子とは、子供のことである。また以下のことを表す
十二支
子(ね)は十二支の第1位である。十二支の一つとして年月日、時刻、方位などを表す。十二方位は北、年は西暦を12で割って余りが4の年、夏暦では11月、時刻は夜11時から深夜1時を表す。深夜12時を正子ともいう。 五行は水、陰陽は陽。十二生肖としてネズミが割り当たっている。
なお子の字は甲骨文のころには十二支の巳を表し、子(ね)は後に篆書で㜽、𢀈などにあたる字で表した。
人名
殷王朝の王族の姓が子である。
子は王子や身分の高い人を表したので、字(あざな)に用いるようになった。孔門十哲から例を挙げる
日本では伝統的に〇〇子というのが女性の名前に用いられる。節子、敦子、翔子、舞子、姫子、京子、貞子、律子、良子、・・
その他
- 二人称の代名詞。あなた、きみ
- 身分の高い人の呼び名、敬称
- 中国の書籍の分類(経史子集)の一つ。諸子百家の思想の書。
- 中国で思想的な著作につける接尾辞。孟子、韓非子、荘子、墨子、・・
- 科学、コンピュータ用語の訳語に用いる接尾辞。電子、拡張子、・・
- 小さい物、ちょっとした物を表す接尾辞。菓子、椅子、扇子、・・
漢字として
- 意味
- 子供、幼児、男、男子の美称、先生、徳人、人、人びと、五爵の第4位、果実、という意味がある。古くは、とくに王子など身分の高い男子を表し、のちに子供の意味で使われるようになった。
- また滋と通じて、ふえるという意味がある。
- 字形
- 幼子の象形。〔説文解字・巻十四〕には「十一月、陽气動き、萬物滋入す。以って偁と爲す。象形」とあり、陰陽五行説に則って解説している。なお十二支の第1位を表す字は、甲骨文・金文では別の字であった。
- 音訓
- 音読みはシ(漢音、呉音)、ス(唐音)、訓読みは、こ、ね、きみ、み、おとこ。子の音読み、訓読みを用いた小野篁による子子子子子子子子子子子子(ねこのこ、こねこ、ししのこ、こじし)という言葉遊びが知られる。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校1年生で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 部首
- 子は部首、子部を作る。主に偏に用いられ、こどもへん、こへんと呼ばれる。子孫に関係することを表す。
- 声符
- 子を声符とする漢字には、仔、孜、芓、秄、李、字などがある。
- 語彙
- 子音・子宮・子細・子爵・子女・子息・子孫・子弟・子婦・子夜
異体字
- 𢀈は〔説文〕に「籒文の子、囟は髪有り、臂脛几上に在るなり」とある籀文。
- 㜽は〔説文〕に「古文の子、巛の髪を象るに從ふなり」とある古文。この2字は甲骨文で十二支の子(ね)を表した字がもとになったのだろう。
- 𡿹は、〔説文長箋〕にある古文。𡿹の書き方が変わって㜽と書くようになったとある。
- 𢀇は、〔説文(段注本)〕での籀文。
- 𢀉は、〔説文〕の注にある古文。
- 𡐫は〔字彙補〕や〔説文〕の注にある古文。〔字彙補〕に「扶風縣の夫子廟碑に見ゆ。唐程浩撰す」とある。
- 𣕓は、〔字彙補〕にある古文。
- 𠙭は、〔字彙補〕にある異体字。
互換文字
⼦はUnicodeにおいて子と互換とされる字で、部首としての子を表す。
関連項目
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