FLStudioとは、ベルギーImage-Line社が開発販売しているDAWである。日本国内では株式会社HookUpが販売代理を行っている。
概要
主に以下のような特徴を持つ。
- 起動と動作がかなり軽い。低スペック、小さな画面のPCでもそれなりに使える
- (DAWにしては)かなりお買い得な価格設定
- Image-Line社の公式サイトからダウンロード購入した場合“Lifetime free update”すなわち一度購入すればバージョンアップは生涯無料である。店頭販売のパッケージ版では無料バージョンアップは一度だけであるが、39ドルでLifetime free update権を購入すれば一生無料になる
- ピアノロールの使い易さに定評があり、ショートカットもかなり充実している
- 現在のところ対応OSはWindowsのみ
- 日本版でも全部英語表記。だが日本語ヘルプ・解説本・まとめWiki等も存在するのでそれほど苦労しない
- 付属音源(ソフトウェアシンセサイザー/サンプラー)が多い
- たまに意外なプラグインが付いていたりする
- 方向としてはクラブミュージックの作成に向いている機能が多い(特化されている訳では無い)
- また、1音源に対して1トラックという概念が無く、その点で他のDAWに慣れたユーザを若干困惑させる事もある
- Version8から搭載された Fruity Dance プラグイン( FL-chan )が一部で物議を醸した
補足
- DEMO版が提供されているが、機能制限は「プロジェクトは保存できるが、そのデータは登録(購入)しないと開くことはできない」という一点のみで、MIDI出力等、その他の機能はそのまま使うことができる。試用期限もない。
- 開発元が自社サイトでフォーラムを開いており、たまに作者(GOL氏)も降臨しつつユーザと話しあっている為か、VerUpする度に使い勝手が向上(チューンアップ)して行っているという点も長期的な特徴となっている。
(目立った追加より既存機能が整理され ─ 例えばどこでも右クリックでオートメーションを組めるようになった、のようなが優先される傾向にある) - 正確には FLStudio と呼ばれるのは メジャーバージョンが4以降の物を指す。メジャーバージョンが3の時代までは、 FruityLoopsと言う名前だった。元は TB-303 (主にハウス方面で名機とされるRolandのベースシンセ)のソフトウェアクローンがメイン機能だった。
- iPhone/iPad版も発売中。ユニバーサルアプリではないので、両方で使いたい場合は別々に購入しなければならない点に注意。
あの子
ニコニコではどちらかと言えば FL-chan で知った、と言う人の方が多いかもしれないが、元々そのような歴史のあるソフトなので、古い硬派ユーザ(特にテクノ方面)の中にはあまり「あの子」を歓迎していない人達がいる事も覚えておいた方が良いかもしれない。
ラインナップ
- FL Studio Express - ステップシーケンサー(ドラムマシン)のみのバージョン(国内での販売なし)
- fruityloops Edition - 上記の機能に加えピアノロールとVSTホストプラグインを有効にしたバージョン
- Producer Edition - オーディオ編集等すべての機能を有効にしたバージョン(国内での販売なし)
- Signature Bundle - Producer Editionに数万円相当の6つのプラグインをバンドルしたもの
- FL Studio XXL Edition - バージョン8まで。Producer EditionにFM音源のSytrusなど数万円相当の4つのプラグインをバンドルしたもの(国内・海外とも販売終了)
バージョン9から、日本で単体のパッケージ版として発売されている製品はSignature Bundleのみになった。DECKADANCE CLUB EDITIONおよびAcidと同梱されているのはfruityloops Editionである。
ダウンロード版とBOX版
Image-Line社のダウンロード販売サイトで購入すると、パッケージ版(BOX版)の定価よりも数千~1万円安く上がる。英語とクレジットカードの準備がある人はこちらの方が良い。Lifetime free update権が付属するのもダウンロード版の方である。
また、追加のプラグインはダウンロード販売のみ。これも折に触れ値下げキャンペーンを行うので要チェック。
日本代理店のフックアップ社から発売されているBOX版は製品そのものは英語版のままだが、日本語のヘルプと解説書が添付されている。
Lifetime free update権は付属せず、メジャーバージョンアップ一回のみ無料である。その際はダウンロード版と同じくImage-Line社販売サイトからダウンロードする形になる。新しいバージョンの日本語のヘルプと解説書が欲しい場合はフックアップ社経由で有償バージョンアップする必要がある。
しかし、バージョン9になってからは日本国内販売のBOX版の市場実勢価格が下がり、ダウンロード版との価格差が狭まった。安価な通信販売ではダウンロード版より安い場合もある。。
また、BOX版をImage-Line社のサイトで登録すると49ドル分のバーチャルキャッシュ(ポイント)をもらえるようになり、その分でLifetime free update権(39ドル)を購入することも可能である。
ただし、上記のようにImage-Line社では時々値下げキャンペーンが行われるため(夏季・年末・メジャーバージョンアップ時など)、その際はダウンロード版の価格が下がる。
なお、BOX版には他社DAW(廉価版やハードウェアに付属するLE版は除く)を所有していると購入できる“クロスグレード版”も存在し、その価格はかなりお買い得である(購入条件についてはフックアップ社のサイトを参照)。
注:上記情報は古く、Ver10からはBox版からもLifetime free update権が付与される。しかしILからのダウンロードになるのでヘルプファイルは日本語化されない。がフックアップから1000円程度で日本語マニュアル&ヘルプファイルが購入できるのでその点は安心出来る。(全面改稿を望む:注記筆者)
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