伝家の宝刀とは、
刀といえば江戸時代以前の武士が存在した時代であるが、当時は刀を一本作るのにも刀鍛冶と言う職人が必要であるため、刀の良し悪しは職人の腕が端的に現れ、また腕の良い職人でも優れた刀を早々作り出せるものではなかった。
そのため、刀を作ること自体の手間に加え、出来のよい「名刀」が完成した場合のその付加価値は並大抵のものではなく、後世まで伝えられるような名刀として大切に保管される事となる。
現在は特別な許可を得た者以外は刃を潰した模造品でないと刀を所持できないため「実用」される事はまず無いが、武士の時代はそれなりに刀が実用、つまり人を斬るのに使われる事があった。
刀は人を斬ると基本的に刃こぼれしたり錆びたりする。錆びるのは丁寧な手入れによって防ぐ事は出来るが、刃こぼれするのはどうにもならない。破損するたびに研ぎ直して切れ味を回復させるのであるが、繰り返していればやがて刀身がやせ細り使えなくなってしまう。手入れをしないまま連続して戦闘を行った日には手入れの余地も無く刀はダメになってしまう。
そのため、高い価値がつくような名刀は逆に使用が躊躇われ、宝物として保管する対象とされてきた。
ある程度の地位を持つ武家は高い価値を持つ美術品であると同時に江戸時代以降、武士としての象徴である刀を家宝にする事が多く、家に代々伝わる宝の中でも特に「伝家の宝刀」という言葉が生まれる事となる。
こうした「伝家の宝刀」は所持して誇示する事に意味があり、実際に使用する事は家に賊が押し入って命の危険に晒されているが武器がそれしかない、等と言ったよほど切羽詰った状況でない限り使う事はない。
冒頭の通り「滅多に使わない奥の手」と言うのが本来の意味であるが、現代の日本語の会話では単に「その人が最も得意とする必殺技」のような意味でしばしば用いられる。
例えば漫画「キン肉マン」においては、主人公・キン肉マンの必殺技「キン肉バスター」「キン肉ドライバー」、特殊能力の「火事場のクソ力」は伝家の宝刀としばしば言われるが、これらは別に使ったら減るものでも無いし、滅多に使わないという事も無い。使うチャンスがあれば毎試合のように使っている。
この用法はキン肉マンに限った話ではなく、様々な場所で使われているため、「確信犯」等と同じく、もはや「誤用から生まれた正しい日本語」となりつつある。(辞書に載るまでには至っていないが)
また、野球の世界においてはピッチャーがもっとも得意とする変化球の事を指し、特にその球種が来るとわかっていても三振するというほどの変化をする球を指す。打ち取ることよりも空振りをさせることを重視している場合が多い。代表的なものとして全盛期の野茂英雄や佐々木主浩のフォークや潮崎哲也や高津臣吾のシンカーが挙げられる。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/24(水) 19:00
最終更新:2024/04/24(水) 19:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。