デルマソトガケ(Derma Sotogake)とは、2020年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。
馬名意味は「冠名+外掛け。相撲の決まり手の一つ」。
字面からデルマソ/トカゲと間違える人が非常に多いが、デルマ/ソトガケである。
断じて蜥蜴🦎ではないし、外影でもない。ダーマ外掛でもない。
主な勝ち鞍
2022年:全日本2歳優駿(JpnⅠ)
2023年:UAEダービー(G2)
父*マインドユアビスケッツ、母アムールポエジー、母父ネオユニヴァースという血統。
父は2017年と2018年のドバイゴールデンシャヒーンを連覇したアメリカのスプリンター。引退後は社台スタリオンステーションに購入され日本で種牡馬入りし、2020年産が初年度産駒となる。
母は2013年の関東オークスの勝ち馬。半兄にダート重賞を2勝したミリオンディスクがいる。
母父は2003年のクラシック二冠馬。種牡馬としてもヴィクトワールピサやロジユニヴァース、ネオリアリズムなどを送り出して一定の存在感を示した。
2020年4月28日、千歳市の社台ファームで誕生。2021年のセレクトセールにて、スタート価格の1800万円(税抜)でそのまま落札された(下記動画の55:40からの「アムールポエジーの2020」がそれ)。
オーナーは北海道を中心に12の診療所を展開する医療社団法人廣仁会の初代理事長である皮膚科医の浅沼廣幸氏。冠名の「derma」は「皮膚」を意味し、「皮膚科医」は「dermatologist」となる。
馬名の由来が相撲の決まり手なのは上記の通りだが、浅沼オーナーの2020年産の所有馬18頭は「デルマヨリキリ」「デルマネコダマシ」など、1頭を除いて全て相撲の決まり手シリーズになっている。シゲル軍団同様、年ごとに馬名のテーマを決めているようだ。
栗東の名門・音無秀孝厩舎に入厩。デビューは2022年6月26日、宝塚記念と同日の阪神・芝1800mの新馬戦だった。鞍上は松若風馬で、以降サウジダービーまでは松若騎手が主戦となる。
宝塚記念の日の阪神芝1800の新馬戦は出世レースとして名高いのだが、この年も別の馬の追い切り動画で競馬ファンの度肝を抜いたドゥラエレーデを筆頭に、シルバーステート産駒の注目株カルロヴェローチェ、セレクトセール2億円のチャンスザローゼスなどが揃う好メンバー。そんな中でデルマソトガケは単勝119.2倍の12頭立て10番人気だった。
レースは馬群の後ろを追走、直線でも明らかに左右にフラフラしながら前に食らいついたが6着まで。まだ気性も幼い感じだったが、人気を考えれば健闘ではあった。
2戦目は小倉に遠征し、8月14日の芝1800mの未勝利戦。7頭立てで5.1倍の3番人気に評価を上げたが、後方追走から前には追いつけず、勝ち馬からは1秒離された4着。
3戦目は中2週で同じ小倉、今度はダート1700mの未勝利戦へ。スタートで出負けして後方からになり、向こう正面で押し上げていったものの、先行策から抜け出した勝ち馬には7馬身離されての3着。
4戦目は中京・ダート1800mの未勝利戦。1番人気に支持されたここではようやくスタートが決まって2番手を追走。4コーナーで先頭に立つと、食らいついてきた2頭を残り200mで振り落として独走、4馬身差で快勝し勝ち上がった。
続いては11月の阪神・ダート1800m、もちのき賞(1勝クラス)へ。7頭立てで5.8倍の3番人気。7頭が固まった展開を真ん中の内で追走すると、直線で馬群を割って抜け出し、詰め寄ってきたコンティノアールをハナ差振り切って2連勝。松若騎手は「右回りでも懸念していた口向きをクリア。追い出してからはいい反応で根性を見せてくれました」と語った。
この連勝で全日本2歳優駿(JpnⅠ)に挑戦。5枠しかない中央出走枠に無事に入ることができた。ペリエール、オマツリオトコに次いで5.6倍の3番人気。
レースは5~6番手に構えた人気2頭を前に見ながら少し離れた7番手で追走。3コーナー前から前の2頭がペースアップして前を捕まえに行くと、デルマソトガケもそれを追いかけ、まずはペリエールが一気に先頭に立って直線へ。デルマソトガケはオマツリオトコとともにそれを追う。残り100mで内を掬ってオマツリオトコがペリエールをかわしたが、そこを狙い澄ましたように外からデルマソトガケが急襲。最後はオマツリオトコをアタマ差かわしてゴールに飛び込んだ。
名は体を表す外駆けで3連勝、ダート2歳王者を奪取。松若騎手は2020年高松宮記念のモズスーパーフレア以来のGⅠ級2勝目(モズスーパーフレアは繰り上がりだったのでちゃんと1位入線での勝利は初)、馬主歴30年超の浅沼オーナーは嬉しいGⅠ級初制覇となった。
