毎回得点

毎回得点とは、スポーツ用語である。

概要

野球などの得点を争う競技で毎回（毎イニング）得点を重ねることを指す。

サッカーやラグビーのように前後半しか無いスポーツや、バスケットボールやバレーボールのように毎回得点する事が当たり前の競技ではあまり使われることがなく、実質的には野球・ソフトボールの用語である。

野球・ソフトボールに於いては、「フルイニングに渡って攻撃時に得点を重ねる」事が定義であり、天候の悪化や、大会規定のコールドゲーム（両チームの点差が開きすぎた場合のコールドなど）によってフルイニング行われなかった場合は記録としては残らない。

達成に必要な最小得点は8点（後攻チームの場合）、毎回得点を記録しても相手チームの方が得点が多ければ当然負けとなる。この場合の最小得点は9点（負けているチームは9回の攻撃が必ずあるため）。
現在のところ延長戦での達成例は無い。

スポーツニュースなどで耳にすることも多いが、これは「◯回まで毎回得点を～」という具合に途中までは毎回得点という事は多いが、9イニングに渡って毎回得点を重ねることは非常に稀である。

実際にプロ野球・メジャーリーグ、いずれのリーグでも完全試合より達成件数が少ない。
※夏の全国高等学校野球選手権大会では完全試合0回に対し毎回得点は1回記録されている。

NPB

日本プロ野球においては過去6度記録されている。
（赤太字で表記されたチームが達成）

• 1952年6月7日（後楽園球場）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
南海ホークス	2	2	2	2	2	1	1	2	4	18
東急フライヤーズ	0	2	0	0	0	2	0	0	0	4

• 1970年6月27日（明治神宮野球場）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
阪神タイガース	2	4	1	1	1	2	1	1	1	14
ヤクルトアトムズ	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0

• 1975年5月11日（阪急西宮球場）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
南海ホークス	1	0	0	1	0	0	0	0	2	4
阪急ブレーブス	1	3	2	4	1	2	1	1	X	15

• 1984年6月29日（横浜スタジアム）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
中日ドラゴンズ	1	2	1	1	2	8	1	5	1	22
横浜大洋ホエールズ	2	1	4	0	0	0	0	0	0	7

• 1985年7月31日（阪急西宮球場）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
西武ライオンズ	0	0	0	1	0	1	2	0	0	4
阪急ブレーブス	1	2	3	1	3	1	2	2	X	15

• 1997年5月7日（福岡ドーム）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
西武ライオンズ	2	4	2	2	1	1	6	1	2	21
福岡ダイエーホークス	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0

高校野球

日本に於ける高校野球の全国大会では、唯一1985年の全国高等学校野球選手権大会で、PL学園高等学校が、東海大学山形高等学校を相手に達成している。

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
東海大山形	0	0	1	0	0	0	0	1	5	7
PL学園	2	5	4	3	6	2	5	2	X	29

大会後、山形県議会では「どうしてこんなに弱いのか」という議題があがったほどである。後に山形県は強化策を導入した。

地方大会では点差が開きすぎるとコールドゲームになってしまうため、実力差が大きいと逆に達成しづらい記録でもある。

MLB

メジャーリーグでは1920～1941年のライブボール時代（所謂よく飛ぶボールを使用した時代）に3回、それ以降では5回達成されている。

• 1923年6月1日（ベイカー・ボウル）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
ニューヨーク・ジャイアンツ	4	2	1	1	5	5	1	2	1	22
フィラデルフィア・フィリーズ	1	4	0	1	1	0	0	1	0	8

• 1923年7月7日（ダン・フィールド）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
ボストン・レッドソックス	0	0	0	2	0	0	0	0	1	3
クリーブランド・インディアンス	3	2	3	1	2	13	1	2	X	27

• 1939年7月26日（ヤンキー・スタジアム）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
セントルイス・ブラウンズ	0	0	0	0	0	0	0	1	0	1
ニューヨーク・ヤンキース	2	1	1	4	1	3	1	1	X	14

• 1949年5月11日（コミスキー・パーク）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
ボストン・レッドソックス	0	0	0	5	0	1	0	2	0	8
シカゴ・ホワイトソックス	1	1	2	1	2	1	1	3	X	12

• 1964年9月13日（リグレー・フィールド）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
セントルイス・カージナルス	2	1	2	2	2	1	3	1	1	15
シカゴ・カブス	1	0	0	0	0	1	0	0	0	2

• 1998年9月14日（カウフマン・スタジアム）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
オークランド・アスレチックス	1	0	0	0	5	0	0	0	0	6
カンザスシティ・ロイヤルズ	1	1	3	1	1	3	2	4	X	16

• 1999年5月5日（リグレー・フィールド）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
コロラド・ロッキーズ	1	1	1	1	2	1	2	2	2	13
シカゴ・カブス	0	2	3	0	0	0	0	1	0	6

• 2006年4月29日（ヤンキースタジアム）

チーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
トロント・ブルージェイズ	2	0	3	0	1	0	0	0	0	6
ニューヨーク・ヤンキース	4	1	2	2	3	1	3	1	X	17

関連動画

関連リンク

• ＰＬ、震撼させた記録破りの猛打（asahi.com）

関連項目

• 野球
• 高校野球
• プロ野球
• メジャーリーグ