確かに前々から彼には格があると思っていましたとは、『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』のセリフである。
概要
発言者は法月仁。すべては速水ヒロが神浜コウジの才能に惚れ、彼にこだわったことから始まる。
しかし、『プリティーリズム・レインボーライブ』31話で明かされたように、二人そろってのデビューは法月仁の手によって神浜コウジの作った「pride」を速水ヒロの曲として売り出さねば許されなかった。その結果、デビューにこだわる速水ヒロから神浜コウジは離れていき、勝者ではなく勇者を目指していた速水ヒロの信念も歪んでいってしまう。しかし、かつての自分と神浜コウジになおもこだわる速水ヒロに対し、ヒロの属するエーデルローズの主宰・法月仁は「大事なのは格!彼はまだ小物です!」と振り払うよう催促したのであった。
一方、法月仁が格にこだわるのにも理由があった。彼は法月皇と法月愛の間に生まれた子供であったが、格のみにこだわり煌めきといったものを見いだせなかった法月愛から法月皇の心が離れ、プリズムクイーン・氷室マリアとの間に氷室聖という子供まで持ってしまう。身を引いた氷室マリアとその死によって法月家に迎えられた氷室聖と親睦を深めていくも、天性の煌めきを持っていた氷室聖に両親は魅せられていき、プリズムキングに輝きまでした程の自分から徐々に離れていく。結局少なくとも父親からはほとんど愛情を得られず、母親の格へのこだわりというだけでただ物的に満たされた日々のみを送らされてきたのであった。
すべての転機はついに法月仁が動いて氷室聖を取り除き、プリズムショー界からエーデルローズ以外を締め出したことに始まる。蓮城寺べるや母親への侮辱への怒りから速水ヒロが立ち上がり、「pride」にまつわる策略を白日の下にさらす。さらに黒川冷の活躍によってこれまでの悪事が法月皇に晒され、ついに法月仁がプリズムショー界から取り除かれた、はずであった。
ところが、法月皇が癌であっけなく死に、戸籍上彼の唯一の子であった法月仁の逆転劇が始まる。氷室聖は女子部を独立させて彼の策略から守ったのが精いっぱいで、男子部員のほとんどを法月仁が新たに立ち上げたシュワルツローズに引き抜かれた上に100億円以上の借金を背負わされ、男子部のごく一部と旧校舎でかろうじて息をつないでいるだけであった。さらに頼みの綱のOver the Rainbowも借金返済や大和アレクサンダーの襲撃でそれぞれの道に分かれ、速水ヒロのみが取り残されていた。
ここで法月仁は王手をかけた。「pride」の権利をシュワルツローズにあるとして借金のかたに取り上げたのである。テレビのインタビューで意気揚々と建前を述べる自分を見ながら、法月仁は神浜コウジの身辺調査を眺める。実は神浜コウジがロックバンド「LUCKY★STAR」の神浜丈幸の息子だと、ここで初めて知るのである。一躍氷室聖失墜のキーパーソンとなった神浜コウジに対し、かつての自分の発言などどこ吹く風であるかのように、彼は「確かに前々から彼には格があると思っていました」とのみつぶやくのであった。
という、複雑な文脈を経た『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』の冒頭のセリフである。しかし、一番ド頭の「prideが使えない!?いったいどういうことですか!?」「すまない、歌の使用権はシュワルツに差し押さえられてしまった」の速水ヒロと氷室聖のやり取りや、このセリフの直後に感極まった法月仁の「ヒィッハー、ざまあみやがれ!聖!prideを使いたければ金を払え~!100億~!」といった独白、如月ルヰによる「prideを一番うまく表現できるのは、僕だよ!」といった応援上映のテンプレが目白押しのシーンであるため、このセリフは終盤の「ッハー!馬鹿めェ!prideはシュワルツローズのもの…お前は失格だぁ!」とともにニコニコ動画以外ではあまりテンプレとして見ることはない。
関連項目
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