テーブルトークロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)とは、サイコロなど専用の道具を用いた対話型の卓上遊戯である。
2018年11月にニコニコ動画のカテゴリタグとなった。これについては「カテゴリタグ「TRPG」」の項目で後述する。→2019年6月26日にカテゴリタグは廃止となった。
RPGとは、ある人物を演技する(Role-Playing)遊び(Game)である。それをテーブル(table)を囲いながら談話形式(talk)で遊ぶのでTRPG(テーブルトークRPG)と呼ばれる。つまり、RPGとは参加者それぞれが自らのキャラクターを演技するゲームである。本来の「RPG」はこの種のゲームを指す語であり、これをコンピュータ相手に1人でもプレイ可能にした物が、現在主流となっているコンピュータゲームのRPGである。
なおTRPG自体は和製英語であり、海外ではTRPGのことを、そのままRPGと呼んだり、コンピュータRPGと区別するためにtabletop RPGやPen & Paper RPG(P&P、RPG)と呼ばれている。
複数の人間がテーブルを囲いながらプレイヤー側と進行役(ゲームマスター=通称GM)と呼ばれる人間に役割を分け架空の冒険を会話の中で行う。プレイヤーは、ゲームマスターの処理に従って自身が操作するPC(プレイヤー・キャラクター)を動かし、仲間のプレイヤーが操るキャラクターと協力して、物語を進めていくことになる。
そこでは敵と戦ったり、魔法を使ったりと様々な行動を行うことができる。ゲーム進行の際には戦闘やスキルの成否などの臨場感を出し、さらに乱数による変化を取り入れるサイコロ等を用いて判定を行うことが多い。これらの処理を迅速に行うためのルールおよびゲームの舞台となる世界設定を一般にシステムといい数多くのシステムが書籍形式で発売している。
TRPGでは、GMとなる人間がシステムの世界設定とルールを元にシナリオを作り、PLに役割を与える。そして、PLたちは自らに与えられた役割を演じながらシナリオを進めていくことになる。それらは記述が多くなる性質から、一般の書籍と比較すると高額、大判の商品が多く、中にはゲームに必要なツール(専用カード・フィギュア等)を含めたBOXで販売されているものもある為、一般書店では手に入りづらい場合もある。気になる人は専門店・通販等も調べてみよう。
世界初のTRPGは1974年にアメリカで発売された『ダンジョンズ&ドラゴンズ』である。これはTRPGだけでなくRPG全体の原型でもある。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は元祖ファンタジー小説『指輪物語』の影響を受けて作られたため、その後のRPGの分野は剣と魔法の世界のファンタジーが基本となる。
因みに元はアメリカ発祥の文化である為、アメリカの方が日本より圧倒的にTRPG文化は長く、盛んである。インドア趣味の子なら大抵先輩から教わるものらしい。
日本でTRPGが遊ばれるようになるのは遅く1980年代から少しずつ、少しずつ遊ばれるようになった。しかし海外産のTRPGは、和訳出版されないものも多いため、ヘビープレイヤーの中には、英語で書いてある海外のゲームを個人的に入手して遊んだりする人もいた。
日本産のTPRGで一番初めに火が付いたのは1989年の「ソードワールドRPG」である。これによって今までTRPGに興味なかった日本人もTRPGの魅力に引きこまれた。
TRPGの最大の特徴はその高い自由度である。
ゲームのシナリオ作成も、進行も生の人間が相手となるため、非常に自由度が高い。この自由度と役割を演じる(ロール)の楽しさこそがTRPGの最大の魅力である。
GMであれば、ドラクエでもFFでもリングでもどのような物語でも作ることが可能であり、PLならばその世界の中で最低限の規範を守ればあとは自分の思う行動を取ることができる。そのように世界と物語を作り、役になりきることがTRPGの楽しさである。
しかし、その反面TRPGの高い自由度がプレイヤー達を惑わしたり、逆にPLの我儘(マンチ)やGMの横暴(吟遊詩人GM)を発生させやすいという問題もある。またゲームの大半が演技とコミュニケーションで成立しているため、黙りこんでしまったりするとシナリオの進行にまで支障をきたすこともある。
このようにTRPGは良くも悪くもその人次第であることも大きな特徴である。
参照
TRPGを行うための世界設定とルールである。大抵の場合、世界設定とルールは一セットで一システムとなっている。なぜなら、各システムには、どのようなロールを表現したいのか、何をどのようにして楽しむのかという意図があり、それが世界設定およびルールに色濃く反映されているからである。
例えば、ソード・ワールドはドラクエプレイ、FEARのゲームは厨二プレイ、クトゥルフ神話TRPGはホラープレイを楽しむために設計されている。勿論、クトゥルフ神話TRPGで大活劇をやったり、ソード・ワールドでホラーをやることも可能ではあるが、特に事情がない場合は自分のやりたいことに見合ったシステムを選ぶ方が無難である。
