モズメイメイ(Mozu Meimei)とは、2020年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2023年:チューリップ賞(GⅡ)、葵ステークス(GⅢ)
2024年:アイビスサマーダッシュ(GⅢ)
生産者は社台ファーム、馬主はキャピタル・システム。栗東・音無秀孝厩舎の管理馬。
父リアルインパクト、母インラグジュアリー、母父Frankelという血統。
父は名馬ディープインパクトの初年度産駒で、グレード制導入後初めて3歳で安田記念を勝つなど、マイルを主戦場に国内外でGⅠ2勝。種牡馬としてはNHKマイルカップ馬ラウダシオンを輩出したがJRA重賞を勝った産駒は他におらず、多士済々のディープ後継者争いからはやや弾かれた格好になっている。
母は持込馬で、英国で14戦全勝の伝説を築いたFrankelと米GⅠ馬*インランジェリーの子という良血だったが故障続きで出走できないまま繁殖入りした馬。一族には共にデイリー杯2歳Sを勝ったレッドベルジュール・レッドベルオーブの兄弟がいる。
馬名の由来は「冠名+人名愛称」。冠名はモズスーパーフレアやモズカッチャンなどでお馴染み。愛称となる「メイメイ」の由来は不明である。
なんかパンダっぽいが、担当の内徳厩務員はあだ名として「パンダちゃん」とほんとに呼んでいるそうな。
2歳11月、東京芝1600mの牝馬限定新馬戦でC.ルメールを鞍上にデビュー。1番人気に支持され、内枠から好スタートを活かして先行集団に入り、直線では馬群の間を抜けて加速。粘る逃げ馬をギリギリで捕まえ、1馬身差をつけて初勝利を挙げる。
2戦目は中京に移り、牝馬限定の条件戦つわぶき賞(芝1400m)。重賞3着馬などまずまずメンツが揃い、前走の時計が平凡だったモズメイメイは4番人気にとどまる。前走と同じ3枠3番からポンとゲートを出て、インの2~3番手を追走。直線も一列外に出して馬の間を抜け出す前走同様の競馬になったが、今度は道中自身の隣にいたダルエスサラームとの叩き合いになかなか決着がつかず、そこへ中団から飛んできた伏兵ルミノメテオールにまとめて差し切られてしまった。モズメイメイは叩き合いにも敗れて3着。しかし着差は半馬身+ハナの僅差であり、鞍上の国分も「センスよく走ってくれた」と前向きなコメントを残した。
約2ヶ月の休養をもらい、クラシックシーズン初戦は2月。阪神芝1600mの条件戦こぶし賞に出走する。牡馬とは初対戦となったが7頭立ての少頭数で、実績のある本馬が1番人気に支持された。
鞍上に武豊を迎え、真ん中の4枠4番から発進。やはり好スタートを決めると今度は一気にハナに立つ。緩やかなペースで楽に逃げられたこともあり、直線は手応え十分。後方から飛んできたオーシャントライブを半馬身振り切ってゴールしOP昇格を果たす。
この後は1400mのフィリーズレビューを使う予定だったが、武豊の進言もあり、同コースのGⅡチューリップ賞に出走。2歳女王リバティアイランドが不在で目立つ戦績の馬も多くなかったが、地味な路線を歩んできたモズメイメイは7番人気の穴評価にとどまる。
5枠9番から抜群のスタート。武豊は控える競馬も頭に入れていたがこれだけ速いならとハナを切っていく。競り掛ける馬も特におらず、前半3ハロンは35秒2の楽なペース。ユタカを楽に逃がしてはいけないとあれほど・・・。
直線で一気に2馬身ほどリードを広げて逃げ切り体勢。最後の100mを切ってようやく3番手からエフフォーリアの妹ペリファーニアが迫り、さらに外からコナコーストが猛然と突っ込んできたがモズメイメイも粘り、最後はコナコーストをハナ差振り切って勝利。重賞初勝利と共に桜花賞の優先出走権を獲得した。
本番の桜花賞はリバティアイランドの一強体制。他にも牡馬相手にシンザン記念を勝ったライトクオンタム、クイーンC勝利のハーパーなどメンツは一気に強化され、本馬は2戦連続で7番人気にとどまる。また武豊にもライトクオンタムの先約があったため、鞍上は和田竜二にスイッチした。
