レッサーパンダとは、レッサーパンダ科レッサーパンダ属に分類される食肉類の動物である。
概要
形態:体長は50~60センチメートルほどで尾長は30~50センチメートルくらいである。全身柔らかい体毛で被われている。
生態:森林や竹林に生息の樹上で生活している。夜行性もしくは薄明薄暮性で昼間はあまり活動しない。食性はタケノコや昆虫、果物などを食べている。
その他:日本では1976年に釧路市動物園が初めて飼育下繁殖に成功した。本種では「時に二足で立ち上がる」という習性があるが、00年代半ばの日本で、立ち上がるレッサーパンダの風太君が話題となって人気を博した。
名称
「パンダ」とは「竹を食べるもの」という意味のネパール語である。元々は竹や筍を食べる習性のあるこの種のみがその名で呼ばれていた。
しかし後にジャイアントパンダが見つかり、竹を食べるという類似した習性からこの種の巨大な亜種であると判断され「ジャイアントパンダ」と名づけられた。実際には、レッサーパンダはアライグマに近く、ジャイアントパンダはクマに近い生物であるので互いの亜種ではない。
そのうち、白黒の愛らしい風貌からジャイアントパンダが有名になるにつれ、単に「パンダ」と言うとジャイアントパンダをさすようになり、こちらの種は英語において「レッサー」をつけた名前で呼ばれることになってしまった(こういった経緯を経た言葉をレトロニムという)。
ちなみにレッサーとは英語で「より小さい、より軽度の、比較して劣っている、重要でない」という意味であり、他の使用例としてはレッサーデーモン、レッサーヤクザなど。あまりよい意味の言葉ではないので、近年では英語では「レッドパンダ」と記載されることが多い。
他の国の言語でも「パンダ」に、「小さい」「赤い」「金の」などを意味するそれぞれの国の接頭語・接尾語をつけた名前で呼ばれることがほとんどである。
なお、これらの名称はあくまでも通俗名であって、学名は"Ailurus fulgens"である。ailurusは古代ギリシャ語で「猫」を意味し、fulgensはラテン語で「輝いている」「きらきらしている」を意味するので、全体として「輝く猫」と言う意味になる。英語に直訳するとシャイニングキャット。ちょっとカッコイイ?
「firefox」
本種の英語での通称のひとつに「firefox」というものもある。
有名なウェブブラウザソフト「Firefox」の由来はここからとっているとされる(といっても、このウェブブラウザの名称がFirefoxとなったのは、「Phoenixという名前にしよう」→「他のソフト会社の名前でもうあります」→「じゃあFirebirdで」→「それも他のソフトで使われてます」→「じゃ、じゃあFirefoxにすっか」という苦肉の策だが)。マッハ5で飛行し、ロシア語で考えて攻撃する戦闘機(NATOコードネーム「Firefox」)を描いた小説・映画「Firefox」という作品もあるが、こちらとは違うらしい。
しかしそのウェブブラウザのロゴに描かれているのは「炎っぽいキツネ」であって本種ではない。イラストレーターが本種について「正確な姿を思い出せなかった」ことと、本種がそんなにメジャーな動物でもないということが原因のようだ。
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関連項目
関連リンク
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