ヴァイスリージェント

ヴァイスリージェント(Vice Regent)とは1967年生まれのカナダの競走馬。

ノーザンダンサー系の初期を代表する種牡馬であり、北米と日本にて確固たる地位を築き上げた。
実質デピュティミニスター系だろという意見は却下だ
馬名は「副総督、総督代理」といった意味。

概要

カナダ競馬について

カナダも競馬してるんだな、と思った貴方
ニアークティックもノーザンダンサーもニジンスキーもノーザンテーストもカナダ産馬です。

元々カナダ競馬はさほど高いレベルでは無かったが、実業家にして名馬産家であるE. P. テイラーによってノーザンダンサーらが生産され、カナダの競馬レベルを一気に引き上げ、またカナダの血脈を世界中に広めることに成功した。E. P. テイラーステークスに残っている。(ウイニングポストのプレイヤーは目にしたことがある人もいるのでは）

前半生

話をヴァイスリージェントに戻そう。

父Northern Dancer、母Victoria Regina、母父Menetrierという血統。
父ノーザンダンサーはカナダから米国二冠を制した名競走馬であり、現代では知らぬ者無き大種牡馬であるが、ヴァイスリージェントは2年目の産駒であり、彼が生まれた当時はまだ「ネアルコの支流であるニアークティック系種牡馬」でしか無かった。

自身の全兄である*ヴァイスリーガルが2歳にしてカナダの年度代表馬になっており、その全弟である本馬に対する期待も大きかったのだが……。

自身の競走成績だが、5戦2勝。勝利は未勝利戦と一般競走であり、ステークス競走勝利は無い。
というのも脚部不安を抱えていたらしく、満足にレースを使えなかったのだ。
超オールドファンにはメジロエスパーダと言えば伝わるだろうか。

種牡馬入り後

全兄が活躍しており、また牝系もカナダの名門牝系に属していることから、期待され種牡馬入り。

すると活躍馬を多数輩出。1979年から11年連続カナダリーディングサイアーという大記録を樹立。

産駒の特徴として仕上がりが早く、芝ダートを問わないスピード馬が多い。これが2歳戦から使いまくる北米の競馬事情に合致。カナダのローカル種牡馬どころではなく、活躍は世界的である。

代表産駒はDeputy Ministerだろう。米2歳王者となった本馬がヴァイスリージェントの後継種牡馬として大活躍を収め、夭逝の名牝Go for Wand、超豪華メンバーのBCクラシックを制したAwesome Againなどを輩出。日本では*フレンチデピュティ・*クロフネ親子が種牡馬、母父として活躍している。

日本で輸入された直仔の産駒では*パークリージェントが最も成功している。輸入初期にクラシックトライアルを勝ったアサカリジェントやロングタイトルを出したが、川崎記念を制したリージェントブラフを出したように主に地方競馬に適合し、地方リーディングサイアーを2回獲得している。

現在でも北米・日本を中心にそのサイアーラインは伸び続けており、また牝系にその名を残している。
つい最近では2018年アメリカ三冠馬となったJustifyの母父が、ヴァイスリージェントの子孫Ghostzapperである。

ヴァイスリージェントは1989年にその繁殖成績が認められ、カナダ競馬殿堂馬に選出された。
1995年に死去。28歳の大往生である。ヴァイスリージェント系は総じて長命の傾向がある。

ヴァイスリーガル兄貴

兄貴である*ヴァイスリーガルも種牡馬として活躍を収め、1976年から3年連続でカナダリーディングとなっており、つまりこの兄弟で14年連続カナダリーディングを達成している。ヤバイ。

彼は日本に輸入されたが、産駒は主に地方で走り、中央芝ではゴールドシチーが代表格であった。
だが輸入当時既に高齢な上に産駒の気性が悪すぎることから人気はあまり出なかった。
……カナダに居続けた方が良かったんじゃないかなあ。弟より11年早く、18歳で他界した。

現在ではマーベラスサンデーの母父として名前を残している。

血統表

Northern Dancer 1961 鹿毛	Nearctic 1954 黒鹿毛	Nearco	Pharos
			Nogara
		Lady Angela	Hyperion
			Sister Sarah
	Natalma 1957　鹿毛	Native Dancer	Polynesian
			Geisha
		Almahmoud	Mahmoud
			Arbitrator
Victoria Regina 1958 栗毛 FNo.10-c	Menetrier 1944 黒鹿毛	Fair Copy	Fairway
			Composure
		La Melodie	Gold Bridge
			La Souriciere
	Victoriana 1952 鹿毛	Windfields	Bunty Lawless
			Nandi
		Iribelle	Osiris
			Belmona