明けて3歳はサウジアラビア遠征を敢行、サウジダービー(G3)に松若騎手とともに参戦。レースはスタートから1番人気のアメリカ・Havnameltdownと地元サウジの伏兵・Commissioner Kingの熾烈なマッチレースとなり、デルマソトガケは外駆けではなく内からそれを追いかけたものの3着。さすがに前2頭が強かった感じではあったが、3着争いには競り勝って残し日本勢では最先着。2歳ダート王の意地は見せたと言えるだろう。
続いてドバイに転戦しUAEダービー(G2)へ。鞍上はドバイ経験を優先してクリストフ・ルメールに乗り替わりとなった。
最内枠から好スタートを切ったデルマソトガケは、これまでの差し競馬から一転、なんとそのままハナを切って逃げる体勢へ。追いかけてきたドゥラエレーデとともにレースを引っぱっていくと、4コーナーでも抜群の手応えのまま2頭で後続を突き放していく。直線でルメールの鞭が入ると、あとは先に手が動いていたドゥラエレーデを置き去りに独走、そのまま逃げ切り5馬身半差の圧勝で海外重賞制覇を飾った。なお2着ドゥラエレーデ、3着コンティノアール、4着ペリエールで4着まで日本勢が独占。
ちなみに浅沼オーナーは交流JpnⅠに続き、中央重賞未勝利での海外重賞制覇となった。
そしてTwitterでは「デルマソトガケ」と「デルマソトカゲ」が同時にトレンド入りした。
この圧勝で4月発表のロンジンワールドベストレースホースランキングでは、この時期の3歳馬としては異例の118ポンドを獲得。カフェファラオやジャックドール、海外ではエンブレムロードといった古馬GⅠ馬とタイの評価であり、この時点で3歳馬の世界1位に躍り出た。マジかよ。さらに年末修正で更に評価され120にまで持ち上がった。
音無師はレース後に「アメリカに行く」と明言。このまま3着コンティノアールと一緒にケンタッキーダービー(G1)に挑むことになった。現地メディアでは父マインドユアビスケッツの子にちなんで"Baby Biscuit"なるニックネームを付けた模様。向こうの人には「ソトガケ」って言いにくそうだし……というかこっちの方がカッコ良くないか
結局一緒に出るはずだったコンティノアールは出走取消となってしまったが、繰り上がりで大井のマンダリンヒーローが出てきたためレース初の日本馬2頭出しとなったケンタッキーダービー当日。事前段階で1番人気だったBCジュヴェナイル勝ち馬Forteなどが取消となって18頭立てとなったレース、数々の名馬が撃沈してきた「魔の17番」となったデルマソトガケだが、UAEダービーの圧勝や現地調教での動きの良さもあってか現地でも3番人気に支持された。鞍上は引き続きルメール。
陣営は前での競馬を想定していたが、ゲートが開いた直後、デルマソトガケは盛大に内にヨレてしまい痛恨の出遅れ。道中でじわじわと位置を上げていって中団につけ、ルメールによると手応えも良かったというが、直線でもそこから伸びず6着まで。一応、2019年のマスターフェンサーと並ぶ日本馬最高着順ではあるが、音無師も「ゲートの出遅れが全て」と残念そうであった。
帰国後は当初ジャパンダートダービーを目指す予定だったが、こちらには出走せず秋まで休養。始動戦の予定だった日本テレビ盃も調教中に左前脚の蹄を痛めたため回避となる。
結果、なんとケンタッキーダービーからブリーダーズカップ・クラシック(GI)へ直行することになった。鞍上は引き続きルメール。
3歳にして海外4走目、そして古馬との初対決を世界最高のダートの舞台にてドバイWC覇者ウシュバテソーロとともに迎えることになった。とはいえ日本のファンも専ら勝ち負けになるとすればウシュバテソーロの方で、ソトガケに対しては「勝ち負けは難しいだろうけど頑張ってきてね」という感じであった。
ちなみにアメリカ3歳勢はベルモントS勝ち馬Arcangeloが脚部不安で取消(そのまま引退)になったため、三冠を走っていないArabian KnightとSaudi Crownのみの出走となり、日本馬のデルマソトガケがアメリカ三冠出走勢唯一の参戦となった。どういうことなの……。
さてレース本番。4番ゲートから好スタートを切ったデルマソトガケは、積極的に先行集団についていき、Arabian Knightが逃げSaudi CrownとWhite Abarrioがそれを追うのに続き、4番手でレースを進める。3コーナー前から前3頭に離されていき、さすがに厳しいか……と思われたが、そこから4コーナーで一気に盛り返し、失速したSaudi Crownをかわして前を猛追。後ろでウシュバテソーロが伸びあぐねるのを尻目に、抜け出したWhite Abarrioに必死に追いすがったが、1馬身届かず惜しくも2着。
