日銀砲とは、日銀が大量の資金を使って行う為替介入または量的金融緩和である。
概要
2003年5月~2004年3月の為替介入
2003年5月~2004年3月の円売りドル買い為替介入が特に有名である。この為替介入は、米国のジョン・ブライアン・テイラー国際担当財務次官と日本の溝口善兵衛財務官が合意してから行われたのでテイラー・溝口介入と呼ばれている。
当時は円高ドル安が進んでいたが、これはアメリカのハゲタカファンドが仕掛けてきているものだとされており、このままでは経済に悪影響が出ることが予想された。これらハゲタカファンドを追い返すために行われた介入の事を指して、日銀砲の名前が使われるようになった。
為替介入の指示をしたのは財務省で、日銀はその指示を受けて実務を行った。2003年9月に財務大臣に就任した谷垣禎一によれば、前任者の塩爺こと塩川正十郎から為替介入は始まっており、自分はそのバトンを受け取ったという。アメリカ合衆国の政府からは理解が得られたが、同国の民間企業や欧州各国政府からはこの介入について非難が多かったとも証言している。
以下、その発言を抜粋する。
一晩に何兆円も(円を売って)ドルを買うことをやりました。そういうことを何回もやりました。
一年半は続けたんじゃないかと思います。総額では、日本円に直して、三十数兆、たぶん使ったと思います。
その後
ネット上に広まったこの話を受けて、それ以降、日本銀行がなにか大きな行動を起こすときに「日銀砲」の名前が使われるようになった。
2013年から行われている黒田バズーカもその一つである。こちらは量的金融緩和で、日銀が円建て日本国債や円建てETFを大量に買い込むことである。
コピペ
2003年5月~2004年3月の円売りドル買い為替介入については2ch(現・5ch)でコピペ化された。
日銀上司「いいか、これから1分ごとに10億円づつ円売りドル買い介入を行う」
日銀部下「1分ごとに10億円も?」
日銀上司「そうだ1分ごとに淡々と売り続けるんだ。これから24時間売り続けるんだ。」
日銀部下「24時間ですか?」
日銀上司「そうだ。為替相場に終わりは無いんだ。もちろん交代要員も用意してあるが出来るだけ頑張ってくれ。」
日銀部下「はー、、。でも1分間に10億円だと1日に1兆円以上の資金が必要ですが?」
日銀上司「今、30兆円用意してある。当面はこれを使う」
日銀部下「それを使い切ったらどうするんですか?」
日銀上司「財務省が保有している200兆円もの米国債のうち、比較的短期のものを最大100兆円売って新たな介入資金を作る」
日銀部下「米国債なんか売っちゃっていいんですか?」
日銀上司「円売りで買ったドルで新たに米国債を買い、国庫に返還するので問題は無い。とにかく相手が折れるまで淡々と売り続けるんだ。休んだらヘッジの思う壺だ」
これを35日間続けました。
この結果アメリカのヘッジが2000社倒産しました。
また、行方不明になったり自殺した人も大量にいました。
このコピペは疑わしいところがある。
このときの為替介入は円売りドル買い介入なので、介入資金といえば日本円である。日本政府は日本円建て国債を発行して市場に売却して、介入資金の日本円を得ていた。
しかし、このコピペでは「介入資金を得るために財務省が保有する米国債を売った」と言っている。財務省が保有する米国債は米ドル建てなので、それを市場に売ると米ドルを得ることになり、介入資金を得られるわけではない。
関連動画
関連項目
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