ヘラジカとは、動物の一種である。シカの仲間で、哺乳類の偶蹄目シカ科ヘラジカ属に分類される。
概要
オオジカとも呼ばれる、巨大なシカ。英語圏ではユーラシア大陸に住むヘラジカをエルク(elk)・北アメリカに住むヘラジカをムース(moose)と呼び区別している(生物学上の違いはない)。
アラスカやスカンディナヴィア半島など北半球の緯度が高い地域の森林地帯に生息している。シカの仲間では最大の種類であり、偶蹄目の中でも指折りの大きさになる。その大きさは最大だと体長は3mを越え、体重は800㎏以上にもなる。がっしりとした筋肉質な胴体をしており、それと比較すると華奢で細長い四肢というアンバランスにも思える体つきをしている。もちろん、巨体を支えるために脚の筋肉は発達しており、その筋肉と硬い蹄から繰り出される蹴りは必殺級の威力。なお、幼体時のアンバランスさは体のパースがおかしいとよく言われる。
オスは頭頂部から大きく平らな角が生えており、その角は外見上の特徴でもある。角は最大で2mを超えるビッグサイズになる事もある。和名の由来がその角なのだが、言う程そんなにへら状ではなかったりする。外敵から身を守る際やオス同士の決闘において角は強力な武器となる。
また、オスのみ喉部分から「肉垂」という垂れ下がった皮膚が見られる。
その圧倒的な威容から「森の王」と呼ばれ、古くから知られている。でも遥かに小さいクズリにやられたという報告も。
性格
恐怖心を与えるほどの体の大きさだが、性格は大人しくのんびりとしているという。自衛や子を守る時以外に戦うという事も少なく、事故以外で人に危害を加える事も少ない。
ただし、繁殖シーズンのオスは非常に気が立っており凶暴。見掛けた自動車に攻撃してボコボコにしたり近くにいた人を追いかけたりと、巨体なのもあって危険である。繁殖期のオス同士はメスを巡って壮絶な戦いを繰り広げる。こうなると周囲の事などお構いなしにぶつかり合い、どちらかが逃げ出すまで戦いは続く。街中の人家の目の前で戦い、車がクラクションを鳴らしても戦い続けたという例もある。オス同士の戦いは相手とメスに自分の強さを見せつけるのが目的であり、相手を殺す事はない。
事故
ヘラジカが住む地域では車と接触するという事故が多発している。ヘラジカの生息域では、ヘラジカとの衝突に注意するよう促す安全標識が立てられている。また、自動車の安全テストの一環として、ヘラジカとの衝突を意識した試験も存在している。
ヘラジカは体型の関係で自動車のボディが細い脚の位置にぶつかり、脚が折れて胴体が倒れ込む位置がちょうど運転席に当たる。つまり、事故ると最大800㎏の巨体が運転するドライバーをちょうど押しつぶす事になるのであり、事故はヘラジカは死亡・ドライバーも無事では済まない、凄惨なモノとなる。
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関連項目
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