自然数とは、普通に数えられる1,2,3・・・といった、いわゆる「数(かず)」の事を数学的に表現した物である。
もっとも、1,2,3・・・というのは人間の与えた記号であり、十進法で数える必然性もない。お好みならば適当な記数法を開発して自分で勝手に数えるのも一興。要は自然界のものと並べて「一対一で対応が取れる」という性質そのものが重要である。
ちなみに0が自然数に含まれるかは微妙な問題で、バナナのおやつ論争同様、派閥によって意見が割れている。一応0はインド人が「発明した」数であり、自然界に「0個の物体」は実在できないため、「自然」かと問われればちょっと違う気もする。あなたはどう思います?
つまりどういうことだってばよ!?
考え方1
物を数えるとき、カウントアップするときは1からスタートするんだから0は入っちゃまずいだろうと言う考え。
考え方2
数を数えるっていうのは、つまり袋に入ってるりんごの数を表すってことなんだから、0を含めないと袋が空っぽである状態を表現できないのでまずいだろうと言う考え。
で、どっち?
自然数という言葉が使われる場所によって意味が異なるので、その都度0を含むかどうか確認しよう!
(※日本において高校生までの算数/数学であれば、特に断りのない限り自然数とは0を含まない正の整数を指します)
ペアノの公理
自然数について、厳密に定義したもの。自然数とは以下の条件を満たすものを指し、逆に以下の条件を満たすものは自然数と呼んでいい。
- 「最初の数」が存在する。
- いかなる数にも、「次の数」が存在する。
- 2つの数が異なれば、それぞれの次の数も異なる。
- いかなる数も、その次の数は最初の数にならない。
- 数学的帰納法が適用できる。
自然数は、1列の無限に続くドミノに例えられるが、その例えでペアノの公理を記述すると次のようになる。
- 初めに手で倒すドミノが1つだけ存在する。
- いかなるドミノにも、そのドミノによって倒されるドミノが1つだけ存在する。
- 2つの異なるドミノが、同一のドミノを倒すことはない。
- いかなるドミノも、手で倒すドミノを倒すことはない。
- 最初のドミノが手で倒され、倒されたドミノが必ず次のドミノを倒すとき、全てのドミノが倒れる。
いくつあるの?
自然数の個数は無限だが、無限にも多さによって種類がある。これを濃度と呼び、自然数の濃度は可算濃度である。ちなみに整数・有理数は自然数を使って番号をふることができる、つまり一対一対応させることができるので同じ可算濃度となる。なお無理数や実数は自然数を用いて番号をふれないことが証明でき、連続体濃度という別の濃度を持つ。
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