タケリタケ(猛茸)とは、菌類の一種である。普通のきのこにある種のカビが寄生して奇形になったものをいう。
「タケリタケ」の名前は総称として扱われるが、実質的に以下の一種を指す。
【分類】フンタマカビ綱ボタンタケ目ボタンタケ科ヒポミケス属
【学名】Hypomyces hyalinus
(学名の由来)Hypomyces→下の+菌/hyalinus→透明な
テングタケの仲間・ガンタケ(Amanita rubescens)の子実体に寄生するチン種の菌類である。同じくテングタケの仲間のベニテングタケ(Amanita muscaria)やA・フロスティアナにも寄生することがある。寄生されたきのこは茶褐色に変色し、傘が開かぬまま円柱状に成長するが、その様子が男根の猛っている様子を想像させてやまないことが名前の由来。北米大陸東部・中国・日本に分布する。
思わせぶりな形をしているためにしばしば話題にされるきのこである。特に図鑑に載っている写真は、わざわざ勇猛な個体を選んで撮影したのではないかと思わせるほどに男根そのものである。しかし、実際にタケリタケを見た人は幻滅してしまうことが多い。そもそも大きさが実物には全然足りないし、カビが侵しているためにきのこの元々の硬さは失われており、触ると情けないことにぼろぼろと崩れてしまうためである。
テングタケ以外にヒポミケス属の菌が寄生したきのこは普通タケリタケとよばれない。それらはH・ヒアリヌスによる奇形とは大きく形が異なり、猛っているように見えないからであろう。単にカビの生えたきのことして認識されることが多い。また、フジツボタケという別の名前でよばれるものもある(漏斗状のきのこが奇形になったもの)。
ヒポミケス属全体で見ると、テングタケ属に限らずベニタケ科・イグチ科などの担子菌のきのこや、時に子嚢菌のきのこにも寄生する。種類によって寄生するきのこはだいたい決まっており、例えばH・クリソスペルムスはイグチの仲間に、H・ケルウィニゲヌスはノボリリュウの仲間にもっぱら寄生する。
タケリタケは毒菌の多いテングタケ類に寄生するため、一般に食用には向かない。しかし、ベニタケ類やチチタケ類に寄生するH・ラクティフルオルムは、北米やイギリスではロブスターマッシュルームと呼ばれ、人気の食用キノコとなっている。パスタ料理やクリームソースでの煮込み料理などに向いているそうだ。
こちらはその解説動画。
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最終更新:2024/12/26(木) 21:00
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