蒼天航路とは (ソウテンコウロとは) [単語記事]

蒼天航路とは、三国志の世界を描いた長編漫画である。

概要（原作）

悪党と言われてきたものは、本当に悪党なのだろうか。

善玉と言われてきたものは、本当に善玉なのだろうか。

原案・李學仁（イ・ハギン）、漫画・王欣太（きんぐごんた）による漫画で、講談社漫画賞一般部門・第22回平成10年度の受賞作品。連載中に原案者が死去し、途中からは王欣太一人によって執筆された。

キャッチコピーは”衝撃のネオ三国志”。その名の通り、劉備を主人公とした作品が多い中、曹操を主人公に置き、更に新しい解釈・視点・独自のアレンジを大いに盛り込んで三国志の世界を描いた。
緻密ながらも圧倒的な迫力を持つ画力、誇張を交えながらも魅力的なキャラクター描写などにより多くの読者を惹きつけ三国志界を代表する人気作品にまで上り詰めた。

「ならばよし！」「とんでもねえ奴と同じ時代にうまれちまったもんだぜ」などの名台詞が多く、好んで使う三国志ファンは多い。

優秀な作品ゆえ、ニコニコ動画に投稿されるMADもハイレベルである。他にもニコニコ歴史戦略ゲーでは彼らのセリフを再現して使う動画がある。また、ゲーム「三国志大戦3」ではＬＥ枠として蒼天航路のものが使われ、武将のセリフが再現されている（一部汎用アリ）。

蒼天航路と正史三国志

蒼天航路は正史三国志準拠の物語である、と言われることがあるが、これは間違いもしくは誤解であるといえる。
実際には正史と矛盾する設定や独自設定も多数含まれており、演義とも異なるが正史とも異なる世界観が広がっている。
キャッチコピーの通り、蒼天航路はネオ三国志、正史でも演義でもない新しい三国志の物語と考えるのが妥当だろう。

もっとも端的な例を挙げると、劉備のキャラクター付けを見るのがわかりやすいだろう。
正史の劉備は「口数が少なく喜怒を顔に出さない」人物であると記されており、正史・演義・蒼天航路でそれぞれまったく違うキャラクター付けで書かれていることがよく分かる。

概要（アニメらしき何か）

総監督：芦田豊雄
アニメーション制作：マッドハウス
 製作著作：日本テレビ、D.N.ドリームパートナーズ、バップ
 オープニングテーマ：「909」歌：TRIBAL CHAIR
エンディングテーマ：「ピンホール」歌：OGRE YOU ASSHOLE

2009年 4月から、日本テレビ系列でアニメ版が放映開始。

原作の力強さをアニメで巧みに再現。
三国志未読者の総監督による指揮の元、原作の難解な表現をあえて面白おかしくアレンジ。
スタッフは声優陣をしっかり指導。
迫力あるサウンドと演出を含めた豪快な出来に、ファンは「総監督の頭骨をえぐれい」「棒天航路」「蒼天アニメ已死」と、アニメ化した作品への賛辞を惜しまない。