松尾歩(まつおあゆむ)とは、金融ヤクザから堅気に戻ったプロの将棋指しである。八段。既婚、夫人は女流棋士の上川香織だったが、現在は離婚し、独身。
棋士番号231。愛知県日進市出身、所司和晴七段門下。若手の強豪、渡辺明二冠や宮田敦史六段、伊奈川愛菓女流初段の兄弟子としても知られる。序盤、中盤の研究家として知られ、先手居飛車穴熊対抗策で現在も最有力とされている松尾流を実戦で編み出すなど、棋界に与えた影響は大きい。対して、終盤は少し弱点でもあるが、ファンタジスタというほどでもない。
ポスト羽生世代と渡辺明など若手の狭間の生まれであり、その空白期とも暗黒期ともいわれる(後述)中でただ一人、B1級で気を吐いている強豪棋士でもある(史上最速でフリクラ転落した熊坂学や、同様に徒名からしてフリクラと呼ばれている藤倉勇樹、同じくフリクラの島本亮、年齢の割に五段に甘んずる大平武洋など逸材が揃っている辺りお察しください)。だが、十分な棋力の割に、まだタイトル戦には縁がなく、2017年には竜王戦で羽生善治と竜王挑戦決定戦に登場するまで、最高でも4位止まりだった。
読書家であり、財テクなど金融、経済関係にも興味を持っていた。また、ファンの間ではトーンの低い美声で知られ、イケボと呼ばれ、いつしかセクシー松尾というあだ名がついてしまった。
正確には、第54回NHK杯将棋トーナメント第2回戦、松尾歩五段(現七段)対 橋本崇載四段(現八段)である。対局者の橋本は今更語るまでもないが、眉毛を剃り落とし、金髪パンチパーマに、紫のスーツを纏うなど、前代未聞といえる紛う事なきチンピラ姿での登場であった。しかし、対局者の松尾も松尾で、茶髪にリーゼントと完全に「ナ〇ワ金融道」とかに出てきそうなインテリヤクザ姿だったため、お茶の間の善良な市民に、多大なる衝撃(と笑い)を与えた。加えて解説はこれまたチャイニーズマフィアという雰囲気ありありの若かりし渡辺明、記録係は恰幅の良く、鉄砲玉よろしくビシッと黒スーツを纏った仲澤雄貴(それとあじあじ)と役者が揃っていた(棋戦自体は、橋本が振り飛車穴熊、松尾が居飛車穴熊で、お互いの上手い指し回しが光った好局である)。
2006年になってから茶髪姿を改め、髪を黒くしたため、一部からは堅気に戻ったと言われる始末である(ひょっとしたら、下の事件も関係あるのかも知れないが、実際は結婚がきっかけであるようだ。そして、トゲの多かった若い頃と比べると、かなり性格は円くなった)。
その9年後2013年のNHK杯戦、今度は松尾が解説の立場で、対局者橋本の寒い一発ギャグを目の当たりにし、「なんと言っていいか分からない」と発言する事態に。
松尾歩といえば、豊川孝弘の1年後の2005年、NHK杯史上二度目の二歩を打ってしまった棋士としても知られ、その時に神吉宏充から付けられた渾名が「松尾二歩」である(だが、当時の対局者、先崎学八段に対し敗色濃厚であったため、ふてぶてしい態度で二歩を打つという醜態を曝した。これが、申し訳ない気持ち一杯の豊川の二歩とは対照的であるため、一部からは故意的とも言われ、一時的に彼の株を大きく下げてしまった。行方尚史といい、なぜ先崎に関わるとこうなるのか…)。
それはともかく、今度は奇しくも第67回順位戦B級2組で、お互いお茶の間で二歩を披露した二人がB1級に初昇級するという偶然(もう一人は豊川孝弘)が起こる。これにより、ひょっとしてNHK杯戦で二歩を打てば殻を破って出世できるのでは?というジンクスが一部の人間により叫ばれたが、それを実践したプロはいない。
なぜか、強いのに一冊も棋書を出したことがない。
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最終更新:2024/12/21(土) 23:00
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