ビャンビャン麺 単語

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ビャンビャンメン

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ビャンビャン麺 (繁:𰻞𰻞麵、簡:𰻝𰻝面)とは、中国陝西省を中心に食べられている麺料理

日本を始めとした海外でも近年提供されるが、正直この項の本題は麺そのものよりもその表記のほうであることに留意されたい。

概要

ビャンビャン麺は中国は陝西省で食される打ち麺。小麦粉を加えてこねた生地を、2-3cmほどにたく伸ばし、その後ビャンビャンと叩きつけて成形する。名前の由来は一説にはこの叩きつける際にビャンビャンと音がするからビャンビャン麺なのだとか。

こうして伸ばした麺をん中から裂いて、ゆでる。「陝西十大怪」とも呼ばれる陝西省の人たちの独特な食文化として、「ベルトのような」麺ともしばしば言われるのだとか。これに唐辛子と刻んだネギをかけて食べるのが本場の食べ方。地元の人はこの他の具はあまり入れないようだが (これは単に他の具を入れるお金がないからというのもあるらしい) 、現在中国全土で食べられるようになり、海外でも流行り始めたためを入れることもある。

日本でも中華料理店やセブン-イレブンなどで提供されるようになっており、知名度は上がっているといえよう。

ビャンビャン麺の『ビャン』

ビャンビャン麺は中華料理である以上、当然これは現地では漢字表記されている。その漢字は以下のようなものである。

ビャン

……そう、この『ビャン』という文字、まさかの総画数が57画もあるのだ。これは基本字形であり、之繞 (しんにょう) が一点之繞、中が冠 (あなかんむり)、 (変の旧字、『』のかしらといえばわかるだろうか?) 、長長、これを左右はと刂ではさみ、下に心とおいた字である。

この字『ビャン』は陝西省くらいでしか使われない方言字で、しかもビャンビャン麺を書くときにしか使わないというかなりしい文字である。Unicodeにも長らく収録されておらず、当初はUnicode 6.3.0に収録される予定であったが、「ソースWikipediaしかない文字なんて収録できるか」と言われてしまい一度は頓挫した。しかし西洋の漢字学者がめて調べた結果、実際に中国で使われていることが明され、2020年3月Unicode 13.0に収録された。陝西省周辺ではこの漢字を書くための短いが存在している。

逆に言えば、これ以前のPCスマホ環境では当然、表示も表記もできない。まさか2020年代にもなって、料理名で文字化けで悩まされる時代が来るとは……。なお、Unicode版では繁体字が二点之繞を採用しているため58画となっており、これを使えば『𰻞𰻞麵』と書ける。そして簡体字もしっかり存在しており (『長』と『』をそれぞれ『长』と『马』にしたもの) 、これで表記すれば『𰻝𰻝面』となる。簡体字というにはあんまり簡単ではない気がする。

なお、北京周辺ではビャン (biang)という音節を示せる文字がなかったため (発音は擬声語として使うことはあった)、『biángbiáng面』とか『饼饼面』、『面』と表記されていたりする。また異名である『潑扯麵』と呼ばれることも。これなら一般的なPCスマホ環境でも書けるので安心か

もうひとつ言及しておくと、この字は20世紀まで文献に確認されていない。そのため、漢字はかなり最近になって作られたと見られている。もう少し簡単にしておけばいいのに。画数が多すぎるせいもあってか異体字も増えまくっているらしく、一番画数が多いのは冠の下に「王」、のかわりに「糸」、刂のかわりに「」を採用した涇陽県のバージョン (70画)。逆に一番画数が少ないのは通用規範漢字表に基づいて簡化を行ったバージョンで、糸言糸を「」のはねをとめに変えたものに置き換え (→変やのように) 、長長も长马长に変えた35画のもの。それでも35画あるのだが。

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最終更新:2024/06/04(火) 20:00

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