ゴーストとは、2016年生まれの日本の競走馬である。芦毛の騸馬。
この他にも海外に「Ghost」という名前の競走馬はそこそこいるようである。
2016年4月23日生まれ。父ハーツクライ・母ガヴィオラ(母父コジーン)。
父ハーツクライはディープインパクトを日本でただ1頭破り、父としてもジャスタウェイなど数々の名馬を産み出した。母父コジーンは日本ではアドマイヤコジーンの父として知られる。
名前の由来は、「幽霊」としか書かれていないが…この顔を見れば納得だろう。
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https://twitter.com/tospo_keiba/status/1456400199421550594
ではさぞや人間に怖がられるか笑われるかしてるのか、というと…むしろ逆である。
ゴーストは芦毛である。若い頃は黒っぽく、年を取ってくると全身が白くなっていく。
この時、どこから白くなるのかは馬によるが、芦毛の大先輩ビワハヤヒデがそうであったように、顔から白くなることも起こる。ただ、その大先輩からして「顔がデカい」だの「ガイコツみたい」だのさんざっぱら揶揄されており、灰色の馬体に顔だけ白い、というのは人間にとってはかなり不気味に、ないし滑稽に映るらしい。
野生環境なら天敵を驚かせられるかもしれないので有利になり得るが、捕食される危険のない競馬場で人間を怖がらせたり笑わせたりしても走りには全く影響せず、馬が迷惑するだけの話である。
ところが、ゴーストを見た人間は口をそろえて「かわいい!」という。上記東スポのTwitter記事を見ても、写真だけでなくレスでもかわいがられているのがよくわかるだろう。実際、つぶらな瞳ときれいに整えられた前髪。写真映りにもよるが実際愛らしい。
若い頃は顔がもっと黒っぽく、白い鼻梁白が目立って真ん中だけ白っぽくなっており、より「悪霊」のような面構えであった。現在は顔全体が白く、鼻梁白はピンク色になっている。
パドックでは、たてがみをヘアゴムで結わえており(前髪だけの場合も全体の場合もある)、レースによってはそこにお化け型の髪飾りをつけることもある。橋口厩舎からもかわいがられており、全力でおしゃれをして出走しているのが分かる。
一方、写真の角度によっては目の周りの灰色と白目が目立ち、ガイコツが睨み付けているように映ることもあり、やはりそこは「ゴースト」としての威厳も持ち合わせている。
芦毛馬は成長と共に灰色の部分が変わり、馬はフラッシュ撮影禁止なので光の当たり具合によって写り方が変わる。そのため、同じパドックの写真でもいろいろな表情を見せてくれる馬である。
馬房にはネームプレートがあり、もちろん通常は普通に馬の名前を書くのだが、ゴーストの場合お化けの絵が描いてあり(しかも毎回変わる)、名前でなく「おばけ」と書かれている。ファンも本名の「ゴースト」より「おばけくん」と呼ぶことが多い。
これは酒井慎調教助手の趣味らしく、カバジェーロの馬房にはカバの絵が描いてあったそうな[1]。
先ほど「若い頃は悪霊のような面構えだった」と記したが、顔だけでなく本当に悪霊のような凶暴さであったという。ゴーストは当初武幸四郎厩舎からデビューしたが、そのころから「かわいいおばけちゃん」だったわけではない。なんと、坂路調教で背後の馬に威嚇しようとするほど荒れた性格であったらしい。
2019年1月14日に3歳新馬戦でデビューするが、手綱をいくらしごいてもブービーからどんどん離されていく。一頭だけ草競馬をやっているようであった。当然ながら15着とシンガリ負け。
そのタイム、京都芝1600mを1分43秒7。1着馬ゲバラのタイムは1分36秒6。実に7.1秒差。
新馬戦の場合、1400m超2000m未満の芝コースで5秒超の差をつけられるとタイムオーバーの対象となる(参考)。このルールが適用され、ゴーストは1ヶ月間出走停止になってしまう…のだが、もはやそういう次元の話ではない。ブービーからも約4秒差である。
しかも、鞍上の秋山真一郎は、返し馬の時点で「天神乗り」かと思うような騎乗姿勢で現れた。鞍からお尻を浮かせてはいたものの、鐙が異様に長く、ほぼ直立していたのである。もちろん、他の騎手はお尻を高く上げて前屈みになっている。そしてそのままスタート。
ご存じの通り、現在の競馬は「モンキー乗り」といって、鐙を短くし、お尻を浮かせて騎乗することで馬の背中への負担を軽くして走る。鐙が短いので、通常は他の係員に持ち上げてもらって騎乗する。
