トヨタ・クラウンコンフォートとは、かつてトヨタ自動車で販売されていた4ドアセダンである。兄弟車にトヨタ・コンフォートとトヨタ・クラウンセダンがある。愛称はクラコン[1]
ここでは2001年以降に発売されたクラウンセダンも併せて紹介する。
従来、クラウンのセダンボディが担っていたタクシー用の車両(カタログ上では「営業車」)のうち、主に法人・個人タクシー向けの新型モデルとしてコンフォートと共に1995年に登場した。
その当時の新型のクラウンが従来のフレームシャーシから決別をして、モノコックの採用を行ったので、これに準じてクラウンコンフォートもモノコックの採用となった。その為、絶対的な耐久性を犠牲にしてるかと思えばさにあらず、敢えて剛性を下げて耐久性をあげるという発想の逆転を行っている。この辺りはコンフォートにも共通しているが、特徴的なのはこの車のシャーシはクラウン系列ではなく、X80系マークIIのものを使用しており、さらにホイールベースを延ばす事で中型枠に対応した。その結果、5ナンバー車でありながら並みの3ナンバー以上に足元の空間が広いものとなった。なお、延長部は前ドア付近と思われ、リア部分はコンフォートと共通である。その為、横から見ると不釣り合いに前が間延びした印象を受ける。
登場当初は個人タクシー需要をにらんだスーパーデラックスと内装を充実させたQパッケージ、装備を充実させたデラックスと厳選をしたAパッケージ、実用グレードのスタンダードの5種類が存在した。スーパーデラックスはエンジンに6気筒が奢られるなどワンランク上の存在であった。ギアはオートマのみであるがフロアシフトとコラムシフトがチョイス出来た。そしてデラックス以下には4速コラムマニュアルシフト、オートマシフトが用意されていた。4気筒車は従来よりのY型エンジンを採用、耐久性はお墨付きであった。
なお、クラウンコンフォートの登場と同じ頃にクラウンはモデルチェンジを行い150系に移行したが、クラウンセダンには低グレードのタクシーモデルが存在せず、ハイヤーメインのモデルのみとなった。こちらの車両には引き続き「営業車」の表記がなされていた。
2001年にクラウンセダンがクラウンコンフォートベースとなり、スーパーデラックスはそちらに移行した。その後は細かい改良が行われていたが、2008年にエンジン変更を伴うビッグマイナーチェンジを敢行した。エンジンはハイエースに搭載されているTR型となり従来のY型のOHVからDOHCと一気にバージョンアップ。出力も79馬力から116馬力(現在は113馬力)となり、出力が大幅に上がった。一方でこのマイナーチェンジと前後してマニュアルが廃止となり、オートマのみとなってしまった。また、当初は6人乗りも存在したが、コラムシフトと共に廃止となった。
登場より一貫して燃料はLPGのみである。なお、クラウンセダンやコンフォートにはガソリンやディーゼルが存在していた。
販売店はトヨタ店であるが、東京のみはトヨペット店でも取り扱っていた。これは東京トヨペットがタクシー向け専門の部署を持つ為である。
それ以前はトヨタ・クラウンのコンポーネンツを使用した純粋なクラウンのラインナップの一つであった。モデルチェンジの扱いではあるが、クラウンコンフォートのコンポーネンツを使用しており、先代のS150型クラウンと同じ1995年登場である。そしてそのベースとなったのも1988年に登場したX80系マークⅡであり、モデルチェンジしたら何故か古いコンポーネンツになったというねじれが起きた。またその当時のクラウン(S170型)はハードトップが廃止され、ドアサッシュを採用したセダンボディとなったので厳密にはどちらもセダンとなり、ややこしくなっている。通常はセダンと名前がついてる方が、クラコンベースのクラウンセダンと言われる事が多い(「通常」のクラウンはロイヤルシリーズ、もしくはアスリートシリーズと言われる)
当初のラインナップにはガソリンエンジンがあり直列6気筒の1G-FE型が用意された。またLPG車は3Y-PE型が用意された。共にスーパーデラックスと内装を豪華にしたGパッケージの2種類であったが、その他にもTECS扱いでワイドボディに1G-GPE型の直列6気筒LPGのロイヤルサルーンが存在した。