3枠6番からいつも通り好スタートを決めて逃げに出たのだが、今度は積極的に運んだコナコーストにマークされる形となり、前半3ハロン34秒と前走より1秒以上速い強引な逃げになってしまう。初めて前半の方が早いペースで逃げる形となってしまっては脚がもたず、残り200mで失速。リバティアイランドのはるか後方で13着の惨敗を喫してしまった。
この結果を受けて、オークス・NHKマイルCのどちらにも向かわず、距離を短縮し1200m戦であるGⅢ葵ステークスに出走。重賞勝利の実績はあるものの、6ハロン戦は初、また7枠15番の外枠も初、そして短距離戦線で4連勝中のビッグシーザーが人気を吸い上げたこともあり4番人気にとどまる。なお、モズメイメイはデビューから桜花賞まで5レース連続で馬体重456kgの増減なしだったのだが、このレースで初めて馬体重が変動。+10kgの466kgでの出走となった。
前述の通り7枠15番にゲートインし、扉が開くやいなや超がつくロケットスタート!長年競馬に携わってきた関係者すらも驚くほどのスタートダッシュ
で一瞬のうちに2馬身あまりの差をつけた逃げに持ち込む。こうなれば逃げの名手武豊の手の内、前半33秒9-後半33秒2でまとめられては後方の馬に出番はなし。先団にいたビッグシーザー、ルガルの1枠2頭もこともなげに振り切り快勝。初の短距離戦で重賞2勝目を手にした。
このゲートには歴戦の武豊も「逃げるつもりはなかったけど、タイミングが合いすぎて」と驚いた様子。ただ元々陣営とは短距離が合うと話していたといい「このままスプリント路線でいいですね」と短距離適性に太鼓判を押した。
秋は大目標をGⅠのスプリンターズステークスに定め、次走には小倉のGⅢ北九州記念を選択。ここからは本格的にスプリントへ移行するモズメイメイ、ロケットスタートを武器に3歳短距離勢を牽引していく。
……はずだったのだが。3歳夏からモズメイメイは1年間の低迷期に入る。
まず松若風馬がテン乗りの8月20日の北九州記念は大外8枠18番を引き、この年のサマースプリントシリーズ王者を獲得するジャスパークローネ・短距離逃げ牝馬の先輩テイエムスパーダの2頭に前を奪われて逃げられず、10着。
秋の大一番スプリンターズステークスは武豊に鞍上が戻ったが、2戦連続で大外枠となる8枠16番を引き、やはりジャスパークローネとテイエムスパーダに先行され逃げられないという、前走と同じような流れでシンガリ負け。
ここでダートに矛先を向け、なんと初ダートでJpnI・JBCスプリントに出走。外目の3番手を確保するも、4角ではもう脚が鈍り11着。この1戦のみで芝に戻ることとなった。
3歳最終戦は、JBCスプリントから中2週でGⅢ京阪杯へ。無理に逃げず番手からの競馬を展開しようとしたが、見所なく12着。
この通り、一躍注目を集めたロケットスタート逃げ切りから一転、その後は4戦連続の2桁着順。(葵ステークスの好発進は稀にみる凄さだったとはいえ)そもそも逃げを打てないレースが続き、暗中模索の状態で3歳を終えることとなった。
古馬初戦はGⅢ京都牝馬ステークス。桜花賞以来となる牝馬限定戦かつ、距離も2歳以来の1400m。この日は久々に好スタートが決まりスムーズに逃げることができたが、最後は距離延長と最重斤57kgが響いたか、残り1ハロンで一気に後続馬群に飲まれ12着。
高松宮記念では2枠4番を引いたものの、なんとスタートから後方に控え直線追い込み勝負の構え。が、雨の重馬場で脚が伸びず15着。
これで葵ステークスの後は6戦連続の2桁着順となったが、光明が見えたのが2歳のつわぶき賞以来に国分恭介が乗った6月30日の北九州記念である。1年前の同レースでは2番人気だったメイメイは、今年も実績上位の立場にも関わらず、度重なる惨敗で16番人気(91.1倍)まで評価を下げていた。レースは奇しくも葵ステークスの後輩勝ち馬ピューロマジックが逃げ切って重賞連勝を決めるのだが、中団で道中を進めたメイメイは直線でしぶとく脚を伸ばし、3着に食い込んだ。
