SCP-2669 単語


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あなた達は私の思いを理解できないでしょう。永遠にを掴み続けることに対する思いを。


SCP-2669 - SCP財団exitより,2023/02/05閲覧

SCP-2669とは、シェアード・ワールドSCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

名は『Khevtuul 1』。

概要

SCP-2669はプロジェクトヘイムダルと呼ばれる地球に対して敵対的な地球外生命体がいるかどうかを確認する計画のために、2004年に財団が秘密裏に打ち上げた宇宙機Khevtuul 1である。つまりこの探機は財団が制作したものである。このKhevtuul 1の当初の任務は地球生物に類似した生命を維持できると考えられた、系外惑星を直接観測するということであった。

Khevtuul 1は財団が制作したものであるのなら、なぜSCPオブジェクトとして認定されたのか?これにはふたつの要因がある。

ひとつは、使っている技術が既知のものではなく、アノマリー由来であるから。詳しくは説明しないが、SCP-2117 (盗まれた団結号ソリダリティ) の中から見つかった光速の推進システムを搭載している。そしてSCP-2372 (ソウルメイト) を研究することにより可となった、人間の意識と接続されたデータ制御システムにより、遅延の通信と制御が可になっている。ただし後者に関しては、地球上の体と接続を維持しながら分離した人間意識の存在によって可となっている。つまり人間を一人意識だけこの探機に搭載し、地球上の体は植物状態に等しい状態にしているわけである。

じゃあもうひとつはなんなのか。――答えはシンプルである。Khevtuul 1に搭載したD-43852(元アスマ・タリーン博士)の意識が財団に叛逆を開始し始めたからである。


リーン博士プロジェクトヘイムダルに割り当てられ、このときに自身の意識をKhevtuul 1に移した。いるかどうかわからない、隠されたものを探すことに興味を強く示していたタリーン博士。もともとそういうことが好きな性格なのであろう。Khevtuul 1に「のり」ながら、タリーン博士系外惑星の知的生命体の根拠を探し出そうとしたが、見つからなかった。当初こそ、希望を持って探索に乗り出していたタリーン博士であったが、やがてKhevtuul 1が地球から2,540光年も離れたあたりで「キリストよりも古い時代から、地球を敵視した生命体が襲ってくることなどありえない」とすようになる。そして、3,150光年も離れ、調惑星に先進文明の存在確率が1%しかないものが混じりだしたころ、タリーン博士は広い宇宙において、自分たち以外の知的生命体はいないと結論づけることになる。

リーン博士は自身の体を破壊してくれと財団にメッセージを送った。この宇宙から解放されたいという願い。自殺にすぎないのであるが、それを願うほどに精神はすりきれていたのだ。しかし財団からすれば、有効な宇宙探索手段を放棄する理由などない。そもそも財団はタリーン博士を、知識を持つだけのDクラスとしてナンバリングしていたのだ。

やがてタリーン博士地球に戻ろうとする。Khevtuul 1を地球にぶつけることで、地球ごと自身の身体を破壊しようというのだ。財団はこれを知り、Khevtuul 1の地球への帰還を阻止することを計画した。財団はKhevtuul 1に別の意識をアップロードすることにより、タリーン博士から制御を奪取することを思いついたのだ。

こうして別の博士が送られたのだが、最終的にタリーン博士がその博士の意識を「食べて」頭をも手に入れてしまった。財団はむしろ状況が悪化したことを悟り、説得に長けた博士無知人間、更には睡状態の患者を次々と送り込んだ。こうして何度も実験を繰り返して、財団は「別の意識を送り込んだ直後はKhevtuul 1が止まる」こと、そして何も知らない人物 (特に、科学技術方面) の意識をアップロードすることで、タリーン博士混乱することを推測し、長期封じ込め手段のテストケースとして、命名もされていない赤ちゃんの精神をアップロードすることを決定。タリーン博士アップロードされた赤ちゃんの意識を見て、強く動揺した。赤ちゃんからは情報を得られないどころか、赤ちゃん自身が探機について理解していないため、探機のどのあたりに意識が存在するのかさえ探り当てることはできなかった。赤ちゃん恐怖しているということだけがわかる。タリーン博士明らか赤ちゃんに強く興味を示していた。

リーン博士は隠されたものを見つけることを好む人である。ゆえに、ヒント何もない赤ちゃん探しはタリーン博士にとって自殺よりも興味がある内容であった。故に、財団の思惑通り、Khevtuul 1が地球に来るのをゆっくりと送らせるためには好都合だったのだ。

財団はこれを成功と見て、難民キャンプに「マーシー際養子縁組サービス」という、養子縁組を旋するという名フロント組織を設立する。そして、難民キャンプの純無垢子供たちをDクラス職員として連れ去り、意識をKhevtuul 1に送り込むことを特別収容プロトコルとして決定したのだ。

倫理的な実験の果てに、その失敗を取り返そうと更に非倫理的なその場しのぎを繰り返すという胸糞悪い根べ。はたしてKhevtuul 1は宇宙の藻となるのか、はたまた地球に業とともに墜ちてくるのか。

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