一方、「天神乗り」とは、乗馬と同じく長い鐙を使い自分の力でよじ登り、鞍に座って直立で騎乗する方法である。日本競馬でもハクチカラの現役時代、つまり1950年代末にはすでに廃れていたやり方で、現代では何らかのアクシデント、例えば途中で鐙が外れたなど、やむを得ぬ事情があったときにしか見られない。
このような乗り方は現在では不利にしかならず、21世紀においてプロの騎手がする騎乗法ではない。これはつまり、ゴーストの気性が(通常の)モンキー乗りを諦めざるをえないほどであったことを示唆する。新馬戦までにまともな調教が出来ない状況であったことは想像に難くない。
この結果を受け、ゴーストは橋口慎介厩舎に転厩。そして、去勢されることとなった。
それからは性格が一変。橋口厩舎の中でもおとなしい馬へ生まれ変わり、転厩後の担当だった酒井助手も気性の悪かった馬だと信じられないほどだったという。
2019年8月の小倉未勝利戦にて、5戦目で未勝利を脱出。7戦目で2勝目を挙げ、順調に勝利を重ねていった。2020年西宮ステークスでついに4勝、オープン入りとなった。
この頃になると、去勢後のおとなしい性格や、お化けのようだがかわいらしい顔つきがスポーツ紙などに取り上げられ、「かわいいおばけ」として注目されるようになった。
この頃には長距離が得意であることが分かっており、2021年、GII阪神大賞典で重賞初挑戦。
中団外目でペースを保つものの、2周目向こう正面で、実況が「手が動いた」と言っているにもかかわらずゴースト自身はずるずる後退していく。残り800mにたどり着かぬうちについにシンガリとなってしまった。
ゴーストはもとからものすごくズブい馬として知られており、鞍上鮫島克駿もそう思ったのか、最後方になってからも何回かムチを使っている。しかしまるで反応しない。ということは、ゴーストに何か異変が起こったということ。
ついに競走中止の判断が下された。公式発表では「最終直線で」とのことだが、実際には、第4コーナーを映すカメラから、既にゴーストの姿は消えてしまっていた。
その後心房細動の診断が下される。
心房細動は人間の場合、直ちに命の危険があるものではないが[2]、動悸や失神を起こすこともあり走るどころの騒ぎではない。馬の場合も同様だが、これで(もしくはこれが原因による転倒や障害飛越の失敗で)命を落とした馬も多いため、最終的な診断が降りるまで全く予断を許さない状況であった。
幸運にも、結果は異常なし。一時的なもので、レースにも支障はないとのこと。
そうなれば陣営が目指すのはもちろん、GI天皇賞(春)である。
全てのステイヤーの憧れ・3200m。重賞未勝利とはいえ立派なステイヤーとなったゴーストも、さらなる成長のためには避けて通れないレースである。
しかし、ゴーストには別の意味でも負けられない相手がいた。彼以上にかわいいと大評判の馬が出走していたからだ。もちろん、JRA最軽量勝利馬・メロディーレーンである。この頃の人気は彼女と比べるべくもなかったが、とりあえず、人気はメロディーレーン16番人気・ゴースト14番人気と、少し上になれた。
レース結果は、メロディーレーン11着・ゴースト12着と揃って惨敗。2周目向こう正面ではゴーストが中程、メロディーレーン後方であったが、第4コーナーが終わる頃にメロディーレーンがゴーストを抜いてこの順位となった格好である。
ここはもっと上の順位について、この後のアイドルホースオーディションに参戦したかったところであるが、前走が心房細動であったため、ネットではひとまず完走できただけでも安心した、というファンの声も多かった。
名前に反して夏競馬の勝利は全4勝中2勝なのだが、2021年夏には競馬季節の話題として取り上げられる回数が増えてきたことや、ハロウィンも近づいてきているので、ゴーストを応援するファンが増えてきた頃である。
肝心の成績はといえば、札幌日経オープン4着、丹頂ステークス3着。オープン2戦で掲示板確保とまずまず。しかし成績以上に、白面の貴公子の大先輩・ビワハヤヒデが若い人の間でも人気になってきたところに、同じく白面のお化け・ゴーストの存在をアピールできた点は大きいと言えるだろう。
ハロウィンが近づく10月、スポーツ紙が軒並みゴーストの馬房記事を取り上げた。もちろんそれだけではなく、次走の秋のGII・アルゼンチン共和国杯を見据えての記事である。夏を越して化けた、との評もあったが、果たして…?
