オーサムリザルト(Awesome Result)とは、2020年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2024年:エンプレス杯(JpnⅡ)、ブリーダーズゴールドカップ(JpnⅢ)
2025年:クイーン賞(JpnⅢ)
父Justify、母Blossomed、母父Deputy Ministerという血統のアメリカ産馬。
父ジャスティファイは2018年の無敗のアメリカ三冠馬……なのだが、所属厩舎の禁止薬物疑惑で三冠の資格を巡って物議を醸している馬。種牡馬としては順調にGⅠ馬を輩出している。オーサムリザルトは初年度産駒の1頭。
母ブラッサムドはアメリカの馬で、自身は未出走。オーサムリザルトは9番仔で、日本で走った産駒はオーサムリザルトが最初である。
母父デピュティミニスターは2度の北米リーディングサイアーに輝いたカナダ産の名種牡馬。日本ではなんといっても*フレンチデピュティの父としておなじみな他、母父としての産駒にもカネヒキリや*ミスターメロディがいる。
半姉(父Orb)にアメリカのGⅠスピナウェイSの勝ち馬Sippican Harborがいる。
ちなみにJustifyは母父がGhostzapperなので、オーサムリザルトはDeputy Ministerの5×2(28.13%)というなかなか見掛けないクロスの持ち主になる。
2020年4月2日、アメリカ・ケンタッキー州のクールモア・アッシュフォードスタッドで誕生。
オーナーは2020年に設立されたばかりの新興一口馬主クラブのインゼルレーシング(ドウデュースの馬主であるキーファーズの松島正昭オーナーの長女が代表を務めるクラブ)。オーサムリザルトはその1期生15頭のうちの1頭である。
インゼルは馬によって高額の50口募集と少額の400口~500口募集に分かれるのだが、オーサムリザルトは1期生のうち3頭だけの高額募集馬であり、1口160万円×50口(=8000万円)という結構なお値段で募集された。しかしこのお値段のためか1期生の中で最後まで売れ残ってしまい、募集期間を延長してやっと満口になったそうである。
馬名意味は「素晴らしい結果」。母父Deputy Ministerの代表産駒で父の血統にも入っているAwesome Againにあやかったものか。
栗東の名門・池江泰寿厩舎に入厩し、2022年11月26日、阪神・ダート1800mの新馬戦にて、クラブ代表の父と縁の深い武豊を鞍上にデビュー。単勝3.8倍の2番人気だったが、前目のインに構えると、直線で1番人気クールミラボーを並ぶ間もなく差し切って2馬身半差で快勝デビューを飾る。
しかしレース後、左前球節の剥離骨折が判明。休養に入ることになってしまった。
半年ちょっとの休みを経て、明けて3歳の6月、新馬戦と同条件の平場1勝クラスで復帰。武豊は函館に行っていたため川田将雅が騎乗したが1.4倍の断然人気に支持されると、好位先行からあっさりと差し切って3馬身差で完勝。
続いて9月の同条件の平場2勝クラスでは武豊が戻り、ここも1.3倍の断然人気。スタートで立ち後れてでしまい外を回して中団につけると、そのまま4角も大外を回して捲っていき、直線抜け出し押し切って地力の差を見せ付けるように勝利。
4戦目は11月、東京・ダート2100mの晩秋ステークス(3勝クラス)。武豊が負傷離脱中のため戸崎圭太が騎乗、2.3倍の1番人気に支持されると、2番手追走から直線悠々と抜け出して押し切り4連勝。無傷でオープン入りを果たして3歳を終えた。
明けて4歳初戦は2月の京都・ダート1900m、アルデバランステークス(OP)。1歳上の実績馬ハピなどとの対決となったが、武豊が戻ったオーサムリザルトはここでも2.0倍の1番人気。
またスタートで出遅れてしまい、今度はゆったり後方につけたオーサムリザルトと武豊は3コーナー前からじわりと外を進出開始、持ったままで大外を捲って直線あっさり先頭に抜け出す。先頭に立つとソラを使ってしまい内からハピの追撃を受けたが、その追撃をもうひと伸びで退けて無傷の5連勝。一気に牝馬ダート界の上がり馬として注目を集めることになった。
というわけで重賞初挑戦は上半期のダート女王決定戦、5月のエンプレス杯(JpnⅡ)。昨年の女王アイコンテーラー、シルコレ街道が続く昨年覇者グランブリッジに、アーテルアストレアとライオットガールという、現時点での牝馬ダート界のほぼベストメンバーが揃ったが、オーサムリザルトは川崎記念2着3着のグランブリッジとアイコンテーラーを差し置いて2.6倍の1番人気に支持される。
レースは今回は好スタートを決めてハナを伺うが、前走兵庫女王盃を逃げ切ったライオットガールがハナを主張したので譲って2番手でスタート。1週目のホームストレッチでライオットガールが抑えたので入れ替わって先頭に立つと、今度はアイコンテーラーがぴったりとマークしてついてくる。しかし3コーナーで他の馬たちが追い出す中でも武豊は持ったまま。直線で武豊が追い出すとあっさりとアイコンテーラーを振り落とし、後ろからはグランブリッジが猛然と追いかけてきたものの、余裕の手応えのままで押し切り、着差以上の完勝。無傷の6連勝で一気に牝馬ダートの女王へと駆け上がった。
インゼルレーシングは所有馬デビューから3年目で嬉しい重賞初制覇となった。