クロス：Pharos=Fairway 4×4(12.5%)

主な産駒

1979年産

• Deputy Minister (母Mint Copy 母父Bunty's Flight)
  • 主な勝ち鞍 1981ローレルフューチュリティ(米GI)、1981ヤングアメリカステークス(米GI)

1981年産

• *パークリージェント (母Miss Attractive 母父Victoria Park)
  • 主な勝ち鞍 1984サーバートンステークス(L)
  • 1994・2000地方競馬リーディングサイアー

1985年産

• Regal Classic (母No Class 母父Nodouble)
  • 主な勝ち鞍 1987サマーステークス(加GIII)、1987グレイステークス(加GIII)、1989加エクリプスステークス(加GIII)
• Regal Intention (母Tiffany Tam 母父Tentam)
  • 主な勝ち鞍 1988ブリティッシュコロンビアダービー(加GIII)、1989ニアークティックハンデキャップ(加GIII)

1987年産

• Trumpet's Blare (母Passing Look 母父Buckpasser)
  • 主な勝ち鞍 1989アーリントンワシントンラッシーステークス(米GI)

1989年産

• *エイシンテネシー (母Castle Royale 母父Slady Castle)
  • 主な勝ち鞍 1994金杯(西)(GIII)

1991年産

• Twice the Vice (母Double Set 母父Resurgent)
  • 主な勝ち鞍 1994デルマーオークス(米GI)、1996ミレイディハンデキャップ(米GI)、1996サンタマルガリータハンデキャップ(米GI)、1996アップルブラッサムハンデキャップ(米GI)、1997ヴァニティハンデキャップ(米GI)

関連動画

クロフネ、フレンチデピュティ産駒が子孫です。

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• 1970年クラシック世代
• クロフネ

Vice Regent 1967
｜Deputy Minister 1979
｜｜Silver Deputy 1985
｜｜｜Posse 2000
｜｜｜｜*マインドユアビスケッツ 2013
｜｜｜｜｜デルマソトガケ 2020
｜｜*オープンマインド 1986
｜｜Go for Wand 1987
｜｜Defrere 1992
｜｜｜*レマーズガール 2000
｜｜*フレンチデピュティ 1992
｜｜｜*ノボジャック 1997
｜｜｜*クロフネ 1998
｜｜｜｜フサイチリシャール 2003
｜｜｜｜｜ニホンピロバロン 2010
｜｜｜｜スリープレスナイト 2004
｜｜｜｜ポルトフィーノ 2005
｜｜｜｜ユキチャン 2005
｜｜｜｜ゴールデンハインドII 2006 
｜｜｜｜カレンチャン 2007
｜｜｜｜ホエールキャプチャ 2008
｜｜｜｜シゲルスダチ 2009
｜｜｜｜アップトゥデイト 2010
｜｜｜｜クラリティスカイ 2012
｜｜｜｜ホワイトフーガ 2012
｜｜｜｜アエロリット 2014
｜｜｜｜ヘヴィータンク 2015
｜｜｜｜ソダシ 2018
｜｜｜｜クールフォルテ 2019
｜｜｜｜ママコチャ 2019
｜｜｜エイシンデピュティ 2002
｜｜｜サンアディユ 2002
｜｜｜アドマイヤジュピタ 2003
｜｜｜フレンドシップ 2003
｜｜｜ピンクカメオ 2004
｜｜｜プロヴィナージュ 2005
｜｜｜メイショウベルーガ 2005
｜｜｜レジネッタ 2005
｜｜｜サウンドトゥルー 2010
｜｜Awesome Again 1994
｜｜｜Ghostzapper 2000
｜｜｜Paynter 2009
｜｜｜｜Knicks Go 2016
｜｜｜Oxbow 2010
｜｜｜｜*ホットロッドチャーリー 2018
｜｜Deputy Commander 1994
｜｜｜*グラッブユアハート 2000
｜｜Soto 2000
｜｜｜*スーニ 2006
｜*パークリージェント 1981
｜｜リージェントブラフ 1996