大倶利伽羅とは…
- 相州廣光作の太刀。重要美術品でもある。
- 刀剣乱舞に登場するキャラクター。1の擬人化 ⇒ 大倶利伽羅(刀剣乱舞)
- ニトロプラスのゲーム、『装甲悪鬼村正 -FullMetalDaemon MURAMASA-』の登場劔冑、大倶利伽羅広光のこと。
本稿では1を取り扱う。
大倶利伽羅とは、日本刀の一振りで太刀に分類される刀であり、重要美術品指定作品。
概要
倶利伽羅竜が彫られていることからこのように呼ばれるようになった、伊達家伝来の太刀。倶利伽羅はインドのサンストクリット語で「剣に黒い龍の巻きついた不動尊像」という意味。不動明王立像にはこの竜が巻きついた剣を携えている。現在は重要美術品の指定を受けているが、めったに一般公開されることがない、貴重な日本刀である。もし、展示のお知らせが舞い込んできたら、またとない貴重な機会と思っていいだろう。
余談だが、本来、日本刀の刀身に文様を彫刻をするのは刀の威力を弱くするとされ避けられてきた。しかし、刀身に傷が付いた時に隠す名目で彫刻するケースもあったという。大倶利伽羅も同様の理由に加え、伊達政宗の不動明王信仰という要素も加わり、現在の刀身になったのではないかと推測される。
不動明王と倶利伽羅剣
そもそも、倶利伽羅(倶利伽羅剣)とは不動明王が携えてる剣。これは三昧耶形…仏を表す象徴物を指す。つまり、倶利伽羅は不動明王の象徴といえる剣なのだ。そもそも、不動明王は大日如来の教令輪身(平たく言えば仏法の番人であり、説教する立場)なので、その険しい表情も「仏法的に許されんぞ!!」と怒りながら正しい道へと導く為の存在だったりする、仏教(密教)において重要な仏。
なぜ、不動明王の話をしたのかというと、伊達政宗と不動明王には浅からぬ伝承がある為。5歳のころ、政宗は生まれて初めて不動明王を見たのだが、これまで柔和な仏像を見てきた政宗には衝撃的な表情であった。なぜかを寺の和尚に尋ねたのだが、5歳児の癖に和尚の説法を最後まで聞いたのだという(この時、片倉景綱は「子供だからすぐに飽きるだろJK」と思っていた)。が、説法を聴き終えた政宗は「不動明王って大名のお手本なんだね。外には厳しいけど、内には優しくするから」と感想を述べる。もちろん、創作だという説も強いが、伊達政宗が不動明王を信仰していたことに加え、非凡である事実が、このような話ができたのかもしれない。
関連項目
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