「オマエは全然まな板のスゴさを分かってない」
「オマエは全然まな板のスゴさを分かってない」とは、「ザ!鉄腕!DASH!!」で交わされた至言である。
「まな板にしようぜ!」がニコニコ動画内外でネタにされてから数ヶ月、9月28日放送の「DASH島」にてそれは起こった。水路作りの息抜きに5人は砂浜で「リゾラバ」をしようとしていた時のことである。
しかし、この日は曇天。舟で海に出るのではなく浜辺で何かあるものを使って遊ぼうということに・・・。
浜辺にはフロート、ブイ、ロープなど様々なものもあったのだが、メンバーは奇跡的にこの場に流れ着いたアレを見つけてしまう。
「まな板だ!」
「まな板だ!」
口々にまな板が連呼されるがメンバー最年少の長瀬が冷静な一言を発した。
「まな板じゃ遊べないでしょ」
それに対して松岡が諭した一言がこの言葉である。
「オマエは全然まな板のスゴさを分かってない」
その後、各地で話題になったのは言うまでもない
(なおその前の回想シーンでも足場"板"の飛び込み台が登場している)
まな板、それは調理道具の一つであり東アジアで多く見られるものである。一説には孟子の「君子厨房に近寄らず」が原点にあるといわれ、機能面においては食卓で刃物を使用しないために調理場と食卓を機能分離するために発生したのがまな板ではないか、と言われている。その為か、まな板の普及圏は箸を使う文化とほぼ一致しており、同時に西洋においては調理場にまな板(カッティングボード)は必須品ではない。
日本においては日本料理店のコックのことを板前、調理場を板場(まな板を置く所)と呼び調理場における最上位のものを花板、二番のものを立板と呼ぶ。これらのことからわかるように、日本においてはまな板は料理において非常に重要視されるもののひとつである。
板前は調理の前に、必ずまな板に水を掛け、そのまな板を衛生の保障されたふきんで拭く。これは食材の水分をまな板に染みこませないようにする側面と、衛生管理の最終確認の二つの側面を持っている。日本は水と海鮮類の食材が豊富な国であり、ほかの国ではあまり見られない特徴として生食文化が多く残っている。食材はブロッコリーを初めとして火を通さないほうが栄養価が高いことが往々にしてある。しかしながら人類の食文化を全体でみた場合にはほとんどの場合で火を通すことが多い。これは火を利用することによって殺菌し衛生面での担保を取ると同時に、加熱によって消化を容易にしうまみを感じやすいようにするという意味がある。日本と比較して水が貴重品である西洋においては当然の帰結であり、なるべくしてそうなったといえる。
その一方で煮る、焼く、ゆでるの工程を通すことで変質してしまう栄養素も多く、同時に食材が本来もつ加工前の味を味わうことはできなくなるという側面を持つ。特に日本が食材に用いる根菜類や海藻類はミネラルは豊富だがカロリー面においては他の食材に一段劣ることが多い。また、日本は海洋国家であるため短い運送時間で海鮮類を手に入れることができる、つまり衛生状態が良い生の魚が容易に手に入るのである。
では生食、つまり刺身などを味わいたいのであればどうしなければいけないのか。
それには多くの水と神経を使った徹底的な衛生管理が必要なのである。調理後に熱湯消毒が容易であり、移動も容易なまな板は合理的な品なのである。故に日本料理の料理人は板前なのであり、包丁と並んでまな板は板前にとって大切な戦友ともいえるのである。以上のまな板のすごさを前提に置いたうえで発した松岡の言葉が
「オマエは全然まな板のスゴさを分かってない」
なのである。
余談ではあるがTOKIOの一員である松岡は、DASH村において農業指導者であった三瓶明雄さんに当然ではあるが深くかかわっている。松岡もまた、明雄さんとともに農作業を通じて天地の恵みに感謝し、天の不遇に涙し、食材の持つ命の重さを学んできたといえる。まな板の上に乗るものはすべて命を持っていたものであり食べた人の笑顔と命をつなぐための大切なもの、言い換えるなら命である。つまりまな板の上には命が乗っているのである。
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最終更新:2025/01/07(火) 11:00
最終更新:2025/01/07(火) 11:00
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