ミハイル・ゴルバチョフとは (ミハイルゴルバチョフとは) [単語記事]

ミハイル・ゴルバチョフとは、ソ連最後の指導者で初代にして最後の大統領。ハゲ頭にアザがトレードマーク。愛称はゴルビー。

概要

ミハイル・セルゲーエヴィチ・ゴルバチョフ
Михаил Сергеевич Горбачёв
Mi khail Sergeyev ich Gorb achev

1931年生まれ。1985年に54歳という異例の若さで書記長就任。ただしロシアハゲフサの法則については異例ではなかった。

書記長就任直後の外相人事で、長く外相を務め続け「ミスター・ニエット（英語で"No"に相当」）」の異名で知られたグロムイコではなく、当時は無名だったシェワルナゼ（後のグルジア（現：ジョージア）大統領）へ替えるなど、後になって振り返れば当初からペレストロイカの予兆はあった。

書記長就任翌年の1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故が発生。この時に指導者である自分へまともに情報が来なかったことから国家体制に欠陥があると確信しペレストロイカ（改革）、グラスノスチ（情報公開）を敢行した。

対外的には新思考外交を打ち出し、冷戦での敵国であるアメリカ大統領と直接会談して最終的に平和的に冷戦を終結させるという就任前には誰も予想しなかった偉業を果たす。これによりノーベル平和賞を受賞した。諸外国から批判されていたアフガニスタン出兵からも撤兵。またそれまでのソ連政権と違い東側諸国の民主化を止めなかったためソ連影響下にあった国々は次々と民主化し、特にドイツではベルリンの壁が崩壊し東西統一へ至った。一方でユーゴスラビアのように政情が致命的に不安定となり内戦へ突入した国もあった。ソ連元首として初来日した際には北方領土について領土問題が存在することは認めた。

共産党一党独裁をやめ初の大統領制を導入し、一部の権力者達による互選であったが自らがソ連の初代大統領に就任した。一連の改革によりソ連を虚像ではなく実力相応の国へ着陸させたが、既にその実態は世界の大国から転落するに足るもので、さらに内政的には経済も治安も悪化する一方だった。1991年 8月にはクーデター未遂が発生しゴルバチョフは求心力を失い、その年の12月にソ連は崩壊した。このため肝心のロシア国民からの評判は芳しくない。また旧ソ連構成国ではベラルーシやトルクメニスタンなど民主化せずに独裁国家化してしまった国も少なくなかった。