敗れたとはいえ前評判を覆し、これまでタイキブリザードとパーソナルラッシュの6着が最高だったBCクラシックで日本馬初の連対を達成する歴史的大健闘。ウシュバテソーロ(5着)とともに日本勢どちらも掲示板入りを果たし、新たな歴史を刻む大きな一歩となった。
このレースが評価され、北米レーティング委員会が発表するランキングでも121.00のレーティングを獲得。引退したArcangeloに並ぶ数値をマークし、北米含むダート3歳馬最強の座を確実なものにした。だったのだが年末修正の際に3着プロクシーのレーティングが115→119に急上昇したことが問題視され1着ホワイトアバリオ共々-1の修正をされてレーティング120に収まった。(一方でUAEダービーの勝ちっぷりは更に評価されそちらは+2されて120の評価に持ち上がった)
状態が向けば東京大賞典への参戦もあると報じられたが当初の報道通り回避となった。
4歳はは2月のサウジカップから。馬群後方からの追走となってしまったが、このレースは前崩れの展開。馬群から離れたSenor Buscadorとウシュバテソーロとが追い込んでのワンツーを決める中、5着を確保。前走で敗れたWhite Abarrioは10着に沈んだことから、一応リベンジを果たした格好か。
その後、3月のドバイワールドカップと、中東での連戦となった。だが、ドゥラエレーデにも2馬身半置いて行かれる6着となった。
今年はBCが同じ西海岸のデルマー競馬場での開催なので、今後も海外ダートを主に戦うことになりそうだ。そんなわけで秋に日本テレビ盃へ向かい、全日本2歳優駿以来の日本での競馬となったが、浦和のナニハサテオキに2馬身半差つけられる5着となった。ブリーダーズカップ・クラシックも全く勝負にならず、前で3歳馬3頭の争いが起きてる中、はるか後ろでブービー13着に沈んだ。
日本に戻って東京大賞典に出走したが、もはやフォーエバーヤングの背中ははるか遠く[1]、6着に沈んだ。
5歳初戦は根岸ステークスを予定しているとのこと。中央競馬でのレースはもちの木賞以来である。根岸ステークスの負担重量は5歳以上の牡馬は57kgが基本で、直近1年間の牝馬限定でないGI級勝ち馬は2kg加増、直近1年間の牝馬限定のGI級勝ち馬、牝馬限定でないGII級勝ち馬、並びに1年を超えて昔の牝馬限定でないGI級勝ち馬は1kg加増だが、2歳戦の戦績は考慮しないため、基本の負担重量57kgでの出走となる。
マインドユアビスケッツ産駒の一番槍となり、海外の地で大きな足跡を刻んだデルマソトガケ。まだ5歳、ダート馬としてはこれからである。次なる舞台で駆けるは内か外か。
*マインドユアビスケッツ 2013 栗毛 |
Posse 2000 鹿毛 |
Silver Deputy | Deputy Minister |
Silver Valley | |||
Raska | Rahy | ||
Borishka | |||
Jazzmane 2006 栗毛 |
Toccet | Awesome Again | |
Cozzene's Angel | |||
Alljazz | Stop the Music | ||
Bounteous | |||
アムールポエジー 2010 栗毛 FNo.1-g |
ネオユニヴァース 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ポインテッドパス | Kris | ||
Silken Way | |||
ハッピーリクエスト 1997 栗毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
*エイプリルソネット | Dike | ||
Pass Me |
クロス:Deputy Minister 4×5(9.38%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)
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フェブラリーは終わるまでとりあえず様子見してたが地方も中央もだめとかこれもう走れるとこマジでねーな
ここまで急に駄目になると斤量57以上だと無理なんかそれとも直線入ったら競馬やめるドルチェモア病になったか
まあ道中の追走だけはそこそこ出来てるくさいんで多分後者だと思うけど何がきっかけであの症状出るんだろうね
負け確になって追わないと馬が手抜きを覚えるとは割と聞くけどこいつ4歳なる直前のBCクラシックは一応2着だしな
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/20(木) 19:00
最終更新:2025/03/20(木) 19:00
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