ギャア=ヨスン 単語

ギャアヨスン

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ギャア=ヨスン(Gyaa-Yothn)とは、クトゥルフ神話におけるクリーチャー名前である。
別訳ではグヤア=ヨト[1][2]、ギャア=ヨトン[3]

概要

ギャア=ヨスンはに照らされた地下世界クン=ヤン/クナ=ヤン(K'n-yan)で、クン=ヤン人によって使役されている奉仕種族である。別名〈(クン=ヤン人の)使役〉。[4]

クン=ヤンを含めた地下世界の深淵にある、くヨス/ヨト(Yoth)の領域がギャア=ヨスン原種(?)の発見された場所であり、後続作品ではヨスの消え去った爬虫類人達は人間と設定されることになる。[5]

その姿は大きない体にい毛皮が生えている四足歩行の生物である。その額にの生えた顔からは、人間あるいは類人の血を引いていることがはっきり分かる。
だといわれているが、今で言うバイオテクノロジー[6]の関与した生物であることは一瞭然なため、地上人にとってはひどく恐ろしい姿に見える。特にインディアンだと一見れば恐慌状態になって逃げていくだろう。

クン=ヤンの民はギャア=ヨスンを繁殖し調教することで使役しており、荷物の運搬、耕作作業に用いている。特に騎乗用に改良されており、がなくても快適に乗りこなすことができる。
言葉はしゃべれないものの知もそこそこで、侵入者に出会ったり、逃亡者のもとから逃げ帰ったギャア=ヨスンから情報を引き出す方法をクン=ヤン人は知っているという描写が作中でなされていた。
人間性を失った特殊な奴隷階級のがギャア=ヨスンの飼料として使われている…とクン=ヤンの民は説明していたが、地上人とかけ離れた彼らの人権意識を見る限り、このは大いに怪しい。

サンディピーターセンの書籍[7]では、ガーストはギャア=ヨスンの近縁種あるいはその原種そのものかもしれないとされており、TRPG解説もそれにならっている。もっともギャア=ヨスンはガーストよりも大きい。これを受けてか、この存在はヨスだけでなくドリームランドにも現われるといわれている。


『挫傷/The Bruise』(1932年)に登場するグヤア=フア[8]、あるいはギャア=フア[9](Gyaa-Hua)[10]についてもここで述べる。

これはヘンリー・S・ホワイトヘッド(Henry S. Whitehead)作でH.P.ラヴクラフトが改稿したことが分かっている。両者の合作としては他に『[11]が知られる。
この作品は両者の死後、1946年に初めて表された。当時の題名は作中のアトランティス将軍の名である『ボソン/Bothon』。

食屍鬼めいた("ghoulish") 亜人間工場奴隷である、ぞっとするような類人の」[12]と表現されるグヤア=フアは、反乱を起こせる程度の知性を持っていた。
この作品におけるアトランティスムー植民地という設定だった。直接的にはクトゥルフ神話作品ではないものの、『墳丘の怪』と似た用語が使われており、のちにリンカーターは『の供物/The Red Offering』[13]ムー人の使役として「けだものじみた亜人間」「毛深い亜人」という描写でギャア=フアを登場させている。


登場作品:『墳丘の怪・俘囚の塚/The Mound』-H.P.ラヴクラフト&ゼリア・ビショップ

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関連項目

脚注

  1. *『墳丘の怪』(東知子訳) 『クトゥルー 12』(暗黒神話体系シリーズ ) (青心社,2002)exit_nicoichiba収録.
  2. *『墳丘』(瀬繚訳) 『クトゥルーの呼び声』(星海社,2017)exit_nicoichiba 収録.
  3. *『俘囚の塚』(渡辺健一郎訳) 『新編 真ク・リトル・リトル神話大系 1』(国書刊行会,2007) 収録.exit_nicoichiba
  4. *なお、この小説の時代にはクン=ヤン人のうち人間扱いされている者たちは首都ツァス/ツァト(Tsath)に集中して住んでいるので、クン=ヤン人とツァスの民は実質同義語になっている。
  5. *ヨスより更に地下にあった暗黒世界カイは、ラヴクラフト作品における無形の落とし子ツァトゥグァ信仰のとされている。ツァトゥグァ信仰は現在のクン=ヤンではれているが、ツァスの名はこの神に由来する。
  6. *ヨスで発見されたときに既に改変された状態だった。
  7. *サンディ・ピーターセン他『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ神話怪物図鑑』(KADOKAWA, 2016)exit_nicoichiba
    サンディ・ピーターセン『クトゥルフ神話図説』(中山てい子訳) (ホビージャパン, 1994)exit_nicoichiba
  8. *クトゥルーの呼び』(星海社,2017) 収録.
  9. *リン・カーター『赤の供物』(森瀬繚・立花圭一訳)『クトゥルーの子供たち』(KADOKAWA/エンターブレイン, 2014)exit_nicoichiba収録.
  10. *Wikisourceに載っている英語版の『Bothon』exitでは、二箇所ほど"Gyaa-Hau"となっている箇所があるが、恐らく誤記。日本語訳では"~ -Hua"に統一されている。
  11. *H.P.ラヴクラフト『ラヴクラフト全集〈別巻上〉』(大瀧啓裕訳) (東京創元社, 2007)exit_nicoichiba収録.
  12. *原文は"shockingly Simian"(「ひどくサルじみた」)。まさか類人なのは外見だけで実は別の分類綱の生物だとか?
  13. *クトゥルー子供たち』収録。なお英語初出時の題名は『供物/The Offering』
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