龍造寺信周とは (リュウゾウジノブチカとは) [単語記事]

「龍造寺信周」（りゅうぞうじ・のぶちか 1535 ～ 1608）とは、肥前のクマー龍造寺隆信の異母弟であり、兄を支えて一度は滅亡しかけた龍造寺家を盛り立てて勢力拡大に貢献したが、兄・龍造寺隆信の戦死後は鍋島直茂の肥前の支配権を完全に禅譲する事を認めざるを得なかったある悲運の付きまとう弟クマ。

概要

肥前の熊こと龍造寺隆信の異母弟で、兄と同母の弟・龍造寺長信よりも序列は下の扱いと言う悲運の下で父・龍造寺周家の子に生まれた。

一時期は主要な一族が全滅し、曽祖父・龍造寺家兼の奮闘によりなんとか持ちこたえた龍造寺一族だったが、兄・龍造寺隆信が肥前を追い出されたりする等、斜陽の龍造寺家を盛り立てる為に、兄に従って各地を転戦した。

大友軍との絶望的な戦力差での決戦となった今山の戦いを奇襲によって龍造寺軍が奇跡的勝利を収めた後、肥前の国内の安定化の為に大友宗麟との和睦が成った際は、自ら人質として豊前に派遣されたが、裏では大友氏の勢力の切り崩しを行った。

その後は、松浦氏・有馬氏らと戦い、城井鎮房らを降す等各地を転戦したが、沖田畷の戦いで、兄・龍造寺隆信や五人揃って龍造寺四天王が島津家久に釣り上げられて全滅すると、兄の子で病弱に定評のある龍造寺政家や、龍造寺政家の子でまだまだ幼い龍造寺高房を補佐して領国経営に務めたが、豊臣秀吉の九州征伐や朝鮮出兵を経て着々と基盤を固めていた兄・龍造寺隆信の義弟・鍋島直茂の勃興を抑えることができず、龍造寺政家が徳川家康の許可を得て政治的な権限を鍋島直茂に禅譲して死亡し、後を継いだ龍造寺高房は一旦は龍造寺氏復権に動くも、江戸幕府の事情聴取の為に、異母弟の龍造寺長信や一族の龍造寺家晴と共に呼び出された龍造寺信周は、３人合わせて鍋島直茂の肥前支配を認めた為、肥前は鍋島氏が支配する地となる事が確定した。