TRPGにおけるゲームの進行役である。コンピューターRPGにおけるコンピューター役と例えられることが多い。
GMはシナリオ作成とゲームの進行を担っており、おおまかなあらすじを作り、それを管理するのが主な役割であり、そのゲームのホストである。
PLたちの行動について、判断しその効果を判定する役割を担う。その場合、臨場感と乱数性を導入するためダイスを用いることが多い。
GMの名称はシステムによって、DM(D&D)、キーパー(クトゥルフ神話TRPG)、UV様(パラノイア)、ルーラー(トーキョーN◎VA)など非常に様々である。
なおGMの言う事は基本的に絶対である。例え納得がいかないことでも、一定程度の抗議は卓をグダらせるだけなので、止めましょう(それでも言いたい意見があるならゲーム終了後に、それでも改善されないなら次回ゲームを不参加にすれば良いのです)。
TRPGにおけるゲームのキャラクターがPCであり、それを演ずるのがPLである。例えば、ゆっくり妖夢と本当はこわいクトゥルフ神話において水瀬 妖夢がPCであり、それを演じるゆっくり妖夢がPLである。自由奔放ティダーンズにおいて、ハルカ・アマーミンがPCであり、天海春香がPLである。
PLたちは、ゲームのゲストとして、PCの役割を演じ、GMが作成したシナリオを攻略するのが主な役割である。
そのゲームの物語のベースとなる基本的な筋道とそれを支える設定などである。GMはゲームの前にあらかじめシナリオを作成する。基本的にどのようなシナリオにするかはGMが一任されており、ほぼGMが自由に作って良い。
ルールブックやリプレイやシナリオ集に収録されているシナリオをそのまま流用したり、自分なりのアレンジを加えやり、ニコニコなどで公開されているリプレイ動画を流用することも可能である。さらにルールに習熟すれば、(ヒロイン・敵モンスター、ボスキャラ、物語の舞台になる街・フィールド、洞窟・迷宮等全てオリジナル)自分独自の完全オリジナルシナリオを製作することも出来る。
しかし、人と人の対話で進行するゲームである以上、同じシナリオであっても、GMやPLやその時の流れに応じて物語の展開は変化する。なにせ行動する方も人間なら、行動を処理する方も人間なので、自由度がとても高いのだ。
プレイヤーの性格・趣味嗜好、キャラの設定、時にはその場の会話のノリで、物語は用意された展開から大きく変化していく。こうした、自分達で協力して物語を産み出し、それを共有する快感は、他のゲームでは味わえないものとして、TRPGの大きな魅力の一つとなっている。
……ただ、1人でシナリオ作ってプレイヤーの行動を処理するGM役は大変な作業である。
TRPGは遊ぶに手間がかかるゲームであるとされる。原則として2人以上(推奨4~6人程度)の人間が必要である。いかんせんマイナーなジャンルの趣味であることは否めないため、まずプレイヤーを確保するのに難儀する場合が多い。
プレイするための主な手段としては、友人を誘って遊ぶ、TRPGサークル等、定期的にTRPGを行っているコミュニティへの参加や、不特定多数が集まって行うゲーム会「TRPGコンベンション(コンベ、○○コン)」への参加、オンラインセッションへの参加などが挙げられる。コンベンションはTRPGサークル等有志が主催するモノ以外にも、TRPG制作会社が主催しているものもある為、興味があれば調べてみる事をオススメする。
現在ではネット環境の整備に伴い、オンライン上でTRPGを行う場合も増えてきているが、言いたいことをチャットで伝えなければいけない都合上、オフラインのTRPGより時間がかかってしまう事が難点である。(昨今ではskype等の利用も試みられている模様)
参照
リプレイとは、TRPGをプレイした様子を読み物として編集したもので、TRPGの紹介を主な目的としている。
ようは「TRPGと小説の融合体」である。誰かのプレイ風景を読むことによって自分がTRPGに参加しているような気分になれる。
日本のTRPGリプレイは、ゲームをプレイした様子を、演劇の台本のような形式で収録する形が主流である。ゲームをプレイするGMとプレイヤー達のやりとり・プレイの様子、物語の展開を娯楽作品として楽しむ事が出来る為、現在でライトノベルの一種のような扱いを受けている。
日本でこういったリプレイ本が販売されるようになったのは1980年代に「ロードス島戦記」が「ダンジョンズ&ドラゴンズのリプレイ」として製作されたのが火付け役とされる。これが一大ブームとなった事も相まって、日本では数多くのリプレイが製作、出版されるようになった。
現在では、TRPGはプレイしないけど、リプレイは読んでいる、という「読み専」なる購買層も存在し、一説によるとルールブックよりよっぽど売れているという。
