ATR72とは、欧州の航空機メーカーATR社の開発した双発型ターボプロップ機である。
1984年に先行して飛行を開始していた「ATR42」の改良機であり、機体胴部を拡張しエンジン性能を向上させたものである。「42」「72」共に機番は標準での定員数に起因している。
ATR42もそうであるが高翼機であり客室からの展望に優れている。競合機としてターボプロップ機としてはボンバルディア(カナダ)のDHC-8、それにジェット機では同社のCRJ、エンブラエル(ブラジル)のERJなどがあり、ATR72は燃費と価格を主なセールスポウントにおいている。
1988年に初飛行を遂げて以来、現在でも開発が続けられており、初の量産機「100」シリーズから「200」「210」「500」を経て現在では「600」シリーズが導入されている。
日本では2018年に日本エアコミューターが初めて導入。その後、トキエアも2020年にリース契約を締結し、2022年より運航が開始された。また、2026年からの運航開始を目指しているジェイキャスエアウェイズも2024年にリース契約を締結した。その他にかつてスターフライヤー系の格安航空会社(LCC)であるリンクが導入を計画していたが、同社の倒産により立ち消えとなっている。
ATR72は650機以上が運用されている商業機であるが、一方で事故も多く発生させている。
1994年に着氷除去装置の面積不足という設計上の問題から、除氷が不十分となりそれが原因で失速、墜落に至るという事故(アメリカンイーグル航空4184便)が発生した。
先行型のATR42でも類似例の事故が発生していたため、アメリカ連邦航空局(FAA)はATR72に除氷装置の改善命令を発し、同時に航空会社に対して同機を寒冷地において運行させるべきではないという勧告を発する事態に至っている。
その後、2012年にはロシアで除氷装置の作動忘れによる墜落事故が発生した(UTエアー120便)。
また悪天候下による着陸ミス、操作ミスによる墜落事故もあり、2012年から2015年には以下のように毎年何らかの事故を起こしている。
特に台湾の復興航空(トランスアジア航空)が2年連続で事故を起こしたことにより、現在台湾では同型機の運行が停止されている。同社は過去20年で7回、同型機でトラブルを起こしていたと言われている。
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最終更新:2025/12/26(金) 05:00
最終更新:2025/12/26(金) 05:00
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