バカのピラミッド単語

バカノピラミッド

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バカのピラミッドとは、エジプト第4王朝のバカのピラミッド（とされる遺跡）である。

概要

紀元前2600 ～2400年ごろのうちの短期間にファラオのバカが在位していた際に作られていたピラミッド。未完成の状態で残されている。何らかの事情でバカが在位したのは1年程度だったため、バカのピラミッドは建設途中で放棄されてしまったと考えられている（ただしバカは王位に就いていないとする説もある）。

未完成ではあるものの、複合体の配置などでバカの父親であるジェドエフラーのピラミッドとの共通点も挙げられている。花崗岩の楕円形の石棺が特徴的であり、1900年代にこのピラミッドを調べたイタリアの考古学者のアレッサンドロ・バルサンティは、ジェドエフラーのピラミッドでも同様の石棺の破片が見つかっていると主張している。

ちなみにバカの前後に在位したとされるのがカフラーとメンカウラーで、ギザの三大ピラミッドのうち2つがその王のピラミッドである。さらに言うとバカの祖父は、三大ピラミッドの残り1つを作ったクフである。何かが違っていれば、バカも大きなピラミッドが作られていたのかもしれない。

1964年からバカのピラミッドはエジプト軍の基地の中にあり、自由に見学ができないどころか発掘も許可されておらず、遺跡の整備もされないまま放置されているようだ。

バカと呼んでいいのか？

当記事ではこのピラミッドについて「バカのピラミッド」と呼んでいる。複数のウェブサイトでも通称として「Pyramid of Baka」等と書かれており、当記事作成時点での日本語版Wikipediaの「バカ (ファラオ)」でも「バカのピラミッド。」と書かれてしまっている。

しかし、考古学・歴史学的にはピラミッドが作られた時のファラオの正確な人物や名前は断定できず異説も上がっているほか、そもそもヒエログリフの読み方から考えると「Baka」はバカとは読まないのではないかとする意見もある（後述）。つまりピラミッドの所有者はバカではない可能性もある。

「Unf inished Northern Pyramid of Zawyet El Aryan（ザウィヤト・アル・アルヤーンの未完成の北のピラミッド）」等と、ピラミッドの所有者を特定しない名前で呼ばれる場合もある^[1]。上項目の説明は、Bakaを「バカ」と読み、ジェドエフラー王の息子かつピラミッドの所有者とした場合の内容となる。

アレッサンドロ・バルサンティがこのピラミッドを1900年代に調査したが、彼がスケッチしたファラオの名を示すヒエログリフでは、2文字目は確かに「Ka(カ、カー)」と読み取れるものの、1文字目が何の文字を示すか読み取れない。その後詳しい調査がされなかったうえ、先ほど述べたように現在は軍の基地の中にあるので、現地で確認することも難しいようだ。

Bakaだとするのは説のうちの1つであり、他には以下のような名前の説がある。

Set hka（セスカー）、セトカ王と同定
Neb ka（ネブカー）
Bikka（ビッカー）
Sc henaka（シェナカー）
Neferka（ネフェルカー）
Wehem ka（ウェヘムカー、ウヘムカー）

Bakaについて

Bakaという名前は、ジェドエフラー王のピラミッド付近にある葬祭殿でも像の台座に書かれており、王の息子とされている。

ただし、Bakaがどのような人生を送ったのかは現在よくわかっておらず、先ほど述べたように王即位しないまま生涯を終えた可能性もある。4000年以上前の人物なのでさすがに情報が残っていないようだ。ピラミッドの建設が中断されたのは、恐らく王になる予定だったところ途中で死亡したためではないかとする考察もあるが、その場合の死因も謎に包まれている。

ちなみにBakaは後のエジプト第13王朝の文献に登場するクフ王の息子の「バウエフラー(Bae fra)」、またはギリシャの文献に「ビケリス、ビクヘリス(Bikheris)」や「ビウリス(Biur is)」として掲載されているファラオと同一人物とする説もある。バカが後に「バカレ(Bakarê)」に名前を変えられ、これが後に訛って「ビケリス」等の名前になってしまったということのようだ。