2002年にガソリン車にハイブリッド車が追加された。このハイブリッドは通称マイルドハイブリッドと言われ、プリウスのようにエンジンと直結していないが、オルタネーターがモーターの代わりとして使用する比較的簡易的なシステムとなっている。これと併せてLPGの直列6気筒エンジンのロイヤルサルーンが廃止、4気筒エンジンながら車体のみワイド化したスーパーサルーンが追加となった。
その後、2008年にガソリンエンジン車が廃止になり、あまり話題にはならなかったのだがこのモデルをもって日本車のガソリン直列6気筒は終止符を打った。そしてまもなくLPG車が新型の1TR-FPEとなり、出力が大幅に上がった。エンジン換装前のモデルと比べるとホイールキャップが光沢仕上げになっている点が異なる。
クラウンコンフォートと比べると内装がジャガードシートとなっていたり、インパネも150型に似たデザインが採用されてるなど、差別化が図られているが豪華絢爛と言うよりは質実剛健である。言うまでもなく用途はハイヤーやタクシーが多いが、近年のクラウンの大型化を嫌ったり、あまりに威圧感がある近年のモデルを敬遠して会社の役員用車両としても採用がされていた。
2017年にクラウンコンフォートはセダンモデル・コンフォート共々モデル廃止となった。
既にモーターショーなどで後継モデルとなるトヨタ・JPNタクシーが登場しており、モデル廃止は時間の問題とされていた。これに伴い、発注分を持って完全に生産を終了し、純粋なセダンモデルとしてのタクシーは消滅する事となった。
クラウンコンフォート、及びクラウンセダンに搭載されたエンジンをここでは記述する。
スーパーデラックス及びクラウンセダンのロイヤルサルーンに設定されたエンジンで2002年に廃止されるまで設定がされていた。形式からわかる通り、1G-GE型エンジンのLPG版であり、ハイメカツインカムではないスポーツツインカムである。その為、YAMAHAの文字も見る事が出来る。
その当時の法律の関係で燃料噴射にインジェクションが使用出来ず、電子制御のキャブレターとなっている。その為、パワーは100馬力を切っている。
直列6気筒だけあり、滑らかではあったものの、トルクと燃費に難がある。
2008年までのクラウンコンフォートのデラックス以下の全グレードと、ロイヤルサルーンを除くクラウンセダンのLPG仕様に設定されたエンジンである。クラウンコンフォート登場時点で割合に古いエンジンであり、弁機構にOHVを採用していたりとかなりロートルな感じであった。しかし、その分だけ熟成されており、また頑丈性も段違いであった。
出力は79馬力と数字の上ではかなりアンダーパワーであるが、実用域では問題の無いレベルであった。これまた燃料噴射には電子制御式のキャブレターを使用していた。
2008年のマイナーチェンジの際に登場したエンジンでクラウンコンフォート、クラウンセダン全車に搭載されている。ハイエースなどではすでにおなじみのエンジンであり、弁機構がDOHCとなり、また法改正でインジェクションを使用する事が可能になった為、EFIが採用された。その為、従来LPG車には必須であったベーパーライザー(気化器)が廃止になっている。
出力も116馬力と約40馬力程度の大幅なパワーアップを果たしている。
クラウンセダンのガソリン車に搭載されていたエンジンで、現時点における日本最後の直列6気筒エンジンである。ハイメカツインカムを搭載しているモデルであるが、改良の結果、160馬力と言う初期の1G-GE型もびっくりなハイパワーを誇っている。マイルドハイブリッド仕様は若干出力を下げられ、143馬力となっている。
2008年にマイルドハイブリッド車の廃止と共にカタログ落ち、そして日本車から直列6気筒が消えた。
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最終更新:2025/12/06(土) 01:00
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