HMMWV(ハンヴィー)とは、アメリカ合衆国で開発された軍用車両である。
1985年に従来型の『ジープ』タイプに代わる多用途車両として配備が開始され1990年代にアメリカ製軍用車両の顔ととして世界的に認知された。『HMMWV』とは『High Mobility Multpurpose Wheeled vehicle=高機動多用途装輪車両』の略称である。
1992年に販売が始まった『ハマー』はこの民生版である。
2010年代に後継車両として『JLTV(統合軽戦術車両)』の配備が決定したがHMMWVも並行して配備が続行される。
基本的に全長4.6m、全幅2.6m、全高1.8m、重量2.4tのサイズは前任のケネディジープこと『M151』を上回るサイズである。これは開発時の要求に『TOW対戦車ミサイル発射機+ミサイル本体+操作人員を1台にセットで積載する事』が含まれていたためであった。HMMWV自体には固定武装は装備されず、乗車部の屋根部分に前述のTOWを含む各種火器(機関銃、グレネードランチャー、無反動砲etc)を据え付けるのが基本でありそもそも真正面からの銃火を浴びる戦闘を行う事はあまり考慮されず後述の事例があるまで装甲は備えられていなかった。
また、本来の乗車部を削減し荷台部を拡大した型をベースに救急車型、FIM-92を使用する地対空ミサイルシステム『アベンジャー』や各種試作戦闘車両が開発された。一方で特殊部隊や売却・供与された同盟国と鹵獲した敵対勢力では独自の改修・改造を施されることがしばしば見られる。
前述の通りHMMWVは武装こそ出来るが真正面からではなく機動力を活かした威力偵察・歩兵が担当するが機動性に欠けるミサイルなどの重火器を輸送するのが任務である。
しかし1993年のソマリアで起きたモガディシオの戦闘において、装甲のないハンヴィーで市街戦に巻き込まれ多くの兵士が犠牲になった事案をうけて、ハンヴィーに防弾・生残性を付与したM1114装甲ハンヴィーが開発された。車体重量が2トン増加し4.4トンになったためエンジンを190馬力のターボディーゼルに強化しているが、価格は14万ドル(M998は7万ドル)にもなり、米軍がソマリアから撤退して必要性が薄れたこともあって、製造は進まなかった。[1]
その後、2001年のアフガニスタン、2003年のイラクにおいて占領地の警備・パトロールの需要が高まった事から冒頭の静画で搭載されている『OGPK(有視界戦闘用銃塔キット』やRWS(遠隔操作式銃座)の装備と更なる装甲強化も実施されたが対戦車火器や地雷に対しての解決にはなっておらずMRAP(耐地雷・伏撃防護車両)の開発に繋がっている。
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最終更新:2024/05/11(土) 05:00
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