秋の長距離GIIといえば、のアルゼンチン共和国杯。さすがに重賞未勝利なので11番人気ではあったが、応援するファンは以前より増えてきた。
スタートはいつものように先行策。同じく芦毛馬のボスジラが逃げる中3番手ほどについていたが、最終直線まで足が持たず、ボスジラと一緒に追い込み勢の餌食に。オーソリティの二連覇を見送って、自分は14着のブービー惨敗の憂き目を見た。
ゴーストにとっては初めての東京競馬場だが、そこには「府中の大欅」というマジモンの怪談があり、そこに眠る井田是政には彼もかなわなかったらしい。
年末のJRA最長距離GII・ステイヤーズステークス。ステイヤーを名乗るならこれを制さねばならない。
スタートは毎度おなじみ先行策。芦毛仲間のボスジラと仲良く走っていたが、最終直線まで3番手付近で粘っていたのに対し、逃げるアイアンバローズにはまるで届かず、外を走るシルヴァーソニックも交わせず、大外からディバインフォースがものすごい末脚でぶっ飛んで抜き去り、おまけにスタート出遅れたはずのトーセンカンビーナにも抜かれ…それでも5着と掲示板確保。
ゴーストだけに「神の力」にはかなわなかったが、それでもGIIでここまで好走したことから、一流のステイヤーまであと少しで手が届きそうである。
明けて2022年初戦は、GIIIダイヤモンドステークスを選択。貴重な長距離重賞であり、ライバル(?)のメロディーレーンも出走した。馬番がメロディーレーンのすぐ後だったこともあり、パドックではアイドルホース2頭が揃って撮影された写真もTwitterに上がっている。
レースは3番手でずっと粘っていたが、逃げるグレンガリーとついていくアンティシペイトが作り出すハイペースに最終直線で耐えられなくなり、伸びた追い込み勢に置いていかれ馬群の中へ。終わってみればゴースト12着、メロディーレーンも13着ブービーと揃って惨敗。昨年の天皇賞(春)の再現になってしまった。
東京競馬場の長い直線が苦手なのか、はたまた本当に大欅の呪いなのだろうか。
逃げるキングオブドラゴンをマークし2番手に就くが、2周目第3コーナーでアイアンバローズ、ディープボンドが進出を開始。ゴーストは逆に力尽きて後退していくという前走と同じ展開となった。
1着は春の盾獲得に燃えるディープボンドと鞍上和田竜二。ゴーストはそれを遙か遠くで見送り12着のブービーに終わった。最下位でなかったのは、奇しくもダンビュライトが心房細動を発症して大差負けで入線したからだった。
netkeiba.comの取材では、次走は障害転向と報道されている。そしてJRAから5月12日に5月14日・15日の出走馬が発表され、彼は15日の新潟競馬場第4レースの障害競走の未勝利戦に出走することが発表された。
近走では先行策が取れるものの直線の切れ味勝負に太刀打ちできず、が続いており、確かに障害を使う価値はあるように見える。一方、6歳という高めの年齢での障害転向は心配するファンも多い。果たしてどうなることやら。
その障害未勝利戦。先行戦略を取り4番手集団につける。終盤に突き抜け追い上げるも、テイエムタツマキには届かず2着に終わった。
2022年6月13日に発表された競走馬登録・抹消一覧の中に、6月10日分の抹消馬としてゴーストの名前があった。つまり、中央競馬からの登録が抹消されたということであり、すなわち中央競馬で走ることをやめた、ということである。
関係者からもTwitterで発表された。
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その後、屈腱炎により中央競馬から去ったこと、および地方競馬への移籍を目指すとの発表および報道があった。
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1年7か月の時を経て、浦和競馬場の宇野木博徳厩舎へ移籍した復帰初戦は金盃トライアル(オープン)。その復帰初戦は9着であったが、無事に競馬場に戻ってきたゴーストなのであった。
