イラクサ(英名:Nettle 学名:Urtica thunbergiana)とは、イラクサ科イラクサ属の多年生植物である。
概要
地域によってはカイグサ、カユクサなどの別称で呼ばれている。葉と茎に棘があり、刺さると痒みが生じる。漢語表記は蕁麻・刺草などと書き、中国では咬人貓という名がある。「蕁麻疹(じんましん)」という言葉はこの「蕁麻」の棘が刺さって腫れた痕のような発疹、というところからきている。別名として痛々草(イタイタグサ)とも言う。
加熱すると棘が和らぎ、食用に適する。味噌汁、天麩羅などの料理に向いている。先述の通り棘に刺さると患部に痒みが生じるので採取の際は手袋などの着用が欠かせない。
日本では関東より南の本州、四国、九州にかけて自生するイラクサや、北海道から中部にかけて分布しているエゾイラクサが主な種である。同じく食用に適するイラクサ科植物にミヤマイラクサ(Urtica thunbergiana)があるが、こちらはムカゴイラクサ属の植物である。ミヤマイラクサには毒消しとしての効能もあり、蛇毒や虫毒の患部に葉汁を当てて使う。
セイヨウイラクサ(Urtica dioica)はネトルと呼ばれ、ヨーロッパではハーブとして古くから利用されている。ビタミンやミネラルなどを豊富に含んでおり、効能として花粉症などのアレルギー症状緩和、血液の浄化作用、利尿作用などがある。
◆MTGに「イラクサの牙のジン」Nettletooth Djinnというカードが存在する(ミラージュ)。
痒みの原因となる物質
イラクサの毒棘にはセロトニン、ヒスタミン、アセチルコリンなどが含まれているが、これらの物質を単体で皮膚に塗っても痒みは生じない。ヒスタミンとアセチルコリンを混ぜて皮膚に塗り付けると痛みを感じることが研究により明らかになった。
他にも蟻酸や蓚酸、酒石酸が含まれているとされる。
関連項目
- 0
- 0pt