嘘をつく子供とは、イソップ童話の中でも、特に有名な話の一つである。通称「オオカミ少年」として知られている。
あらすじ(多少意訳してます)
ある村に羊飼いの少年がいたが、羊飼いの仕事がとても退屈だったので、退屈しのぎに「オオカミが出たぞ!」と叫んでみた。
少年の叫びを聞いた村人たちは、村の大切な羊を守ろうと手に武器をとり少年のもとへ駆けつけるが、そこにオオカミはいない。少年は嘘をついていたのだ。結局無駄足に終わり、村人たちは帰っていった。
この様子が大いにツボに入ったらしく、別の日、少年はまたしても「オオカミが出たぞ!」と叫ぶ。当然のように村人たちは武器を持ってやってくるが、嘘だと分かると「またガセネタかよ・・・」と思いながら帰っていった。
そんなことが何度も何度も繰り返されたため、村人たちは「あの嘘つきの言うことなんて誰が信用するものか」と思うようになり、しまいには「オオカミが出たぞ!」との叫び声に耳を貸さなくなった。
そんなある日、村に本当にオオカミが出現。少年は「オオカミが出たぞ!」と必死で叫んだものの、「またお前か」と誰も少年のもとへ駆けつけなかった。当然のように村の羊はオオカミに食べ尽くされ、この話はバッドエンドを迎える。
本によっては、「少年自身がオオカミに食べられてしまう」という終わり方もあるが、この終わり方は原作には存在しない。
教訓
一般的には、「嘘をついてると、いつかは信じてもらえなくなるよ。だからいつも正直に生きることが大切ですよ。」という解釈で、よく教訓として教えられる。幼い頃絵本とかでこんな感じに教わった人も多いことだろう。
しかし興味深いことに、原作では全く違う見方——「結局なぜ村の羊はオオカミに食べ尽くされたのか?それは村人たちが『少年が嘘をついている』と思い込んで何もしなかったからではないか」という見方——も示されている。
つまりこの話から得られる教訓として、「先入観って恐ろしいね。だから物事を見るときは偏見のないようにしよう。」とする解釈もある。
関連項目
- 童話の一覧
- 褒姒(似たようなエピソードで知られる。但し、嘘をついたのは周の幽王)
- 嘘をつくおばさん(子供は嘘のつきすぎで信頼を失くしたのに対し、こちらはアホらしい嘘が原因で信頼を失くした)
- ウソップ(「海賊が来るぞ」と狼少年のように村中に言い回っていたが、ある日本当に海賊の来襲があると知り、その事実を「ウソ」にするために仲間と共に奮闘する)
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