ただ顔がお化けみたいだから「ゴースト」と名をつけられた馬ではあるが、令和の世になってみればお化けはすっかり可愛い存在になっており、隠れたアイドルホースとなっていた。騸馬なので子孫は残せないが、このまま末永く、遠い未来に本物のお化けになっても愛され続けてほしいものである。
よく揃って出走している芦毛馬。互いにマークしたりされたりしている。ほとんど白く、金子真人HDの勝負服を着ているのでシロニイあたりと紛らわしいが芦毛である。シラユキヒメ一族の血は入っていない。
やはり、揃って出走することが多い一頭。特に本馬は、2021年丹頂ステークスから2022年阪神大賞典まで5戦連続で対戦している。レース数が少ない長距離とはいえここまで重なるのは珍しいかもしれない。
1年後輩に「ホウオウゴースト」という馬がいるが、こちらも顔が白い芦毛馬である(ゴールドシップ産駒)。やはり白い顔につぶらな瞳でファンにかわいがられていたが、中央では4戦すべて2桁順位。その後門別に移籍したが勝てず、佐賀へ再移籍しやっと1勝を挙げる。
41戦1勝(2021年末まで)・獲得賞金125万円とかなり苦戦している。
netkeiba.comで「ゴースト」で検索するともう1頭出てくる、「ゴースト」ではじまる現役馬。
2年後輩でこちらは黒鹿毛の馬。それもそのはず、エイシンフラッシュ産駒。
どちらも現役なので直接対決したら白黒ゴースト対決が実現するが、2021年末の時点でゴーストはオープン、ゴーストレートは2勝クラスなので対決には格上挑戦かあと2勝が必要。
それ以前に、この馬は短距離馬なのでステイヤーのゴーストとは距離が合わない。
さらにそれ以前に、この馬、英語では「Go Straight」であってお化けとは関係ない。
ハーツクライ 2001 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
アイリッシュダンス 1990 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
*ビューパーダンス | Lyphard | ||
My Bupers | |||
*ガヴィオラ 1997 芦毛 FNo.4-m |
Cozzene 1980 芦毛 |
Caro | *フォルティノ |
Chambord | |||
Ride the Trails | Prince John | ||
Wildwook | |||
Forest Key 1989 栗毛 |
Green Forest | Shecky Greene | |
Tell Meno Lies | |||
Lady Ann's Key | Key to the Kingdom | ||
River Guide |
掲示板
33 ななしのよっしん
2023/08/08(火) 12:49:22 ID: s+7TkgWdn/
復帰らしいですね
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34 ななしのよっしん
2023/10/21(土) 17:38:45 ID: RjbWBDXLo2
明日入厩するって!やったー!
https://
35 ななしのよっしん
2024/09/30(月) 19:13:22 ID: VVTJfeDZpB
https://
申し上げます!ゴーストが4年ぶりに勝利しました!
提供: みゅん
提供: haco
提供: キセキ
提供: 岡山工場(inpipo)
提供: abs
急上昇ワード改
最終更新:2025/04/06(日) 02:00
最終更新:2025/04/06(日) 02:00
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