SCP-5871とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
| SCP-5871 | |
| 基本情報 | |
|---|---|
| OC | Thaumiel |
| 収容場所 | サイト-03 |
| 著者 | aismallard |
| 作成日 | 2021年3月24日 |
| タグ | jam-con2021 パラドックス 儀式 岩石 時間 武器 財団製 |
| リンク | SCP-5871
|
| SCPテンプレート | |
SCP-5871は7個の未研磨の宝石が持ち手に散りばめられた黒曜石の儀式用ナイフである。このナイフは1831年に今日のモンゴルにあった超常墓地遺跡で発見された後、2020年に作成された。――ん?
このアノマリーを使用して何らかの実体を象徴的に殺害すると、その標的は遡及的に終了されることになる。つまり、「相手を殺すと、その相手は死ぬのではなく『そもそも産まれてこなかった』ことになる」ナイフである。この性質によって現実改変的、形而上学的、あるいは時間的性質を持つ危険なアノマリーの無力化に有用であると証明されている。要は現実改変を引き起こすアノマリーであっても、そのアノマリーそのものがなくなってしまえば起こした変化は無効になるのだろう。ただし、あたりまえだがこのアノマリー自身が過去改変を引き起こすわけであるから、使用に際しては監督評議会と倫理委員会の許可が必要となる。
SCP-5871はもともと、匿名の情報源からの密告により1831年4月に発見される。これは2ヶ月後の6月にサイト-19 (当時の呼称は施設-C) に輸送された。しかし7月、SCP指定及び実験が予定されていたにも関わらず、誤って大規模貯蔵庫に移動されてしまい、その後113年間はこのオブジェクトについて知る人がいなくなる。
1944年9月、記録をデジタル化している最中に再発見されたこのナイフは、翌10月にSCP-5871の指定がなされ、実験が開始される。12月にはSafeに分類された後、また保管庫の中で眠ることになる。
1963年、SCP-5871に関する年代の会わない編集が確認されるが、コンピュータのバグであろうと判断される。1980年、カオス・インサージェンシーと思われる不明な工作員がサイト-19に侵入し、SCP-048を終了する。このSCP-048の終了において、リチャード・マイヤーズ博士がインシデントレポートの一部において何らかの超時間的物質の存在を推測する。この研究は激しい論争の的となる。1983年2月にサイト-03に移送されたのち、リチャード・マイヤーズ博士は4月にプロジェクトに割り当てられる。1983年5月にSCP-5871によるKeterクラスアノマリーの無力化に成功したことで、翌6月にThaumielクラスに再分類される。しかしそれから数年が立ち、リチャード・マイヤーズ博士は突如失踪。財団は死亡したと推測した。
2002年、サイト-77の記録にないエリアに、大規模な黒曜石の貯蔵所が発見され、時間的転移検出器によって、この黒曜石こそが超時間的性質を示すことが明らかになる。2007年には複数の土壌サンプルの再分析によって、SCP-5871の発見地点は遡及的に汚染されたことが確認され、O5-9の提言によって、研究が開始されることになる。
2018年にはプロジェクト・オイディプスが開始される。これによって2020年、ついにSCP-5871が作成された。その後、プロジェクトに割り当てられた全職員に記憶処理が施される。2021年に、時間異常部門により時系列の解析試行が開始される。この解析により、SCP-5871は2056年4月に発見地点に埋められ、その後11月にはマウナ・ロア山が噴火してSCP-5871の素材が取得されることになるらしい。
SCP-5871と外見上一致する第二の実例がエリア-313の大深度貯蔵庫から発見された。これをみた管理者は標示のない木箱へのオブジェクトの返戻、発見に関する全記録の削除、そして全ての職員に対する記憶処理を命じる。しかしこの命令をO5-9は無効化し、2つのアノマリーを物理的に比較せよと指示した。その記録は本報告書に添付されている。
[リンクのエラー: ファイル 6R0CF/7301567/SCP-5871/6084/8C は存在しません.]
SCP-5871 - SCP財団
より,2023/01/18閲覧
しかしこの貼付ファイルはリンクが壊れていて読めない。というより、そもそもこの報告書自体、実は記録だけが最近発見されたことがわかっていて、これは存在しないはずの財団施設サイト-03内で執筆されたことがメタデータより示されている。これはいったいどういうことなのだろうか?
