消費税の軽減税率制度とは、生活必需品等の特定の品目を対象に消費税の標準税率から軽減した税率を適用する制度である。軽減税率と略される。正確には「8%と10%の複数税率」制度である。
※軽減税率は消費税以外にも存在するが、本稿では以後「消費税の軽減税率(制度)」の略称として「軽減税率」の文言を使用する。
概要
消費者側から見ると「事実上の物品税」である。但し、物品税制度が課税対象品目を設定するのに対し、軽減税率制度は消費税の課税対象品目の例外となる軽減税率対象品目を設定するという点で異なる。後述の新聞が軽減対象となったように、単一税率制度では存在しなかった軽減税率対象物の選定というステップが生じるため、利害関係者と政治家の力関係や取引により不合理な利権化する危険性が大きい。また、軽減税率(複数税率)の導入は経理事務、申告事務を複雑・困難にし、日本独自の消費税の帳簿方式が維持できなくなる原因となった。
日本では、消費税が8%→10%へと増税された際の公明党の強い主張により、令和元年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施された。財務省・国税庁・自民党・税理士会は問題の多い軽減税率制度には強く反対していたが、結果的に公明党・創価学会の強硬な主張が通り、軽減税率制度が導入された(それに伴い、6年後のインボイス制度の導入が決定された)。
政府広報オンラインの当該頁(リンク)では、軽減税率対象品目を「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」と明記している。特に後者が対象品目となっている点が一般人による今日の軽減税率批判の大部分を占めると言っても過言ではない(税務専門家による批判点はそこではなく、複数税率の導入そのものが誤りであると強く批判されている)。[1][2]。新聞業界の陰謀だとか、新聞が消費税増税反対の論調になるのを防ぐ為の日本政府の陰謀だとか、国民の消費税増税の不満の矛先を新聞へ向けさせる為の日本政府の陰謀だとか巷で言われているが、真相は定かではない。他方、前者の対象品目にしても、『オロナミンCが8%でリポビタンDが10%のナゾ』の見出し[3]が出るくらい制度が複雑化した。
尤も、消費税が低所得者ほど負担率が高い(逆進性が高い)税制である以上、その是正措置の一環として軽減税率の導入が挙げられるのは自然な発想だという主張もある。
関連動画
関連静画
関連リンク
- 特集-消費税の軽減税率制度
: 政府広報オンライン(ウェブアーカイブ)
- 消費税の軽減税率制度等に関する資料
: 財務省
- 軽減税率制度とは(リーフレット等)
: 国税庁
- ハッシュタグ #軽減税率
: Twitter
関連項目
脚注
- *各紙は「新聞の軽減税率」をどう論じてきたか? 自信とプライドの「読売」、歯切れの悪い「朝日」、電子版はまさかの10%
: 文春オンライン
- *朝日新聞の「値上げしないで頑張ります」に箕輪厚介氏「頭おかしい」と痛烈批判 「叩かれることを誰も言わない会社ってやべえな」
: ニコニコニュース
- *オロナミンCが8%でリポビタンDが10%のナゾ
: プレジデントオンライン
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