なお、直線での激しい進路の奪い合いの中、モズメイメイは競り合っていた隣の1番人気馬サーマルウインドにどいてちょうだい!とばかりに噛みつきにいって進路をこじ開け、国分は戒告を食らうことになった。
低迷から約1年ぶりに馬券になり好転の兆しが見えたところで、GⅢ・アイビスサマーダッシュへの登録を表明。国分恭介が継続騎乗し、枠順も外目の7枠15番を当てた。スタートが決まればそのまま押し切れるぞ!と、前走から評価は一転、単勝7.6倍の3番人気に推された。
スタートは悪くなかったのだが、国分が狙っていたという外ラチ沿いは取れず、そうこうする間に外に殺到する馬に包まれ、馬群のただ中に入ってしまった。もうなんか、逃げ馬のイメージ的には「あっ、終わった」という展開である。
ここで国分は前の2番人気馬ウイングレイテストの背後をマークして進め、残り400mから右ムチをくれて馬群の薄い馬場中央寄りにメイメイを動かして前方の進路を確保。残り50mでウイングレイテストを差し切って勝利した。
初の直線競馬にも対応し、1年間の低迷から復活の重賞3勝目というのもそうだが、元々は好発進からの逃げが武器だった馬が差しで勝利を収めたのも印象的であった。「モズメイメイって、あんな競馬もできるんだ」と多くの競馬ファンが感じたことだろう。今後は「モズの早贄」がごとき差しが主戦法になるのか、それともあの好ダッシュがまた決まる日が来るのか。競馬の幅を広げたモズメイメイの今後が注目される。
| リアルインパクト 2008 鹿毛 |
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| *ウインドインハーヘア | Alzao | ||
| Burghclere | |||
| *トキオリアリティー 1994 栗毛 |
Meadowlake | Hold Your Peace | |
| Suspicious Native | |||
| What a Reality | In Reality | ||
| What Will Be | |||
| インラグジュアリー 2014 黒鹿毛 FNo.3-o |
Frankel 2008 鹿毛 |
Galileo | Sadler's Wells |
| Urban Sea | |||
| Kind | *デインヒル | ||
| Rainbow Lake | |||
| *インランジェリー 2009 鹿毛 |
*エンパイアメーカー | Unbridled | |
| Toussaud | |||
| Cat Chat | Storm Cat | ||
| Phone Chatter |
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掲示板
43 ななしのよっしん
2024/09/26(木) 17:04:47 ID: 7HKCypmBXk
武は何も悪くないんだけどロケットスタート決まっちゃったせいで1年近くボロ負け続きだったのはちょっと可哀想だな
44 ななしのよっしん
2024/09/29(日) 18:03:13 ID: RbOaudB+li
くう、スプリンターズSはダメだったか
45 ななしのよっしん
2025/03/04(火) 18:38:45 ID: 7BnO9t1EbU
これキングかドイルが次来た時「女性騎手&女性調教師のコンビ!」って事で話題作りのためG1で忖度してもらえるんじゃないか?
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/08(月) 12:00
最終更新:2025/12/08(月) 12:00
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