八卦炉とは、中国の伝奇小説「西遊記」に登場する炉である。読みは「はっけろ」としたが「はっかろ」と読む場合もある。
道教の神である太上老君が仙丹を煉るのに使用する炉。「八卦」とは古代中国の易における8つの基本図像、すなわち「乾・坎・艮・震・巽・離・坤・兌」をあらわし、八卦炉の内部もこの8つの方向に分かれている。
斉天大聖孫悟空は西王母の蟠桃や太上老君の金丹などを勝手に平らげたことにより、天界に捕えられた。しかしこれを罰しようと刀や斧で切りつけても、炎で焼いても、雷を落としてみても、蟠桃・御酒・仙丹を飲んで猛火で鍛えた鋼鉄のような身体となった孫悟空にはかすり傷ひとつつけられない。そこで太上老君が、丹を煉るついでに孫悟空をも炉の中へ入れて焼き殺す事にした。上手く煉ることができれば、肉体は灰燼に化すという。
かくして八卦炉に入れられた孫悟空だが、前述の8つの方向のうち「風」をあらわす巽(東南)の方向に身を隠し、火を避けることに成功した。しかし風は立ち上る煙を巻き上げ、孫悟空の眼を燻して赤くしてしまった。
孫悟空が八卦炉に入れられてから49日、出来上がった丹を取り出そうと老君が炉の蓋を開けた隙に、孫悟空は八卦炉から脱出する。怒り狂った孫悟空は暴れに暴れ、そこへ現れた釈迦如来から有名な「釈迦如来の掌から抜け出せるか」という賭けをもちかけられるのである。
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最終更新:2024/05/12(日) 06:00
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