池江師によると、国内で1、2戦してからBCディスタフを目指したいとのことで、そのステップレースにはマルシュロレーヌも使った門別のブリーダーズゴールドカップ(JpnⅢ)を選択。彼女以外に交流重賞馬は不在というかなり手薄なメンバーとなったこともあり、途中までは1.0倍の元返し、最終的には1.1倍という圧倒的な支持を集める。
レースは雨で不良馬場となったが、外枠からスムーズに前目の3番手の位置を確保。武豊が3コーナーの入口あたりで軽く促すと一気に加速してあっという間に先頭に立ち、あとは直線でステッキ1発を入れただけで武豊はほとんど持ったまま5馬身差の圧勝。格の違いを見せつけて無傷の連勝を7に伸ばした。
次走は予定通りアメリカへ行き、いよいよ本番ブリーダーズカップ・ディスタフ(GⅠ)に登録。前年覇者Idiomaticが故障でレース直前に引退したこともあって最終登録頭数は10頭となった。
モーニングライン(主催者予想オッズ)でもトラヴァーズSで牡馬Fiercenessに頭差まで迫った3歳馬Thorpedo Anna、パーソナルエンスンSでIdiomaticを破ってGI初勝利を収めたRaging Seaに次ぐ3番人気に推されており、凱旋の機運も高まっていた、のだが……。
レース当日、飛び込んできたのは出走取消の報。獣医師による歩様検査に引っかかったということで、大舞台には挑むことすら許されずに帰国となってしまった。
後日スタッフが語ったところによると、もともとオーサムリザルトは普段の歩様が独特のため、歩様検査に引っかからないように陣営は日本での歩様をわざわざ動画に撮影して持参するなど念入りな準備を進めていた。しかしレース当日の朝の最後の歩様検査では、それまでオーサムの歩様検査を担当していたのとは別の獣医師がやって来て、オーサム1頭だけパドックを普通とは逆の右回りで歩かせるなど執拗な検査を行った末に、1回目の触診では何も言われなかったのに2回目の触診で「左前の球節に熱感がある」と言われ、担当の兼武弘調教助手は茫然。池江師は「それはおかしい」と食い下がったが認められなかった。出走取消が確定し、池江師から「後は任せる」と言われた兼武助手は号泣。そして帰国後に改めて検査をしても全く異常は見られなかった。
アメリカでは動物愛護団体の目が厳しく、獣医師の検査が厳格になっているという事情はあるにしても、オーサムリザルト側からすればほとんど嫌がらせとしか思えない、陣営全員にとって何ひとつ納得のいかない出走取消であった。
明けて5歳となった2025年は2月のクイーン賞(JpnⅢ)から始動。昨年のJBCレディスクラシックを制したアンモシエラも出走(56.5kg)してきたが、斤量はそれを上回るトップハンデ57kg。それでも1.2倍の断然人気に支持される。
レースはアンモシエラがJBCレディス同様に敢然とハナを切って逃げるのを、どっしりと2番手で追走。4角でもう持ったままで迫っていくと、見せ鞭だけで並んでかわし、武豊が申し訳程度に鞭を1、2発入れるとすっと前に出て、あとは悠々と押し切り勝ち。1馬身差という着差以上の完勝で仕切り直しの一戦を制し、無敗街道を継続するデビュー8連勝、重賞3勝目となった。勝利インタビューで「オー寒リザルト」を飛ばした武豊は、意外にも(?)クイーン賞の勝利は2004年のレマーズガール以来21年ぶりである。
池江師は改めて秋の大目標にBCディスタフを挙げており、それを見越したローテを組むようだ。前年度はエンプレス杯に出走したが、同じ川崎2100mの川崎記念で牡馬に挑むのか、という部分も気になる所である。
Justify 2015 栗毛 |
Scat Daddy 2004 黒鹿毛 |
*ヨハネスブルグ | *ヘネシー |
Myth | |||
Love Style | Mr. Prospector | ||
Likeable Style | |||
Stage Magic 2007 栗毛 |
Ghostzapper | Awesome Again | |
Baby Zip | |||
Magical Illusion | Pulpit | ||
Voodoo Lily | |||
Blossomed 2003 鹿毛 FNo.16-g |
Deputy Minister 1979 黒鹿毛 |
Vice Regent | Northern Dancer |
Victoria Regina | |||
Mint Copy | Bunty's Flight | ||
Shakney | |||
Texas Cinema 1990 鹿毛 |
Mt. Livermore | Blushing Groom | |
Flama Ardiente | |||
French Flick | Silent Screen | ||
Tres Jolie |
クロス:Deputy Minister 5×2(28.13%)、Yarn=Preach 5×5(6.25%)
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最終更新:2025/04/01(火) 18:00
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