黒部川とは、富山県東部を流れる河川である。全長は85kmほど。
水源地は飛騨山脈(北アルプス)の鷲羽岳。西の立山・東の後立山、北アの二大稜線に挟まれ、山脈から出た沢を集めながら北方へ向かい、黒部市と入善町の境を走りながら日本海へと注ぐ。
河口付近の扇状地は水資源に恵まれ、稲作が盛んな土地となっている。
急峻な山岳を穿つように流れ、高低差の激しい黒部川は、電源開発が古くから行われてきた。その代表が黒部ダムである。
黒部川の開発の歴史における象徴のひとつである。トンネル掘削過程において山中の岩盤の温度が100℃を超え(最高165℃)、ダイナマイトが自然発火するほどだった。作業員や岩盤に冷水を浴びせてもまさに焼け石に水で、多くの人が倒れたという。しかし時は昭和10年代、戦争遂行の為、電源確保の為には強引にこの難所を突破する外なく、破格の待遇で人を雇い、人海戦術で夏冬問わず工事がすすめられた。その結果、仙人谷ダム完成までに約300人もの犠牲者を出した。現在このダムは黒部川第三発電所への配水を続けている。
現在この高熱隧道は、関西電力の専用線として使われている。通常この線に乗車することはできないが、関電が主催する見学会(抽選制)に応募して、当選すれば訪れることが可能である。仙人谷ダムは後述する水平歩道を利用すれば誰でも訪問可能である(とはいえ登山技術と装備がいるが)。
黒部ダムは本体高さは186mで日本一、貯水量は2億㎥という桁外れのサイズを誇る、日本有数の巨大ダムである。別名は黒四ダムだが、これは隣接の水力発電所「黒部川第四発電所」に由来する異名である。発電目的で開発されたダムであるが、国立公園の景観保護の為、発電施設等はすべて山中の地下に設置されている。上記高熱隧道を通る専用線は、この発電所まで延びている。
観光客は、立山黒部アルペンルート(冬期運休)を使うことによって訪問が可能である。発電所は一般公開されていないが、上述の見学会に参加することによって見学ができる。
黒部ダムから黒部峡谷鉄道の欅平駅の間は登山道が延びており、これもまた、電源開発の過程で生まれた道である。道中、下ノ廊下と呼ばれる渓谷の美を堪能しながら、約30kmの道のりを歩くことができる。
このうち黒部ダムから仙人谷ダムまでを日電歩道、仙人谷から欅平駅までを水平歩道と呼ぶ。日電歩道は残雪が消える9月~10月のみしか通行できず、残雪が多いとそのまま来年まで通行止めという年もある。水平歩道は7月ごろから通行できるが、高さ300mの断崖をくり抜くように作られた道は迫力満点である。
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最終更新:2024/05/27(月) 02:00
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