であった。また、副次的だが左右どちらの手でも同じように操作できるという利点もあり、左利きの人にも人気だとか。このため、ポンプアクション式ショットガンとしては現在も含めて最も長い間生産が続けられている。
イサカM37のベースとなったのはレミントンモデル17と呼ばれるショットガンである。モデル17はイサカM37と同じ(もちろん、正確に言えばイサカM37がモデル17と同じ、なのだが)特徴を持つショットガンであり、この銃の特許は1915年にジョン・ブローニング(またブローニングか!)が取得していた。イサカ社は第一次世界大戦後にショットガン市場への参入を画策してイサカM37の開発を進め、モデル17の特許が切れる1937年まで待った上で[1]発売している。
しかし、発売から僅か数年後に第二次世界大戦の勃発によって民間向けショットガンを作ってる場合じゃねえ!という状況になり、イサカM37は太平洋戦線へ向かうアメリカ海兵隊向けに限定的な数が生産・支給されたに留まった。大戦終結後は民間のショットガン需要が戻ったためかなりの数が売れたようである。軍と民間向け以外にも、警察向けに販売され、ロス市警などが大量に購入・配備している。
創作においてはいろいろな作品で登場しており、ターミネーター、バイオハザード5、メタルギアソリッド3などでその姿が見られる。これ以外には、エアソフトガンとしてマイナーな銃をエアソフトガン化するのに定評のあるKTWがフルサイズをM37フェザーライト、銃身とストックを切り落としたモデルをM37ソウドオフ、銃身切り落としの上ピストルグリップにしたモデルをM37ポリス、フェザーライトのマガジンチューブを延長するなど改良したモデルをイサカ・ライオットとして発売している。動作方式はエアコッキング単発。射撃性能は悪くないが、BB弾を収めるマガジンが特徴的な形状(通称:割り箸マガジン)のためこの点だけ使いづらいと言われる。
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関連項目
脚注
- *実は1933年にジョン・ブローニングの特許が期限切れしたことでイサカM33として発売しようとしたが、モデル17をブローニングと共同開発したピダーセンの取得した特許が1937年まで切れないと判明し、慌てて生産を止めたなんて話がある。
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