改札(かいさつ)とは、きっぷを改めること。
ここで言う「改める」とは、切り替えるという意味ではなく、確認するという意味を持つ。
行為としての「改札」
基本的には、鉄道などの公共交通機関において係員が乗車券などを視認するなどして、乗客が乗車の権利を持っていることを確認することを指す。
JRの規則では、乗車券を使用開始する前を「旅行開始前」、使用開始した後を「旅行開始後」という。ここでいう旅行とは列車に乗ること全般を指すので、遠出だろうが1駅の利用だろうがそれは「旅行」に含まれる。
改札を行う目的のひとつは、不正乗車の防止にある。原則としてきっぷは前売りされているため、きっぷを所持して乗車していることが前提となる。その「きっぷを正しく所持しているかどうか」を確認する行為が改札である。
改札の方法
そのきっぷに対して初回の改札を行った際は、きっぷに対して使用開始済みであることを示すなんらかの印をつける。
現代では券面にスタンプを押す・丸い穴を開けるのが主流となっている。磁気式のきっぷを自動改札機で使用する場合は機械で磁気データを記録し、券面に小さな穴を開ける(さらに日付などを印字する場合もある)。
しかし、昔ながらの入鋏(にゅうきょう)という方法を続けている会社も存在し、その場合は金属製の「はさみ」を用いてきっぷに特定の形をした切り欠き痕を作ることによってきっぷが使用開始済みであることを示している。
また、時代が下るとICカードが登場する。これらは穴をあけたりせず電子的なデータのみで改札の情報を記録している。
ここまであくまで「使用済み」ではなく「使用開始済み」と書いたのは、改札をすることによって直ちにきっぷ自体が失効するわけではないからである。たとえば初回の改札を受けて「旅行開始後」になったきっぷも一定の条件を満たせば変更や払い戻しを受けたり、途中下車をすることができる。きっぷが完全に失効する(使用済みになる)のはその効力を満了(きっぷに書かれた区間をすべて乗車)するか途中放棄して、「廃札」されたときになる。
車内改札
「検札」とも言う。
おもに走行中の列車内で行われるもので、乗客が正しいきっぷを持っているかを確認し、場合によってはスタンプを押したり穴をあけたりする。またはきっぷを持っていなければその乗客にきっぷを販売する。この業務は主に車掌が行うことが多い。
また、ワンマン運転の場合運転士が運賃の収受を行うことがあるが、これはあまり車内改札とは言わない。
海外では駅に改札を置かず、代わりに車内改札にリソースを割いていることが多い。
駅設備としての「改札」
特に鉄道駅の入り口において、上記の「改札」行為を行う場所を改札口、または単に改札という。鉄道用語ではラッチやラチなどと表現することもある。
上記の「改札」を済ませたきっぷを所持していない人間は、原則として改札口より内側の区域に立ち入ることはできない。
改札口にはいくつか種類がある。
自動改札
日本で初めての自動改札機は、1927年に東京地下鉄道(現在の銀座線)で採用されたターンスタイルの改札機。これは改札に備えつけられている硬貨投入口に10銭硬貨を入れるとバーのロックが解除され、十字のバーが90度ずつ回転することで1人1人を通行させるようにしたもの。しかしこの改札機は均一運賃にしか対応できないため、1931年に廃止された。
現代的な自動改札機のはしりは1967年の阪急北千里駅、1969年の近鉄学園前駅に設置されたものと言われている。
(有人)改札
係員が改札を行うもの。これがある駅はたいてい自動改札機がおかれていない駅だが、自動改札機の並びの端っこに設置される案内や精算などの業務を行う(JRではよく「うらが白色のきっぷ」などと書かれている)レーンを有人改札と言うこともある。
中間改札・乗換改札
主に同じ駅の中で、改札を挟んであちらとこちらでは運賃や必要なきっぷが異なる場合に設置されるもの。
異なる会社間の境目に置かれることが多いが、他にも新幹線と在来線の中間に設けられたり、特急ホームと一般列車ホームを区切るために設置されたり、経由が違う二つの路線を区別するために設置されたりする。
(設備としての)改札がない駅
改札設備がない駅というのも存在する。特に地方の小さな駅に多く、その場合は以下のような方法で改札に代えている。
- 乗車駅証明書や整理券を受け取り、降りる駅で運賃を支払う
- 車内改札を行っている車掌に運賃を支払い、きっぷを販売してもらう
- 駅に備えてある券売機できっぷを購入し、降車駅では普通に降りる
- その路線でその駅以外は改札が設置されている場合、改札がない駅から乗っても必ず改札のある駅で降りることになるため省略している場合もある(関東鉄道竜ヶ崎線入地駅や東急こどもの国線長津田駅など)
関連動画
関連静画
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関連項目
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