保とは、養い育てるという意味の漢字である。また以下のことを表す。
人名
たもつ、と読んで日本の男性の名前に用いられる。また奄美地方には保(たもつ)姓が見られる。
名前
苗字
その他
漢字として
保
- Unicode
- U+4FDD
- JIS X 0213
- 1-42-61
- 部首
- 亻部
- 画数
- 9画
- 意味
- 〔説文解字・巻八〕には「養ふなり」とある。
- 字形
- 字形については諸説ある。
- 甲骨文・金文の字形は人+子で、子の周りに八や丿が加えられている形が多い。子の上に玉の字があるものもある。
- このことから、人+子+丿の会意で丿は赤子をくるむ布とする説(〔文源〕〔古籀補〕など)、新生児を衣でくるんで行う儀礼を表すとする説(白川静)、子供を背に負うとする説、子を腕に抱く意とする説(〔釈例〕など)などがある。
- 〔説文解字〕には「人に從ひ、𤓽の省に從ふ。𤓽は古文の孚なり」とあり、人と孚の古文による会意とする(孚は孵す意)。〔小徐本〕〔段注本〕は形声としている。また〔段注本〕は𤓽を𤔍としている。また人+孚という字と保はもともと同じ字で分離したとする説(徐灝)もある。
- 音訓
- 漢音・呉音はホウ、慣用音はホ、訓読みは、たもつ。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校5年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 保を声符とする漢字に、㨐、葆、堡、褓(緥)などがある。
- 語彙
- 保安・保育・保管・保険・保健・保護・保佐・保持・保釈・保守・保証・保障・保身・保全・保存・保父・保姆・保養・保留
- 参考
- 保の草書体が、平仮名のほの字のもとに、右下の部分が片仮名のホのもととなった。
異体字
- 𠈃は、〔説文解字〕の本字ともされる字。〔集韻〕には保と同じとある。
- 𠌀は、〔説文解字〕にある古文で「𠈃、省かず」とある。
- 𡥀は、〔玉篇〕、〔六書故〕にある古文。
- 𤔍は、〔集韻〕にある古文。
- 㙅は、〔篇海類編〕に保の異体字とある。また堡の異体字ともされる。
関連項目
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