小田急3100形とは、かつて小田急電鉄に存在した特急用車両である。通称はNSE(New Super Express)である。
概要
1963年に登場したこの車両はSE車こと3000形をよりレベルアップした車両であり、連接台車や低重心の車体などの3000形の先進的な機構に加えて前面展望車の設置など今日まで続くロマンスカーのイメージを決定づけた車両であり、今持って高い人気を誇る。
11両編成でドアは手動であった。塗装は3000形に準じたものになっており、愛称板も3000形と同じ規格のアクリル板であった。SE車と同じくオルゴールを採用して、この車両の印象にも大きく作用した。最大の特徴は前面展望車であり、名鉄7000系のように運転台を展望室の上に設ける設計となっている。この構想自体は古くからあったが、3100形で本格的な採用となった。言うまでもなく、展望室部の座席はプラチナチケットとなり、ロマンスカーのイメージ定着に多大な貢献を果たした。
その後、愛称板を方向幕としたり、オルゴールをテープ式からIC式に変更したりと時代に合わせた改良を行ってきたが、さすがに登場後30年も経過すると、いかに更新を行ってるとは言え老朽化が進んできた。また、これまでロマンスカーは観光客が多かったが沿線人口の増加に伴って通勤需要が増えていき、いかに11両編成であっても20m車8両分程度の3100形では需要に対して明らかに不足していた。
その為、1996年に登場した小田急30000形が増備されていくと入れ替わるように廃車となり2000年に最後まで残った1編成が廃車となって、形式消滅をした。
現在は喜多見の車庫に短縮されてはいるが1編成が保存され、また展望車1両が開成駅前に屋根付きで保存されている。いずれも良好な保存状態である。
円谷作品への出演
本社が小田急沿線に存在した円谷プロは制作作品においてたびたび小田急線が登場するが、3100形は特撮ファンにも知られる存在であった。特に以下の2作品が知られている。
「ウルトラQ」の28話「あけてくれ!」の中で現実に疲れ切った人があらゆる苦しみから解放される理想郷へ行く為の列車として登場する。その名も「異次元列車」である。但し、移動の過程で過去の自身の映像が流れ、それに耐えかねて「あけてくれ」と叫ぶと降ろされてしまい、二度と乗れなくなってしまう。登場当初の3100形のインテリアを見ることのできる貴重な映像である。もしこのページをご覧の皆様が、理解のある異性や、温かい家庭をお持ちでしたら、夜の電車は気をつけてお乗りください。
「ウルトラセブン」の2話「緑の恐怖」で宇宙ステーションV3の石黒隊員に化けたワイアール星人が彼の妻を連れてウルトラ警備隊から逃げる際に乗った列車として登場しており、冒頭より原型のオルゴールを聴くことができる。トンネル内から逃げる場面は終電後の経堂の車庫(当時)を使ったと言われる。但し、トンネルから出た後の映像は小田急線内ではなく、当時の御殿場線であるとされている。放映当時(1967年)はまだ電化されておらず、架線のある路線からいきなり架線のない場面となっているのが確認できる。
ちなみにこの他、ロマンスカー以外でも円谷プロ作品で小田急線が登場している場面はウルトラセブンのメトロン星人のお話で北川町の駅前に向ケ丘遊園駅が登場している。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 0
- 0pt

