首相官邸ドローン事件とは (シュショウカンテイドローンジケンとは) [単語記事]

首相官邸ドローン事件とは、首相官邸屋上でドローンが発見された事件である。

概要

2015年 4月、首相官邸において、放射能汚染土や発炎筒を搭載したドローン（小型の無人飛行機）が落下し、2週間後に官邸屋上で発見された事件である。反原発派の福井県小浜市在住の男性(40歳)が、反原発を訴える、また福井県知事選に影響を与える目的で墜落させた。

事件発覚後、容疑者は地元の警察署へ出頭し、威力業務妨害容疑で逮捕された。
元航空自衛官であったが、後に除隊。派遣社員に再就職し、2014年まで電機メーカーの正社員として就労していた^[1]。転勤を命じられたため依頼退職し、逮捕時は無職。

逮捕後、容疑者のブログやニコニコ静画内で執筆したマンガが発見されたため、ネット上で話題になる^[2]。

時列系

2014年 10月頃 - 容疑者が福島県内にて汚染土調達。官邸周辺を下見する^[3]。
11月頃 - 容疑者が福島県内にて汚染土調達。六本木のアメリカ大使館周辺を下見^[4]。
12月24日 - 容疑者が首相官邸を目標にドローンを飛ばす計画を実行しようとするも、離陸直前で断念
未遂に終わる^[5]。

2015年 4月9日　3時半 - 容疑者が首相官邸を目標とし、ドローンを飛ばすも下降途中で操作不能、ドローンをロストする^[6]。
4月22日 10時頃 - 首相官邸屋上に落下しているドローンを官邸職員が発見。通報し事件発覚^[7]。
4月24日
 14時頃 - 事件を知った男女2名が官邸周辺でドローンを飛ばそうとし、警官に見つかり制止される^[8]。19時半 - 官邸サンタを名乗る人物が2ちゃんねる環境・電力板に「官邸ドローン犯人がブログ公開」というスレを立てる。しばらく誰にもレスされず。
20時頃 - 40歳の男が福井県小浜署に出頭。
4月25日午前中 - 出頭した40歳無職の容疑者が警視庁公安部に逮捕される。威力業務妨害容疑^[9]。警視庁が容疑者のブログを把握。
6月3日 - 警視庁公安部に再逮捕される。火薬類取締法違反と銃刀法違反容疑^[10]。
6月24日 - 東京地検が容疑者を起訴。罪状容疑は、威力業務妨害罪・火薬類取締法違反（不正製造）罪^[11]。

2016年 2月16日 - 東京地裁は、被告に対して懲役２年、執行猶予４年、ドローン没収（求刑懲役３年、ドローン没収）の判決を言い渡した^[12]。

事件の影響

この事件を受けて、ドローンがテロに使用される恐れから、所持を免許登録制にするなどのドローンに対する規制や、航空法を改正して重要施設上空を飛行禁止区域にするなど議論されることとなった。
また、犯行から発覚が2週間も遅れたため、首相官邸の警備体制が問題視され、4月24日夜から屋上に24時間体制で警察官を配置することが決定され、防犯カメラの設置などが検討された^[13]。