大宇・ローヤルシリーズとは、韓国の自動車メーカーであるセハン自動車/大宇自動車(現:韓国GM)が1970年代から1980年代にかけて生産、販売していた乗用車シリーズである。
すべてGM系列の車種(GM Vプラットフォーム)をベースに開発されており、1990年代初めまで車名に「ローヤル」の名称が使用された車種が生産されていた。
厳密には大宇自動車が生産していた準中型から大型のセダンシリーズの総称であり、自動車産業合理化措置が発動していた1980年代には、ローヤルシリーズに乗ることが富の象徴とされていた。
1986年に自動車産業合理化措置が撤廃されてからは韓国国内の自動車メーカー各社で乗用車の開発、生産が行われるようになり、旧態化したローヤルシリーズ各車の販売に陰りが見え始めた。
1990年代初めには後継モデルが発売されたが、ローヤルの名称が使用されなくなった。
オペル・レコルトDのノックダウン生産モデル。
1975年のフェイスリフト時に名称を「レコルトローヤル」に変更した。
このモデルがセハン/大宇における最初に「ローヤル」の名称を使用したモデルであるとされている。
外装はルーフをツートンカラーにして高級感を演出するなどされていたが、基本的にはオペル製のレコルトと大差がない。
1978年9月に発売された中型セダンで、オペル・レコルトE1をベースに開発されている。
発売当初はレコルトローヤルという名称であったが、のちにローヤルに名称を変更している。
エンジンは直列4気筒 1900ccガソリンエンジンを設定。
トランスミッションは、発売当初はマニュアルのみであったが、のちにオートマチックが追加されている。(オートマチック車は当時の広告などで「ローヤルオートマチック」の名称で呼ばれていた)
発売当時は第2次オイル・ショックの最中であり、1978年12月に韓国内で長官級官僚の公用車を4気筒車に制限することが決定されたため、しばらく長官級公用車に指定されていた。
1982年にはタクシー向けのLPGエンジンを搭載した「ローヤルLPG」を追加。
1983年にはフェイスリフトを実施、車名を「ローヤルプリンス」に変更した。
1980年に発売。
ローヤルにオペル製のディーゼルエンジンを搭載したモデルで、韓国初のディーゼルエンジンを搭載した乗用セダンとなった。
当時のディーゼルエンジン技術が未発達だったため、騒音や振動が凄まじいものだったという。
1984年にフェイスリフトを実施、ローヤルXQと同じデザインとなる。
1987年にはフェイスリフトを実施、ローヤルデュークと同じデザインとなる。
1989年には生産を終了。
1980年発売。
ホールデンのVBコモドアをベースに開発されており、初期モデルはほぼそのままの外装であった。
エンジンは当時の世相を反映してオペル製の直列4気筒 2000ccを搭載。
1983年にはフェイスリフトを実施、「ニューローヤルサロン」となる。
ダッシュボード形状がレコルトE2と同じものとなり、リアランプ形状が変更される。
1987年3月には大規模なフェイスリフトを実施、120系クラウンのコピー車のようなデザインとなる。
ダッシュボードデザインがローヤルサロンスーパーと同じセネターA2とほぼ同じものが適用された。
1988年にはローヤルプリンスと同じくCピラーにガラスが装着されたセネタータイプとなる。
1991年には生産を終了。
1985年発売。
発売当時のローヤルシリーズにおける最上級モデル。
オペルセネターA2にVBコモドアのフロントを合わせたモデルとされているが、オペルセネターA1ベースであるという説もある。
エンジンは韓国初となる電子噴射式インジェクションを備えた2000cc E.F.Iエンジンを搭載。
発売初期はそれなりに販売は好調であったが、同年現代自動車からグレンジャーが発売されると一気に販売不振に陥った。
発売翌年の1986年にはフェイスリフトを実施、車名をスーパーサロンに変更した。
ローヤルサロンとの違いはCピラー以降のデザイン(ローヤルサロンはレコルトタイプ、スーパーサロンはセネタータイプ)であったが、ローヤルサロンの1989年モデルからは同型のデザインとなった。
1991年には生産を終了、後継モデルとしてスーパーサロンブロアムが発売された。
1983年7月発売。
ローヤルの実質的なフェイスリフトモデルであるが、初期モデルはレコルトE2のフロントにVHコモドアのリアをくっつけたよくわからないデザインとなっている。
エンジンはローヤルと同じく1900ccガソリンを搭載。
1984年には早くもフェイスリフトを実施。
リアデザインがレコルトE2とほぼ同じデザインとなった。
1985年10月には外装デザインを一部変更、翌年3月には1500cc XQエンジンを搭載した廉価版の「ローヤルプリンス1500」が発売された。
1986年にはフェイスリフトを実施。
フロントデザインをルマンと共通性のあるデザインへ変更、エンジンにローヤルサロンに搭載されていた2000ccエンジンを採用した「ローヤルプリンス2000」が追加された。
1987年3月にはフェイスリフトを実施。
1500ccエンジンを不評であったXQエンジンからロンジエンジンに変更した。
また、インパネデザインも変更されているが、簡素化されたもの(VLコモドア用とほぼ同一)となっている
1988年モデルでは1900cc/2000ccエンジンをE.F.I(電子制御インジェクション)化した。
1989年モデルではグリルデザインを変更、1900cc/2000ccはローヤルサロンと同じくCピラーにガラスが入ったセネタータイプのデザインに変更された。
1990年には1500ccと同じボディに1900ccエンジンを搭載した廉価モデル「1900デラックス」を追加。
1983年7月にローヤルプリンスと同時発売。
ローヤルシリーズのエントリーモデルとして位置づけられている。
エンジンは大宇自動車が自社開発したXQエンジン(1500cc)を搭載。
1984年にはフェイスリフトを実施。
グリルデザインが変更された。
1987年には生産を終了、フェイスリフトモデルのローヤルデュークが発売された。
販売末期には1ランク下のルマンに高級仕様が設定されたこともあり、苦戦を強いられていたという。
ローヤルXQのフェイスリフトモデルで、外装/内装デザインが変更された。
不評だったエンジンが改良されたロンジエンジンに変更されている。
1988年1月には廉価仕様の「デュークハイファイ」を追加、同年4月にはLPGエンジンを搭載したタクシー向けの「デュークシティ」を追加。
1989年には生産を終了、1990年には実質的な後継モデルとなるエスペロが発売された。
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最終更新:2025/01/03(金) 12:00
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