ニコニコ動画でも、有志が制作したリプレイ動画は数多く投稿されており、大手で出版されているような有名な作品から、どう考えても出版されないような知名度が低いもの・古い作品も投稿されている為、リプレイ好きの視聴者は要チェックである。また、実際にはプレイしていないがリプレイ「風」に構成された動画も数多く投稿されており、人気を集めている。
詳しくは、「リプレイ」、「リプレイ風動画」、「卓ゲM@Ster」、「東方卓遊戯」、「ゆっくりTRPG」などの各記事を参照。
Role-Playingを英英辞典で引けば、その意味は「特定の状況のふりをする」「ほかの誰かのふりをする」ことである。
「A君は戦士担当、B君は魔法使い担当」というような、「役割を演じる」と言う事は本来のロールプレイではない事は、興味があるなら覚えておきたい豆知識である。
上述のようなリプレイの隆盛の影響もあり、「TRPG=漫画・ラノベのキャラになりきって遊ぶ、なりきり遊び」という認識を持っている人も多く存在しており、「なりきりごっことか演技とか恥ずかしいし…」と敬遠する人もいる。
もちろん、「思い思いのかっこいいキャラになりきる」というのも、TRPGの楽しみの一つである。そうした時、かっこいい台詞や熱の入った演技があれば場が盛り上がり、プレイが楽しくなる、というのは確かにあるだろう。そういったプレイが推奨されるゲームもある。
ただ、かっこいい台詞や熱の入った演技ではなくとも、そのキャラクターが何を感じ、どう行動するかが周囲に伝えられれば、それは十分にキャラクターを演じているといえる。
ゲームや小説みたいにかっこいいセリフが言えなくても、サイコロ2、3個持つだけで冒険の旅に出ることは出来るのだ。
「ニコニコ動画カテゴリ検討Slack」での議論を経て、2018年11月1日にカテゴリタグ「TRPG」が追加されることとなった(参考)。
TRPG以外のボードゲーム・人狼などをTRPGカテゴリに投稿してよいのかに関しては、運営側は「ユーザーの皆様にお任せしています」としつつも、「現在『TRPG』タグがついている動画はテーブルトークRPGに関する動画が多い」、「その他ボードゲームは、「卓上ゲーム」「卓ゲ」などのタグもあるようですので、そちらをご活用ください」と言及している(参考2)。
過去のTRPG動画が自動でカテゴリタグ「TRPG」の動画になるわけではないので、カテゴリタグ設置後に投稿者が自分でカテゴリタグを「TRPG」に変更する必要がある。
掲示板
2070 ななしのよっしん
2025/01/21(火) 12:58:59 ID: PhyEvlxrFz
マーダーミステリーって使い切りだから黒幕的キャラ以外ガンガン情報開示するのが正しいのかねぇ
2071 ななしのよっしん
2025/01/31(金) 14:34:38 ID: uOPIHH2IcH
CoC以外の卓が欲しいと思ってる人だけど
個人的にはCoCが今一つ肌に合わなかったりする。
7版ルルブは持ってるし「嫌い」って程では無いけど遊ぶシステムとして積極的に選択はしない感じで機会が無くて一度もプレイ出来てない所謂積みルルブを除いたらルルブ持ってるシステムの中ではプレイ回数は一番少ないな。
よくCoCは
「舞台が現代だから世界観を覚える必要が薄くてRPが簡単」
って言われるけど自分の印象はむしろ逆で
「舞台が現実世界に近い現代だからこそ個々人の常識の違いが浮き彫りになる」
って印象だから却って難しいと感じる。
「普段の自分通りに考えれば良い」と言われても、それに則ったら
「何で自分がやらなきゃいけないんだ、そんなことは警察にでも任せれば良い」
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
2072 ななしのよっしん
2025/02/02(日) 23:20:41 ID: xoqRvJOG5a
従来型のTRPG観では「現実に近い現代」は基本的に難しい扱いだったと思うよ
想像の通り常識のすり合わせが難しいし、「何でもできるが故に何もできない」が発生しやすい
いきなりダンジョンに放り込んで壁で行動を制約するか、シーン制で時間潰して最終的にとにかく理由付けてクライマックスボス戦に投げ込むのが分かりやすいシナリオだったと思う
右も左も分からず地蔵になったり突飛な行動をとりがちなPC達を上手く誘導できる「水路を作る」事が目指されていた
CoCのエモシに求められる事はPCが状況を自発的に攻略する事ではなく、ストーリーの体験を通してシナリオ作者の解釈を正確に読み解く事っぽく、
PLは与えられたストーリーやハウスルールに乗っかるのが前提なので、自由度由来のシナリオ破綻はあまり警戒されておらず、想像力は既成された運命の「解釈一致」のために使うので、難しさのポイントが逆転しているのだと思う
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/17(月) 09:00
最終更新:2025/02/17(月) 09:00
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