ということで考察をやっていきたいが、実はありがたいことに、作者のaismallard自身が『The Leak
』というスレッド内においてヒントを指し示してくれている。
まず、途中で出現したリチャード・マイヤーズ博士だが、aismallard曰く死んでいないのだという。また、カオス・インサージェンシーは本記事の出来事には参加していない。重要なポイントとして、SCP-5871が作成された後、全職員に記憶処理を施している点を挙げている。また、プロジェクト・オイディプスは『運命』を示すためオイディプス――予言の成就を望まなかったにも関わらず、それが現実になってしまったギリシャ神話の王の名がつけられている。
また、このアノマリーを取り巻く歴史は常に都合よく働く『偶然』があることも指摘している。最初の発見は匿名の情報源によるものであったし、時間異常部門はこのアノマリーの歴史に関与している。アノマリーは回収されたにも関わらず、デジタル化のその日まで死蔵されており、不自然なファイルの編集箇所はバグということになり、工作員はサイト-19という財団の主要なサイトを攻撃しておきながら、SCP-048を終了するというどうでもいい任務しかしていない。そのくせ、この終了試行によって新しい種類の時間異常の性質が発見される。アノマリー作成に必要な黒曜石は都合よく財団の管理下で発見される。こうした偶然が発生するのは、新しい種類の性質を検知した直後に限られている。そして、SCP-5871の作成に用いられた素材は、過去にSCP-5871が埋蔵された後に取得された。
奇妙なこととして、「SCP-5871が作成された後、2本目はどこにいったのか」という点がある。つまるところ、1本目のナイフはまだ管理下にあったのであり、同時に2本のナイフがあることは不自然ではないはずである。それにも関わらず2本目のナイフが作成された後、どちらかのナイフは消えてしまっているらしく、「同時に2本のナイフが存在すること」に管理者は驚いていた。そういえば、2本目のナイフを作った直後、関わった全職員に記憶処理を施していた。
つまるところ、このオブジェクトは「2020年に作られた」あと、「1831年に送り届けられている」とみられる。リチャード・マイヤーズ博士も死んだのではなく、身分を偽装して生きており、おそらくはこのリチャード・マイヤーズ博士こそが「匿名の情報源」としてこれを1831年に送り届けたのであろう。
もっとさらに言えば、「その素材」はこれまた未来から採取されている。ここで気になるのは「だったら2056年に作って1831年に送ればいいじゃん」と思うのだが、それができない状況が2056年にあったのかもしれない (その時間軸ではK-クラスシナリオ真っ最中、など) 。あるいは、発見地点に埋めるのが2056年予定なので、2056年のピンポイントの日にちにならないと1831年に送れないが、そのタイミングで制作を開始できず過去に送った (そしてそれもまた都合よく直前には送れないせいで2018年頃に制作を開始するはめになった) のかもしれない。しかし当然、実際に過去に送るまでの間は「本当なら2本あってはいけないはずのナイフ」が2本ある状況であり、かつ互いがぶつけ合わされた場合、「このアノマリーが遡及して存在しなくなる」ため、これらを互いに遠くにしまっておかなければならなかったのだろう。しかしこれが何も知らない人によって発見されてしまい、仕方なくそれを隠蔽しようとしたが、O5-9がその問題に気付かずに調査を開始した結果、SCP-5871はその誕生経緯もろとも存在しなくなってしまった、ということになるのだろう。
途中でSCP-048 (呪われたSCPナンバー) が侵入者によって破壊されているのは、SCP-048はSCP-5871のテストで壊してもいいくらいのアノマリーとして選定され、一応は財団の理念に反するため「侵入者によって破壊された」体にした、ということなのだろう (同時に、SCP-048が過去遡及的に存在しなくなってしまったために、このナンバーに割当てられたオブジェクトは全部報告書ごとなくなってしまうのだ、という理由付けにもなる) 。SCP-5871のタイムラインに直接関係ないはずのSCP-048の破壊について書いてあるのもSCP-5871の関与を示している。
さて、このアノマリーは現在存在そのものから消えてなくなっているが、作者は最後に「あくまで自分のヘッドカノンである」と断った上で、このアノマリーの正体を提示している。
それは、「SCP-5871 = SCP-3797」ということ。SCP-3797とは「たった1度の未来の銃」というオブジェクトで、ある日SCP-3797-ARCと呼ばれる全能のオブジェクトを終了させるために1度だけ使用されなくなってしまった「過去の日付のターゲットを終了できる逆因果的武装」である。SCP-3797もおそらくは時間異常部門によって作成された武装であり、なるほど確かに辻褄が合う。だが、このSCP-3797は「SCP-5871」報告書の書かれたタイムラインでは存在すらしなくなっている。この世界ではSCP-3797-ARCは依然脅威のままのはずであり、しかし2020年を無事に迎えてしまっているというタイムパラドックスが生じてしまっている。どういうことになったのだろう?
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最終更新:2025/12/15(月) 03:00
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