デラ富樫とは、殺し屋である。一流のスナイパー。愛称は『カット』。ごく親しい人間以外にはこの愛称を呼ばせない。
彼についての資料は大半が散逸しており、以下は唯一の記録とされる
三谷幸喜監督による映像『ザ・マジックアワー』によるものである。
この映像が撮影された時は俳優・村田大樹という仮の姿で、相棒兼マネージャーの長谷川謙十郎とともに
「スタント」や「エキストラ」専門の役者として東宝系の市川崑作品の裏方として資金を稼いでいた。
(勿論、裏方に徹するのは「顔がバレてはならない」ためであり、記録映像にも、『顔、バレてなかった?』との言葉があった)
2008年、港町の守加護に住む友人備後登の要望により、守加護のギャング「天塩商会」へと乗り込む。
当初は自身にかけられた濡れ衣の銃撃の疑いを晴らす為、と説明されたが、あまりに隙だらけの天塩マフィアに痺れを切らした彼は、ついボスの天塩を人質にとってしまう。
しかし、備後より「殺さないこと」を命ぜられていた彼は、天塩の手下らにハジキを捨てさせると
自らは窓から飛び降り、トランポリンショーを見せつけ逃亡を図る。
しかし、備後より再度天塩に交渉を申し入れるよう促された彼は再び天塩商会の門を叩く。
この際の潜入では、無血交渉のために準備した拳銃が「ゴム製」と見抜かれ、その類稀なるユーモアのセンスを気に入られ、組への加入を打診される。
だが、元来一匹狼気質の彼はコレを拒否。
一転ピンチに陥るが、備後の介入もあり、一命を取り留める。
その後、備後による説得によって、その意志は一変する。
三度訪れた天塩商会では、ついにその殺し屋としての雰囲気を認められ
机のペーパーナイフをプレゼントされる。
そして、天塩の仲間となることを約束する。
(この際、ライバル組の「江洞商会」に偽のデラ富樫が居ることが判明する)
しかし、天塩に2度も反抗したデラを信用できない腹心の黒川裕美は独断でデラを港の銃取引の場に連れ出す。
だが、結果的にこれはデラの実力が本物であることを黒川に知らしめることになり、瞬時に自分を狙うスナイパーの存在を見抜き、俳優経験から相手が取引に応じる気が無いことを悟ると鞄から銃を抜き取り、その演技力で完全に相手を出し抜くと波止場で壮絶な銃撃戦を繰り広げ、銃弾の雨の中を笑いながら転げまわるという離れ業を見せ付けた。
(しかし、これは黒川の独断の為、きちんとした映像が遺されず、口伝によるものであり信憑性に疑問が持たれている)
とはいえ、順調に成果を挙げるデラに天塩も満足し、デラ自身もあまりにやる気の無い手下にマフィアとしての振る舞いについて演技指導をするなど、確実に両者の仲は深まっていった。また、かつてつながりのあった江洞と再会するが、既に顔を変えていたためか、最初は信じてもらえなかった。
そんな中で、組の会計係である菅原虎真が裏取引情報を漏らしているといううわさをつかみ、デラに殺しの依頼をする。
ようやく本来の腕が発揮できると大喜びで引き受けるが、備後の介入により、未遂に終わった。
しかし、これにより思わぬ事実を鹿間隆より聞かされた彼は、逆に天塩殺害を目論むが、失敗し、逆に捕らえられてしまう。(映像より、黒川ら部下との激しい戦闘があったと思われる痣などが確認できる)
備後と共に囚われの身となったデラはこのとき初めて
天塩とのここまでのやり取りが仕組まれたものであったことを知る。
そして、それを知ると備後のことを殴り飛ばし、守加護から去ろうとする。
しかし、たまたま入った映画館でそれまでの記録映像を目にした彼はその出来に満足し
この場で殺し屋稼業を廃業し、この地で散ることを決意。
俳優時代のコネを使い、 自らの最期に相応しい人材を揃えるが
思わぬ方向に時点が展開し、結局は天塩は未来を掴んでしまい、そのまま逃亡。
だが、事態はこれで終わらなかった。
医師として名を馳せていた偽のデラ富樫が戦いを挑んできた。
しかし、所詮は偽者であり、AR-7を構えてそれらしく登場したものの
すでにデラ富樫は拳銃など必要としていないことを知らなかったためか
その場で複数の人間を射殺する様子を目の当たりにするとアッサリと逃亡。
慈悲深いデラ富樫は黒川を弟子として迎え入れる。
(但し、「殺し屋」としての訓練は断固として拒否し、「俳優」として訓練。結果、名優『寺島進』が誕生したのはご存知の通り)
以後は俳優としての活躍を望んだため、彼が遺した最後の言葉は
「俺に会いたかったら映画館に来な!」だったと言われる。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 02:00
最終更新:2024/04/25(木) 02:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。