砲艦(英:Gun Boat)とは、軍艦の一種である。使い易い名前のせいか時と場合によって定義は異なるが基本的には小型で沿岸や内水域で活動する軍艦を指す。
砲艦には主に二種類あり、その内訳は、
となる。
前者はモニター艦や海防戦艦に発展していき、後にそれらにとって代わられた。
後者は下駄舟と呼ばれ、20世紀初頭に列強諸国が中国の揚子江に派遣していたものが有名。一般的に砲艦というとこちらを指す。戦闘能力よりも居住性や指揮通信能力が重視され、移動在外公館としての設備を整えていた。排水量500t以上もあれば大きいほうで通常は1,000tを超えることはない。平底の船体なので航洋性も低かった。揚子江の砲艦は列強による中国の半植民地化が終わると姿を消したが南米のいくつかの国々ではアマゾン川やラプラタ川において艦齢が半世紀以上のものが現役で使用されている。
どちらも植民地の警備任務や海外における権益保護に派遣されることが多く、砲艦外交の語源となった。
戦前の大日本帝国も中国国内に多数の居留民や少なからずの権益が存在していたため、それらの保護のために多数の砲艦を建造・就役させていた。外交任務を行うことから艦首に菊の御門が取り付けられ、国内法上では戦艦や巡洋艦や空母と同じく狭義の「軍艦」とされ、「艦艇」扱いの駆逐艦や潜水艦よりも格上の位置づけがなされた(これは北洋で警備活動を行っていた海防艦も同じである)。艦長には中佐が任命された。もっとも太平洋戦争が起きるとそのような外交任務はなくなったので1944年の改定で「軍艦」から外され、独立した艦種の「砲艦」に格下げになった。
1966年の映画『砲艦サンパブロ』。揚子江パトロールの様子が描写されている。
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最終更新:2025/02/14(金) 01:00
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